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量子トンネル効果の非摂動繰り込み群による評価
Authors
Aoki Kenichi
青木 健一
Publication date
31 March 1996
Publisher
Abstract
金沢大学理工研究域数物科学系量子トンネル効果の全く新しい理論的解析方法として、非振動くりこみ群を用いるというのが本研究計画の目的である.本年度は,まず最も簡単な系として1次元の量子力学系を考え,対称及び非対称な非調和振動子系について,トンネル効果と関係する物理量を非摂動くりこみ群で評価し,それをシュレディンガー方式による結果や通常のインスタントン希ガス近似による結果を比べた.まず,対称な非調和振動子の系については,基底状態と第一励起状態のエネルギーギャップ及び有効4次相互作用の大きさについて局所ポテンシャル近似非摂動くりこみ群で評価した.2次の質量項が正の正常な系では,我々の結果は,非調和相互作用の大きさの全領域で非常に良く,きちんと相互作用定数の無限次までの非摂動効果を取り入れていることがわかった.2次の質量項が負のいわゆる2重井戸型ポテンシャルの場合には、領域を3つに分けて考える.非調和相互作用が十分大きく基底状態が中央の山より上に来る領域と,基底状態が中央の山より下に潜り,第一励起状態はまだ山の上にある中程度の非調和相互作用の領域では,我々の結果はほぼ正しい値を出している.第一励起状態も山の下に潜る弱非調和相互作用の領域では,我々の結果は徐々に悪くなり,インスタントンによる結果とのクロスオーバーが起こる.この領域が,ダイナミックなトンネル現象にとって重要な領域であるが,我々の方法は,インスタントンの希ガス近似が悪くなる領域で十分な結果を出しいる.次に,非対称な場合に進んだ,インスタントンの方法はこの場合には使えず,工夫がいるが,非摂動くりこみ群の方法では,対称な場合と全く同様に扱うことが可能であり,その結果も,対称な場合とほぼ同等であった.また,多自由度系,多次元系への拡張に際しても,くりこみ群の方法は同様に適用可能であり,トンネル効果を扱う汎用の新しい方法となりうることがわかった.研究課題/領域番号:08240216, 研究期間(年度):1996出典:研究課題「量子トンネル効果の非摂動繰り込み群による評価」課題番号08240216(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-08240216/)を加工して作
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Last time updated on 28/06/2022