養育里親認定アセスメントに関する一考察

Abstract

近年の社会的養護において、養育里親に被虐待児など困難な問題を抱えた子ども達を養育する専門家としての役割を求める傾向にあるが、その一方で、年齢や経済状況・家屋条件を満たせば、簡単な周辺調査によって、ほとんどの申請者が「養育里親」として認定される。このような現状を踏まえて、本稿では、社会から寄せられる非常に過酷な役割を養育里親が担っていくためには、認定の段階を里親資源育成段階としてとらえると同時に、明確な認定項目の枠組を用いて、適性を問う発想が必要であることを提案し、その重要性を検討することを試みた。そこで、25自治体の中央児童相談所を対象に調査を実施し、認定の現状の一端を明らかにした。また、イギリスの里親認定アセスメントにおけるコンピテンシーアプローチと比較しつつ、今後わが国における養育里親認定アセスメントのあり方を問い、検討すべき課題を提示した

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