Enomoto Takahisa

Ishii Takumi

Yamamoto Toshio

山本 俊雄

石井 匠

荏本 孝久

Article研究報告書ページ315-316学術フロンティア研究　平成１７年度～平成２１年度　研究成果報告書research repor

石井, 匠

Ishii, Takumi

山本, 俊雄

Yamamoto, Toshio

荏本, 孝久

Enomoto, Takahisa

KANAGAWA University Repository

21054 日本建築学会大会学術沫済硬概集(関東) 2006年 9月微動アレイ観測による表層地盤構造の推定に関する研究正会員 ○石井 匠* 正会員 山本 俊雄手書正会員 荏本 草久事*微動アレイ SPAC法 短周期微動分散性 地盤構造1.はじめに微動アレイ観測 とは､微動の位相速度を利用 した地盤構造推定法で､微動計を地表面に適切に空間配置 し微動を観測し､Sl仏C法などを利用 して周波数ごとの微動の位相速度を推定する手法である｡位相速度は地下構造に依存 した分散現象を示すD分散は地下構造 と密接に関係 しており､逆解析により地下のS波速度構造が推定可能 となるoS波速度構造は､地震時の地盤の振動特性に支配的な影響をもつ要因の一つであり､これを知ることにより地震時の建物被害の想定を適切に評価することができるO地盤構造を探査する手法 としては微動探査法以外に､ボー リング調査､標準貫入試験､PS検層などがあるが､どれも経済的な問題や騒音､安全性の問題が指摘される｡それに比べ微動ア レイ観測は､低コス トで実施 しやす く､騒音もないoまた､広範EEな場所を必要 としないので市街地でも観測出来るとい う利点がある.本研究では､軟弱地盤､普通地盤､硬質地盤の 3種の異なる地盤において SPAC法による微動ア レイ観測を行い､ボーリングデータによる理論分散曲線 と比較 し､異なる地盤における微動アレイ探査法の有用性を検討する02.微動アレイ観測2-1.観測地点ボー リングデータにより地盤構造が明確になっている横浜市高密度強震計ネ ットワークの強震計設置場所 150箇所の地点か ら､地盤のコン トラス トが明瞭な地点､基盤までの深さ､軟弱層の厚 さなどにより､軟弱､普通､硬質地盤に分類 し､各々 2地点の合計 6地点を観測地点として選定した｡観測地点を表 1に示す.2-2.観測 ･解析図 1に示すように､観測地点に三角形で構成 されるアレイを作 り､図中の黒点に微動計を配置 して観測する｡本研究では微動計の所持数の問題により､小アレイと大アレイに分け､サンプリング周波数 l0Hzで 2回ずつ測定を行ったoSPAC 法では常時微動の鉛直成分を解析の対象とするため,鉛直成分のみを観測 した｡観測 したデータについて SPAC法を用いて解析を行い､解析により得 られた位相速度分散曲線を観測分散曲線と定義する｡2-3.SPAC法(空間 自己相 関法)位相速度は複数点の空間自己相関関数から求めることが出来るO空間自己相関関数は､各微動観測データか ら得られたパワースペク トル とクロススペク トルの実数部を用いて次の様に求めた｡表 1.微動ア レイ観測地点図 1.ア レイ配置図(例 :羽沢小学校)p(f,r)realip,I(f ,r )IJpiE(f)･P,(f)(I)即 J,8)‥微動記録から得られる2観測i藩 間の,/ロススペクトルF:,(I,8):基準点iの微動記録から得られる/iワースベクトルP,/I(I,e):観測旬の微動記録から得られるパワースペクトルこの空間自己相関関数は､2観測点問の距離 rと周波数′を変数 としてお り､どちらを横軸に設定 してプロッ トしても第 1種 0次のベッセル関数 と同 じ形になることが知られている｡空間自己相関係数 と第 1種 0次のべッセル関数から次式が導かれるcpv,r)-Jo(器 )-Jo(I)-C(∫)-誓 (2,C(I)こ位相速度AstudyaboutanestimateofsurfacelayerStructurebymicrotTemOrarayObservation事TAKUMITSTllI 幸書TAKAHISAENOMOTO**TOSHIOYAMAMOTO-107-315空間 自己相関関数の変数を 2観測点間の距離 とした場合､特定の周波数 Jについて､(2)式を用いて位相速度 を得 ることができる｡3.理論分散曲線 の特性地盤の構造(層厚､密度､P波速度､S波速度)から理論的に位相速度分散 曲線を得 ることが出来る｡ これを理論分散曲線 と定義す る｡今回､様 々なモデル地盤(2､ 3､4屈モデル)を作成 し理論分散曲線を算出 し､その特性 を調べた｡