わが国の「形式譚」について—稲田浩二・ほか『日本昔話通観』(同朋舎)を基に—

Abstract

昔話を語っていると,聞き手が次々と新しい話を要求してくる.そろそろやめたいと思っても,聞き手がそれを承知しない.そのようなとき,語り手が話を中止するため,同じ語句を反復したり,意味のない内容を語ったりして,聞き手に「語り手はもう語ることをやめたいのだな」と,それとなく知らしめる.そのような種類の話型を「形式譚」と称する.本稿では,そのようなわが国の形式譚について考察したものである

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