日本建築学会大会学術講演梗概集（九州）2007年8

Kumagai Hitoshi

Orito Yoshihiro

Shimazaki Kazushi

Toyota Tetsuya

下戸 芳寛

島崎 和司

熊谷 仁志

豊田 哲也

Article日本建築学会大会学術講演梗概集（九州）2007年8月学術講演梗概集. C-1, 構造III, 木質構造, 鉄骨構造, 鉄骨鉄筋コンクリート構造conference pape

下戸, 芳寛

Orito, Yoshihiro

豊田, 哲也

Toyota, Tetsuya

熊谷, 仁志

Kumagai, Hitoshi

島崎, 和司

Shimazaki, Kazushi

KANAGAWA University Repository

 Non-Welding Joint in Steel Plate Reinforced Concrete Structure Part 1: Detail of Steel Plate Joint  Yoshihiro ORITO, Tetsuya TOYOTA, Hitoshi KUMAGAI, and Kazushi SHIMAZAKI  ハーフＳＣ構造部材の鋼板継手合理化に関する研究 その１ 継手工法および実験の概要 正会員 ○下戸 芳寛* 正会員  豊田 哲也* 正会員  熊谷 仁志** 正会員 島崎 和司*** ハーフ SC 構造 鋼板継手 曲げ実験  １．はじめに 原子力発電施設では、工期短縮や環境負荷の低減を目的として、型枠や鉄筋の代わりに鋼板を用いる SC 構造、あるいは片面のみに鋼板を用いるハーフ SC 構造が採用されるようになってきている。これらの構造においては、鋼板継手には主に溶接接合が用いられている。しかし溶接接合は、天候に左右されることや、塗装の手直しが必要になることなどから、工期短縮のためにはより施工性に優れた継手工法の開発が望まれる。 本研究では、特にハーフ SC スラブの鋼板継手の合理化を目標とし、継手の無いハーフ SC 試験体ならびに各種継手工法を用いた試験体の 4 点曲げ実験を行い、その継手の性能について検討を行う。 ２．試験体および継手工法 試験体は図１に示す 5 体であり、断面の幅 500 mm×せい（厚さ）400 mm、全長は 2600 mm で共通である。いわゆる 4 点曲げ試験を行い、中央の試験区間（等曲げモーメント区間）は 800 mm、両側のスパンは 800 mm（せん断スパン比は 2.0）である。曲げ引張側には鋼板 4.5mm （SS400）、圧縮側には主筋 5-D16（SD345）を配している。鋼板とコンクリートとの一体化を図るため、試験区間には 5-φ6 スタッド（JIS B 1198 相当品）を、せん断スパンには 2-D10 タイバー（SD345）を 100 mm 間隔で配している。試験体パラメータは試験体中央に設ける継手の有無と以下に示す継手工法である。 ◆No.1：継手の無いハーフ SC 基本試験体である。 ◆No.2：鋼板にスタッドを溶接し（継手区間は 20-φ13、JIS B 1198 相当品）、その上に穴開きスプライスプレート 12 mm を被せることにより、スタッドとコンクリートおよびスプライスプレートとコンクリートの支圧を介して接合する。スプライスプレートの支圧耐力を高めるために、穴に鋼管（SGP 50A、外径 60.5 mm、厚さ  図１ 試験体の形状および継手工法詳細  *   清水建設株式会社 原子力本部 **  清水建設株式会社 技術研究所 *** 神奈川大学 建築学科 教授 博士（工学） * Nuclear Division, Shimizu Corporation ** Institute of Technology, Shimizu Corporation *** Professor, Kanagawa University, Dr. Eng.  3.8 mm、高さ 60 mm）を挿入した。鋼管は施工時に動かないようスプライスプレートに仮付溶接をしている。 ◆No.3：鉄筋とスタッド付き鋼板の重ね継手工法はこれまでにも検討されているが、太径鉄筋が必要となり、定着長が長くなるため補剛リブと干渉するなど、実際の施工は困難であった。そこで細径鉄筋をスパイラル状に加工する方法を考案した。試験体では継手区間のスタッドに 5 組 のスパイラル筋 D10（SD345）を配した。スタッドとコンクリートおよびスパイラル筋とコンクリートの支圧を介して接合する。スパイラル筋の量（5 組 3 巻で有効全断面は 25-D10）は、曲げ耐力計算値が No.1 とほぼ同等となるように設定している。 ◆No.4：No.3 のスパイラル筋の折曲げ部に鋼管を設置し、スパイラル筋とコンクリートの間の支圧耐力を高めている。 ◆No.5：鋼板とスプライスプレート 4.5mm をワンサイドリベット（ポップリベットファスナー㈱製のスリットロックリベット）φ10.8 で締結した。リベットのせん断耐力規格値は 1 本 19 kN であり、この値を用いて継手耐力が曲げ耐力の 1.2 倍程度となるように本数を片側4×8 本とした。界面は黒皮のままで特に摩擦を高めるような処置は行っていない。 使用したコンクリートの設計基準強度は Fc=33 N/mm2であるが、加力実験時の圧縮強度は 37.2 N/mm2 であった。試験体の形状および継手工法詳細を図１に、使用したコンクリートおよび鋼材の力学的性質を表１に、試験体および実験結果一覧を表２に示す。 ３．加力・計測方法 1MN アムスラー型試験機を用い、支持点間を 2400 mmとし、加力梁を介して中央から左右に 400 mm 離れた 2 点に載荷することにより、継手部に等曲げモーメントを作用させた。加力サイクルは、No.1 を先行実験した結果を基準として荷重制御で行い、片振繰返しサイクルを鋼板降伏ひずみの 1/3（230 kN）で 3 回、2/3（400 kN）で 3 回、3/3（520 kN）で 3 回とした。所定荷重まで達しないと予想される場合は、適宜片振繰返しを行った。 鋼板の外面、スプライスプレートの内面、スパイラル筋、上端主筋にワイヤストレインゲージを貼付け、ひずみを計測した。試験体支持点位置に計測フレームを設置し、これを基準として加力点の 2 点と、試験体中央の 1点の変位（たわみ）を計測した。継手のある試験体 No.2～No.5 は鋼板継手の目開き変位も計測した。ひび割れ状況は目視観察により記録した。 ４．まとめ ハーフ SC スラブの鋼板継手の合理化を目標とし、溶接接合の代替となる各種継手工法の性能を確認するため、試験体 5 体を計画し、4 点曲げ実験を実施した。今回検討した継手工法は穴開きスプライスプレートを用いる方法、スパイラル筋を用いる方法、ワンサイドリベットを用いる方法である。  各試験体の実験結果については同題その２、その３で詳細に報告する。  表１ 材料試験結果 (1) コンクリート   圧縮強度 引張強度 ヤング係数 呼称 N/mm2 N/mm2 N/mm2 Fc=33 37.2 3.0 27300 (2) 鋼材    降伏強度 引張強度 伸び率 呼称 N/mm2 N/mm2 ％ PL-4.5 (SS400) 288 449 36.8 PL-12 (SS400) 295 486 39.0 D10 (SD345) 384 575 18.8 D16 (SD345) 391 580 18.6 注） PL-4.5 の降伏強度は 0.2％オフセット法で求めた  表２ 試験体および実験結果一覧 降伏荷重 降伏荷重 最大耐力 曲げ耐力 最大耐力時 試験体 継手方法 破壊モード 実験値 (kN) 計算値 (kN) 実験値 (kN) 計算値 (kN) たわみ (mm)No.1 継手なし 鋼板降伏後 付着破壊 521 （鋼板） 544 557 589 7.2 No.2 スタッド＋鋼管 ＋スプライスPL 鋼板降伏後 付着破壊 521 （鋼板） 544 577 589 15.9 No.3 スタッド ＋スパイラル筋 継手破壊 － 536 385 575 20.3 No.4 スタッド＋鋼管 ＋スパイラル筋 スパイラル筋降伏後 継手破壊 408 （スパイラル）536 468 575 11.0 No.5 ワンサイドリベット 鋼板降伏後 付着破壊 484 （鋼板） 544 [453] 522 589 [493] 11.7 注） 降伏荷重、曲げ耐力は平面保持を仮定した断面解析による、[ ] はリベット穴による欠損を考慮して計算した解析値。  

22626 ハーフSC構造部材の鋼板継手合理化に関する研究 : その1 継手工法および実験の概要(SC構造,構造III)

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Non-Welding Joint in Steel Plate Reinforced Concrete Structure : Part 1: Detail of Steel Plate Joint

Non-Welding Joint in Steel Plate Reinforced Concrete Structure : Part 1: Detail of Steel Plate Joint

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