Iwata Mamoru

Murai Masatoshi

Tadokoro Atsushi

Yamashita Tetsurou

山下 哲郎

岩田 衛

村井 正敏

田所 敦志

Article学術フロンティア研究プロジェクト(2005年度～2009年度)　2007年度　研究成果報告書research repor

田所, 敦志

Tadokoro, Atsushi

山下, 哲郎

Yamashita, Tetsurou

村井, 正敏

Murai, Masatoshi

岩田, 衛

Iwata, Mamoru

KANAGAWA University Repository

22297座屈拘束ブレースの低サイクル疲労性能低サイクル疲労 座屈拘束ブレース SN材制振部材1.序座屈拘束ブレースは､制振部材として建築物の損傷を低減する有効な要素であり､その疲労特性は､求められる重要な性能の一つである｡既往の研究 1)では､芯材の銅種や､形状の違いによる疲労性能実験を行っており､歪振幅と繰返し回数との間に相関関係を見出し､疲労性能式が提案された｡本研究では､PEG,伊E:座屈荷重､Py:降伏荷重)の異なる2種類の鋼モルタル板を用いた座屈拘束ブレースについて､一定の歪振幅を繰返し作用させたときの破断繰返し回数､累積塑性歪エネルギー､累積塑性変形倍率を確認するCまた､既往の研究に提案された､疲労性能式との関係についても考察する｡2.実験計画2.1試験体パラメータPEm yの異なる2種類の試験体を表 1に､試験体形状を図 1に示す.芯材の降伏荷重Pyは素材試験から､拘束材の座屈荷重 PEはオイラー座屈荷重式より､芯材長さq=2351mm)を用いて算出する｡2.2載荷装置載荷は､1000kNアクチュエータを使用し､柱脚部をピン支持とし､柱頭部をローラー支持とする｡試験体は､芯材の弱軸が載荷軸面内になるように 45度の角度で設置する｡2.3載荷計画載荷は､軸方向変位による正負交番繰返し載荷とする｡繰返す歪振幅は両振幅とし､P30にはそれぞれ0.5､1.5､2.5%歪載荷の3パターンを､P09にはそれぞれ0.5､1.0､1.5%歪載荷の3パターンを行 う｡これら計6体の試験体を表 2に示す｡載荷方法は､試験体のならしとして､弾性域内で芯材の降伏歪の 1/3､2/3と､芯材の0,25%歪,各試験体の所定歪の半分で載荷を各 1回行ったのち､所定の歪振幅を繰返し､破断繰返し回数をカウン トする｡載荷は芯材が表1試験体一覧正会員 ○田所 敦志+同 村井正敏H+日本建築学弓変節 雫栗野 糟同 山下哲郎日岡 岩田 衛++*+破断するまで繰返し続ける｡3.実験結果3.1載荷結果各試験体の破断繰返し回数､最大耐力の75%低下時までの繰返し回数を表 2に示す｡P30･05､P30･15､PO9-05の3体は､どれも圧縮側で耐力低下した直後の引張倒において破断した｡しかし､PO9-10は51回目の圧縮側から徐々に耐力が低下し始め､最終的に75回目の引張側で芯材が破断した｡I)09-15も同様に､9回目の圧縮側から徐々に耐力が低下し始め､最終的に 21回目の引張側で芯材が破断した｡P/Py(P:軸方向荷重 Py:降伏荷重)とE(芯材の歪量(%))の関係を図2(a)､a)に示す｡P30-25は､1回目の圧縮側から変形が大きく進み､これ以上の載荷は困難であると判断し､実験を中止した｡よって破断繰返し回数が確認できないまま実験を中止したため､表には実験を中止した回数を示す｡3.2最終状態実験終了後､拘束材を除去し芯材の観察を行ったC芯材の最終状態を表 2に併記するoP30･05､P30-15､PO9-05の3体は､芯材上部で破断していた｡PO9･10､PO9-15の2体は､芯材中央部で弱軸方向に大きく変形 し､変形の一番大きな所で破断していた｡この中央部で破断した2体の試験体の変形を比較すると､PO9-15のほうがより大きく弱軸に変形することが確認できた｡表2 歪振幅 ･実験紹果試挨体名 歪振幅(%) 破断回数 75%回数 芯材の最終状態P30-05 0_5 523 523 上部破断P30-15 1.5 45 45 上部破断P30-25 2.5 16 16 上部座屈PO9-05 0.5 423 420 上部破断pop-10 1.0 75 53 中央部破断試旗体 芯材 拘束材 PE〝,寸法 A Cry P, 幅厚比 幅 高さ Ⅰ×10一 PEmm2 ～/JTrR2 kN mrn mrn mn4 kNP30 PL-176x16 2816 304 856 ll.0 207.5 51.7 705 2581 3.0A芯材塑性化領榔 面積 cr,･降伏応力丘 P,‥降伏荷重 l:断面2次モーメントPE=座屈荷重 図1試験体形状Low-Cyclefatiguepcrf0-8nccofbaeking-restrainedbrace153TADOKOROAtsushj,YAMASm A.TetBurOuMURAl MzLSatOShi,IWArAMatnoruC)P30105図2P/Py-e4.