腎癌摘出後15年を経過し肺転移を来した切除症例

Abstract

腎癌の約70%をしめる淡明細胞癌(clear cell carcinoma)は切除から10年以上の経過の後、遠隔転移を来すことがある。今回われわれは、腎癌切除から15年目に肺転移を来し、切除した症例を経験した。術前細胞診・組織診では悪性所見は認められず、術中の迅速標本検査では淡明細胞腫瘍と診断されたが、良性・悪性の診断は付かず、免疫染色によって腎癌の肺転移と確定診断がなされた。既往歴から術中の判断で区域切除とリンパ節のサンプリングのみに留めたが、肺癌にも淡明細胞癌は存在し、切除範囲・リンパ節廓清の有無など判断に苦慮した症例であった

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