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細胞内オルガネラ膜トランスポーター活性の定量的可視化による薬物の細胞毒性評価
Authors
Tamai Ikumi
玉井 郁己
Publication date
21 April 2016
Publisher
Abstract
金沢大学薬学系本研究では細胞内での医薬品動態を解析するために、蛍光プローブを用いた可視化によるin vitro評価系の樹立を試みた。医薬品の多くは胆汁中に排泄されるがその過程には肝胆管腔側細胞膜に複数のABCトランスポーターが介在する。医薬品ならびにその抱合代謝物の胆汁中排泄にはMRP2(ABCC2)が介在するため、併用薬物や病態などによるその活性変動は医薬品の肝動態変化に伴う肝蓄積性など悪影響を及ぼす可能性がある。そこで昨年度に引き続き、細胞内のエステラーゼによりMRP2の蛍光基質のCDFへ変換されるエステル体CDFDAを用いた解析を進めた。細胞接着部分に胆管腔を形成するサンドイッチ培養ラット肝細胞(SCRH)を利用し、肝実質細胞内から胆管腔へのCDF移行を蛍光顕微鏡下で経時的に観察する方法論の樹立を行った。その結果、蛍光顕微鏡観察下、CDFの胆管腔内への蓄積性を時間依存的に検出し、しかもその活性を定量化することに成功し、Drug Metab.Disps.誌にその成果が受理されるに至った。さらに、胆汁うっ滞等毒性と関連する可能性のある胆汁酸排泄に働くトランスポーターBSEPについても同様な解析をすべく、新しいBSEP輸送解析プローブ基質の探索ならびに新規合成を進めた。その結果、dihydrofluorescein diacetateがラットBsep機能解析を上記と同様な手法で進めることが可能であることを見いだした。しかし、ヒトBSEP解析には不充分なため、新たなプローブ基質の探索と新規合成を展開している。本研究で樹立した手法により、胆管側膜ABCトランスポーダーの活性を定量的に解析することが可能になり、今後は各トランスポーター選択的プローブ基質探索・合成により細胞内で機能する多様なトランスポーターの輪送活性評価への応用の可能性を示すことができた。研究課題/領域番号:21659038, 研究期間(年度):2009 – 2010出典:研究課題「細胞内オルガネラ膜トランスポーター活性の定量的可視化による薬物の細胞毒性評価」課題番号21659038(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-21659038/)を加工して作
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Last time updated on 11/10/2022