京都大学新制・課程博士博士(医学)甲第23096号医博第4723号新制||医||1050(附属図書館)京都大学大学院医学研究科医学専攻(主査)教授 長船 健二, 教授 小川 修, 教授 藤田 恭之学位規則第4条第1項該当Doctor of Medical ScienceKyoto UniversityDFA

Yamada, Hiroyuki

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RIGHT:URL:CITATION:AUTHOR(S):ISSUE DATE:TITLE:MAGI-2 orchestrates the localization ofbackbone proteins in the slit diaphragm ofpodocytes( Abstract_要旨 )Yamada, HiroyukiYamada, Hiroyuki. MAGI-2 orchestrates the localization of backbone proteins in the slitdiaphragm of podocytes. 京都大学, 2021, 博士(医学)2021-03-23https://doi.org/10.14989/doctor.k23096京都大学 博士（  医 学） 氏 名 山 田 博 之 論文題目 MAGI-2 orchestrates the localization of backbone proteins in the slit diaphragm of podocytes. （MAGI-2は、ポドサイトのスリット膜における背骨タンパクの局在を制御する） （論文内容の要旨） ポドサイトのスリット膜は、尿中にタンパクが漏れ出ないように血中タンパクの最終ろ過障壁として働いている。スリット膜の主要な構成分子としては、Nephrinと Neph1 がすでに同定されており、それぞれの局在は CD2AP および ZO-1 などの足場タンパクによって制御されている。一方、Membrane-associated guanylate kinase inverted 2 (MAGI-2)は、足場タンパクとして今まで神経領域で主に研究されてきたが、ポドサイトにおける MAGI-2 の役割は明らかになっていない。そこで本論文では、足場タンパクとして MAGI-2 がスリット膜に対してどのように機能しているか検討した。 まず既報で報告されている先天的ポドサイト特異的 MAGI-2 KO マウスを用いて、スリット膜の構成タンパクである Nephrin と Neph1 の発現を検討した。その結果、MAGI-2 KO マウス群では、Nephrin および Neph1 の足場タンパクであるCD2AP や ZO-1 の発現は保たれていたが、Nephrin と Neph1 の発現は有意に低下していた。 次に、Cre-ERT2 システムを用いて後天的ポドサイト特異的 MAGI-2 KO マウスを作成して検討した。その結果、前述の先天的 KO 群と同様に、後天的 KO 群でも蛋白尿および糸球体硬化を認めた。加えて、Nephrin および Neph1 の発現低下についても、後天的 KO 群でも同様に確認された。以上から MAGI-2 は Nephrin とNeph1 に対して足場タンパクとしてスリット膜の構造維持に必須であることがわかった。 そこで、ポドサイトにおける MAGI-2 の足場タンパクとしての機能を詳細に解明するために培養ポドサイトに対して piggyBac transposonを用いて、培養MAGI-2 強制発現ポドサイトを確立した。この培養 MAGI-2 強制発現ポドサイトにNephrin を一過性過剰発現させると、Nephrin と MAGI-2 は共に細胞間接着部で共局在した。次に、培養ポドサイトに対して CRISPR-Cas9 を用いて、Neph1 の足場タンパクである内在性 ZO-1 の発現を欠失させ、ZO-1 KO ポドサイトを確立した。ZO-1 KO ポドサイトでは、ZO-1 の発現が確認できないことに加えて、内在性 Neph1 の発現も有意に低下していた。そこで ZO-1 KO ポドサイトに対して、MAGI-2 を一過性強制発現させた。その結果、ZO-1 の欠失によって低下していた内在性 Neph1 の発現は、MAGI-2 の強制発現によって再度 Control 群と同等まで上昇した。免疫沈降法では、MAGI-2 はそれぞれ異なる PDZ 結合ドメインを通じて、Nephrin および Neph1 と結合していることが確認された。 実際、血液透析へ移行するリスクの高い巣状分節性糸球体硬化症および IgA 腎症の予後不良群では、MAGI-2の発現は有意に低下し、加えてNephrin やNeph1の局在も変化していた。  以上の結果から、スリット膜の構造維持のためには、MAGI-2 が足場タンパクとして機能することが不可欠であることが示された。今後、尿蛋白を主体とする糸球体疾患に対して、MAGI-2 の発現制御が創薬開発へ繋がると考えられた。 （論文審査の結果の要旨） ポドサイトのスリット膜は、血中タンパク質の最終濾過障壁として働いている。このスリット膜の構成分子として Nephrin および Neph1 が同定されているが、その局在の制御機構は明らかになっていない。 我々は、足場タンパク質である Membrane-associated guanylate kinase inverted 2 (MAGI-2)に着目し、MAGI-2 が Nephrin および Neph1 の局在を制御すると仮説を立て検証した。 ポドサイト特異的 MAGI-2 ノックアウトマウスでは、既知の足場タンパク質の発現が維持されているにもかかわらず、Nephrin およびNeph1 の発現が低下していた。 また、培養ポドサイトを用いた検討では、MAGI-2 が培養ポドサイトに発現することでNephrin とNeph1 が細胞間接着部へ局在できることが確認できた。 そこで、MAGI-2 と Nephrin、Neph1 との結合部位を検討したところ、MAGI-2 は異なるPDZ ドメインを介してNephrin およびNeph1 と結合していた。 実際、血液透析へ移行するリスクの高い巣状分節性糸球体硬化症および IgA 腎症の予後不良群では、MAGI-2 の発現は低下し、加えて Nephrin や Neph1 の局在も変化していた。 以上の研究はポドサイトにおけるスリット膜の恒常性維持のメカニズム解明に貢献するものである。   したがって、本論文は博士（医学）の学位論文として価値あるものと認める。   なお、本学位授与申請者は、令和３年２月２６日実施の論文内容とそれに関連した試問を受け、合格と認められたものである。   要旨公開可能日：令和 年 月  日以降  

MAGI-2は、ポドサイトのスリット膜における背骨タンパクの局在を制御する

https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/263557/2/yigak04723.pdf

MAGI-2は、ポドサイトのスリット膜における背骨タンパクの局在を制御する

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