磁性細菌のGタンパク質融合型鉄輸送体: 精製と再構成

Abstract

金沢大学理工研究域1.N-FeoBの大量発現と抗N-FeoB抗体の作製FeoBを精製するには、高感度なアッセイ系が必要である。そこで、本年度は、抗-FeoB抗体を作製した。具体的には,FeoBのN末端ドメイン(245アミノ酸残基)をコードするDNA断片をPCRで増幅、PCRエラーが無いことを確認し、pET-15b vectorにクローニングした。大量発現には大腸菌BL12株を用いた。N-FeoBは封入体として発現しており、大腸菌より封入体を調製し、変性条件下でNiアフィニティクロマトグラフィにより精製した。大量発現の結果得られたN-FeoBをトロンビンで処理しHis-tag部分を取り除き、SDS-PAGEしたゲルから切り出すことで、更に精製した。得られた精製標品を抗原としてウサギに免疫した。抗体価は二重免疫拡散法とドットブロット法により測定し、アッセイに十分な抗体価をもつ抗血清が得られた。2.磁性細菌M.magnetotacticumの大量培養と膜画分の調製M.magnetotacticumを120Lの合成培地で培養し、25gの細胞を得た。細胞をフレンチプレスで破砕し遠心分離(8,000xg)によって未破砕細胞とマグネトソームを取り除き、更に、超遠心(100,600xg)し沈澱を回収することで膜画分(細胞膜と外膜を含む)を調製した。3.FeoBの検出抗N-FeoB抗体を用いてWestern blotを行い、M.magnetotacticumの膜画分からFeoBの検出を行った。その結果、73.6kDaのメジャーなバンドと2つのマイナーバンド(81.5,61.1kDa)が確認できた。メジャーなバンドの分子量はfeoB遺伝子の塩基配列から推定される分子サイズとほぼ一致した。このことから本細菌のFeoBは膜画分に存在していることが明らかになった。4.FeoBの精製(可溶化条件の検討)FeoBの精製を行う為、膜可溶化条件を検討した。可溶化効率はWestern blotによって検出したバンドをルミノイメージアナライザーによって定量し、求めた。その結果、デオキシコール酸ナトリウムが最も効率的にFeoBを可溶化できることが分かった。現在,アフィニティ、イオン交換、ゲルろ過、ハイドロキシルアパタイトカラムクロマトグラフィによりFeoBの精製を試みている。研究課題/領域番号:16048211, 研究期間(年度):2004出典:「磁性細菌のGタンパク質融合型鉄輸送体: 精製と再構成」研究成果報告書 課題番号16048211(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16048211/)を加工して作

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