DNA複製におけるイニシエーター蛋白の役割

Abstract

金沢大学遺伝子実験施設1.in vitro DNA複製系の検討GroEで再生したRep蛋白は、イニシエーターとして働く際に重要なiteronへの結合活性は非常に高い。しかしFullerらのFraction IIにこれを加えても、pSC101のin vitro DNA複製は起こらなかった。単にGroEで再生したRep monomerではiteronへの結合活性は高くてもイニシエーター活性が無いか、あるいはFullerらのFraction IIにはpSC101の複製に必要なfactorが足りないものと思われる。Rep蛋白のdiner形成に関わる領域の同定及び変異型Rep蛋白の単離Rep蛋白のN末端には、ロイシンが7アミノ酸ごとに4回繰り返したロイシンジッパー構造を取り得る領域がある。このモチーフ内の2番目あるいは3番目のロイシンをグリシンまたはプロリンに変えた4種類の変異型Rep蛋白を作製し、その性質を調べた。その結果いずれの変異型Rep蛋白もin vivoにおいて、イニシエーター活性、リプレッサー活性ともに低下していた。マルトース結合蛋白との融合蛋白の形で精製し,in vitroにおけるDNA結合活性を調べたところ、monomer型が結合するdirect repeat,dimer型が結合するinverted repratいずれに対しても結合能が低下した。塩酸グアニジン変性後再生しmonomer化した融合蛋白でもdirect repeatへの結合が弱かったことから、1アミノ酸の置換でDNA結合活性そのものが低下したものと思われる。4種類の変異型Rep蛋白がnative formでmonomerなのかdimerなのかまだ同定できていないが、モチーフ内の2番目、3番目のロイシンはDNA結合活性そのものに重要であることが分かった。研究課題/領域番号:07780600, 研究期間(年度):1995出典:研究課題「DNA複製におけるイニシエーター蛋白の役割」課題番号07780600(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-07780600/)を加工して作

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