考察4.1性能評価各試験体の､最大耐力の 75%低下時における､累積塑性歪エネルギーEt､累積塑性歪エネルギー率 W､累積塑性変形倍率 7を算出し､表 3に示す｡ a)はEtをPyと弾性限界変形量を乗 じた値で除したものである｡ 7は歪硬化の影響を考慮 して､各繰返し時の引張側の最大変位を累積 して算出したO表中には 7+と表記する｡Tl'とOの関係 として､一般的には O≒27+が考えられるが､P30･05､PO9･05の 2体は a)が2T汁より小さな値となったQこれは､小さい歪振幅を繰返す場合､弾性域の割合が大きくなるため､Wが小さな値 となると考える.また､PO9-10､PO9115も同様に､a)が27+より小さな催となった｡これは､早期に耐力低下が見られたことや､試験体中央-の荷重集中､拘束材の拘束力が弱いためである｡4,2E瑚 曲線図 3に芯材の歪振幅 【(%)と､最大耐力の 75%低下時までの繰返 し回数(N)の関係を示す｡∠]亡は片振幅の 2倍である｡また､既往の研究 1)より提案された次式の疲労性能式を図 3に記す｡A s(%,-(誓 )×N-O▲4,集中率 α =1.0この式は､実験結果の回帰曲線に平均歪振幅と芯材の歪振幅の関係を考慮 したもので､集中率 αは各試験体の平均歪区間長 を芯材区間で除 したものである｡P30･05､P30-15の 2体は､既往の疲労性能式に近似する値となった｡また実験を中止 したP30-25も､破断まで実験を続けた場合､破断繰返し回数は伸びることから､疲労性能式を上回る結果となる｡すなわち､鋼モルタル板を用いた座屈拘束プレースでも､鋼管モル衰3 性能評価試横体名 歪垢幅 PE′Py EtkN.lTI u 7+P30-45 0.5 3.0 5916.1 2987.3 2277.51 1 2542 12739 6657P30-25 2.5 1809.3 906.7 401.6POD-45 0.5 0,9 4570.9 2290.6 1779.5P10 10 ー9511 9778 102P30-25l'▲､..､一､一. P30-15▲■●-'1...POB-15 ■PC9 一■一■ P3045◆､一._+10 100 1000繰返 し回数 N図3E-N関係タルを用いた座屈拘束ブレースと同じ疲労性能であるといえる｡PO9-10､PO9-15の 2体は､疲労性能式を下回ってしまったが､これは拘束材の拘束力が弱いため､芯材の局部座屈が生じ応力が集中し､部分的に歪量が増加 したことにより,早期に芯材が破断したことによると考える05.結芯材は同じで PE/Pyの違う2種類の試験体を用いて､一定の歪振幅を芯材が破断するまで繰返 し作用させた疲労実験を行った｡その結果､以下の知見を得たQ(1)PE/Py=3.0の試験体では､既往の研究 1)と同じ疲労性能式で評価をすることができる｡(2)PE/Py-0.9の試験体では､拘束力が低かった為､性能評価式に乗らない｡【帥辞】本研究の試験体製作にあたり㈱巴コーポレーションのご協力を得ました｡ここに記して感謝いたします｡【参考文献】1)前田泰史､中村博志､竹内徹､中田安洋､岩田衝､和田章 :実大アンボン ドプレースの疲労性能その1､その2､日本建築学会大会学術辞演梗概集､pp8131816､1999年9月2)前田泰史､中田安洋､岩田衛､和田章 :軸降伏型履歴ダンパーの疲労特性に関する研究､ 日本建築学会構造系論文集､第 503号､pplO9-115､1998年 1月* 神奈川大学大学院工学研究科修士課程 ◆ GraduateSchool,Kanagaw8ULtivetsibr.*' 工学院大学工学部建築学科 准教授 暮暮 Assoc･p,ofDGPt･OfA血 itecturc andBtlildinghBinee7ing,KogakuinUnivercity,DrENG･･･ 神奈川大学工学部建築学科 主任技術員 …Teclm icianDcptofAJChitecturc andBuilding7hgince,in且,Kan&gawaUnive,cib'I.･,神奈川大学=学部建築学科 教授 工学博士 … *PTf,Dept･ofA血 itecturcandBuildingEngineeringUnivercityDrENG154

22297　座屈拘束ブレースの低サイクル疲労性能

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22297　Low-Cycle fatigue performance of backing-restrained brace

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