弱さの自覚と看護の源泉に関する概念図の解説 : 聖隷短大の看護教育理念から

Abstract

その他Miscellaneous 聖隷短大の看護教育理念は「人の生命は傷つき、病み、死ぬべき弱い存在である。自分と他人とが共有しているこの弱さの自覚と共感と互助こそ、人間理解と愛と感動の基本であって、それが看護の源泉である」であった。筆者らはその看護教育理念の概念化を試み、「高みを目指す」と、「階段を下ろされる」という観点から表現した。本論の目的は、教育理念から導き出した、高みを目指す志向と、階段を下ろされる志向に関して、聖隷精神を育んだ生き方に活用可能な説明を試みることである。その結果、高みを目指すとは持つことを意味し、階段を下ろされるとは弱さを許容しながら存在することを意味すると考えた。高みを目指す場はライバル関係になりやすく、それらを受け入れることは重要な愛の在り方である。また2 者関係で階段を下ろされることで、弱さを共有しながら出会う場は愛と感動の場である。すなわち、両方の場を尊重し許容しながら生きることが聖隷精神の在り方だと考えられた

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