結果､理論分散曲線 に大きな影響を持つ変数は1層 目の層厚 とS波速度(vS)であることが明確になった｡これは､地表か らある程度囲い地盤までの地質 と厚 さに関係 し､複数層の地盤構造でも 2層構造 と考えることで､容易に理論分散 曲線 を推定できる｡表層地盤が柔 らかいほ ど長周期側に､固いほど短周期側に曲線が移動す る02層モデルによる理論分散曲線 を図2に示す｡2JiIモデル 1滞日のS波速度と深さ変動O TOF(Hz)20 30図 2. 2屈モデル による理論分散曲線4.観測分散曲線 と理論分散 曲線の比較 ･検討各観測地点で､観測結果 よ り得 られた観測分散曲線 と､ボー リングデー タか ら各観測地点の地盤構造を忠実に再現 して求めた理論分散曲線のフィッティングを行った｡ボー リングデータを表 2､それによるS波速度構造を図 3､フ ィッテ ィング結果 を図4､ 5に示すO比較 ･検討の結果､軟弱地盤においては､新吉 田小､羽沢小 ともに観測分散曲線 と理論分散曲線は良く一致 したO普通地盤 においては､山田小は観測分散曲線 と理論分散 曲線がほぼ一致 したo Lか し､滝頭小では多少のずれが生 じた｡このたれ ボー リングデータの 1眉 目の Vsを変化 させて再検討を行った｡その結果 vsを 80rnJsか ら50m/Sに設定 し算出 した理論分散曲線 と-致 した｡硬質地盤 において､両地点 ともに基盤までの深 さがかな り浅かったため､明確 な観測分散性を得 ることができなかったO これは､観測時にア レイ半径 を小 さくす る､サ ンプ リング周波数を大きく設定する必要が考 えられ るO5.まとめ観測により得 られた観測分散曲線 と､ボー リングデータにより算出した理論分散曲線は､硬質地盤 を除いて､軟弱地盤､普通地盤のそれぞれでほぼ一致 したC この ことか ら､微動ア レイ探査法は地盤構造に適 したア レイサイズを選択することが必要であ り､より正確 な S波速度構造 を推定す るためには､多 くのア レイサイ ズの組合せが必要である｡表 2.観測地点のボー リングデー タL7F 王事光F.-gi;▲ 台買四小片持_(rFl)学校lVt}(rn/'S)IVS(m/Si1l 1_625 l 3 l 390 一 一且D二p 羽沢 小 畢唐tffm)接Voirl/i)Vs(爪′SlJ1 I.807 6 1210 2102 1,855 1 1430 2903 1.873 9 ー51D 210■ 育re:te/crn3)淫亘声小学F*Ft(rn)1安VD(rTI/S)Vs(rl,Js)1 1.609 5 320 80之 1_88 8 t540 240せん断波iま度Vs(rn/5)200 4D8 60 BO波速度構造覇吉田小箪牧 I 羽沢小字攻358･- 17DOr32;:h 二二 二i蓋…誌 鳥…hO_M｣JiHLニ_qJL )二 二 二 _逓 L1 g_ll図 4.軟弱地盤 における分散 曲線 の比較.｣ .ltJ _∴ ･!小アレイ･大アレイ･- LTZABJl7--vi-3Oo z i(dl) 6 8,図 5.普通地盤 における分散 曲線 の比較【参考文献】 1)北野菜二郎 :｢SPAC法による地盤構造推定に関する研究｣早稲田大学修士論文､ 2003 2 ) 石井匠 :rspAC 法を用いた微動アレイ観測による地盤構造の検討｣神奈川大学卒業論文､ 2004 3 )横浜市 :｢横浜市域内における地盤 ･地質調査｣､1997【謝辞】本研究は､神奈川大学における文部科学省学術フロンティア研究プロジェク ト ｢災害 リスク軽減を目的としたソフ ト･ノ＼- ド融合型 リスクマネージメン トシステムの構築に関する研究 (研究代表者 :荏本尊久)｣の一環 として実施 したものであり､記 して感謝いた しますo手 神奈川大学大学院工学研究科 *GraduateSchoo一ofEngirleerlng,KaLIaga＼柑 UniversltJV手書神奈川大学工学部建築学科 事書DepaTtmentOfArchitecllreandBuildingEngineenng,KarLagaWaUniversity-108-316

21054　微動アレイ観測による表層地盤構造の推定に関する研究

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21054　A study about an estimate of surface layer structure by microtremor array observation

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