ETO NOZOMU

OMURA MASAAKI

SUGAWARA HIROFUMI

大村 雅章

江藤 望

菅原 裕文

Kanazawa University Repository for Academic Resources

金沢大学　文化資源学研究　第22号金沢大学人間社会研究域附属　国際文化資源学研究センターKanazawa Cultural Resource StudiesNo. 22Center for Cultural Resource StudiesInstitute of Human and Social Sciences, Kanazawa University金沢大学人間社会研究域附属国際文化資源学研究センター文化資源学研究第22号壁 画 技 法 研 究 交 流 会江藤　望・大村雅章・菅原裕文  編e Exchange Meeting of Research for Technique of Mural PaintingISSN  2186-053Xedited byNOZOMU ETO,  MASAAKI OMURA,  HIROFUMI SUGAWARA壁 画 技 法 研 究 交 流 会江藤　望・大村雅章・菅原裕文  編金沢大学人間社会研究域附属国際文化資源学研究センターThe Exchange Meeting of Research for Technique of Mural Paintingedied byNOZOMU ETO,  MASAAKI OMURA,  HIROFUMI SUGAWARACenter for Cultural Resource StudiesInstitute of Human and Social Sciences, Kanazawa Universityiは じ め にルネサンス以前における壁画の描画技法の研究（壁画技法研究交流会）について金沢大学人間社会研究域附属 国際文化資源学研究センター形態文化資源部門 ヨーロッパ・ユニット江藤　望・大村雅章・菅原裕文　本報告書は、2018年３月15日に石川四高記念交流館で開催された第25回文化資源学セミナー、「ルネサンス以前における壁画の描画技法の研究（壁画技法研究交流会）」をまとめたものである。同セミナーは、金沢大学人間社会研究域附属国際文化資源学研究センター主催であり、形態文化資源部門のヨーロッパ・ユニットが企画と運営を行った。セミナーでは各専門分野からエキスパート３名のゲスト講師を招き、それぞれの研究について講演を頂き、講演後に意見交換を行った。　最初は工藤晴也氏（東京藝術大学・教授）が、演題「モザイクの表現技法と保存修復について」研究成果による発表を行った。工藤氏は壁画研究の第一人者であり、特にモザイクが専門であり、イタリアの在留期間が長い。世界遺産であるイタリア東部ラヴェンナの街での修復活動は記憶に新しい。５世紀に建てられたガッラ・プラキディア霊廟の研究者でもある。　２番目に講演頂いた紀井利臣氏（跡見学園女子大学・准教授）は、板絵テンペラ画の研究者として、専門著書を出版されている。演題はテンペラ画の全盛期として「ゴシック期の板絵テンペラ画技法」についてで、講演後にゴシック期という大きな美術史の流れの中で、技法と材料に焦点をあて情報交換した。また、氏のコレクションである、珍しい顔料やロシアイコン、装飾見本なども実際に会場で披露され、参加者を魅了した。　最後は佐藤一郎氏（金沢美術工芸大学大学院・大学院特任教授）にお話し頂いた。氏は長年、東京藝術大学教授として、主に絵画技法・材料について教鞭を取られ、多くを指導者育成に努められた。技法に関する著書も多数で、ご退職後、大学院特任教授として、現在、金沢美術工芸大学に在職中である。演題は「キジル石窟壁画の材料・技法の研究」で、近年の研究成果を報告された。　３人のゲスト講師の共通点は、戦後に生まれで、いずれも東京藝術大学絵画科油画専攻の卒業生である。つまり、研究者でありながら、表現者としても作品を造り、発表するという芸術家の３人でもある。今回の研究交流会では、研究者の目だけではなく制作する側からの視点からも考察する事に、お三方を講師として招聘した大きな意義がある。なぜなら、美術史に名を馳せる名作を残した者は多くが表現者であったことには間違いないからである。このような壁画技法についての研究交流会が、本セミナーの真の狙いとなれば理想だと思っている。　なお、本報告書には形態文化資源部門のヨーロッパ・ユニットメンバーの現在進行している研究の報告もあわせて収録した。ご一読いただければ幸甚である。iii目　次はじめに　……………………………………………………………………………………………………　ⅰ目　次　………………………………………………………………………………………………………　ⅲ１．モザイクの表現技法について　　工藤晴也　………………………………………………………………………………………………　１　　The Mosaic techniques and restoration　　Haruya Kudo２．ゴシック期の板絵テンペラ画技法　　紀井利臣　………………………………………………………………………………………………　11　　The Gothic Tempera technique　　Toshiomi Kii３．キジル石窟壁画の材料・技法の研究　　佐藤一郎　………………………………………………………………………………………………　23　　The Technique and materials of Kizil caves　　Ichiro Sato４．シエナ派のフレスコ画におけるストゥッコと金属箔の技法　　江藤　望　………………………………………………………………………………………………　31　　Techniques of stucco and metal foil in fresco of Sienese school　　Nozomu Eto５．テンペラ画における石膏地盛り上げ技法の調査報告　－カルロ・クリヴェッリの作品から－　　大村雅章　………………………………………………………………………………………………　45　　Technique of Making Pastiglia in the Tempera From the paiting of Carlo Crivelli　　Masaaki Omura６．写真測量法によるカッパドキア・ギョレメの岩窟聖堂の３Ｄモデル作成とヴァーチャル修復の手法　　菅原裕文・樋口　諒　…………………………………………………………………………………　57　　Photogrammetric 3D Modeling of Rock-cut Churches in Cappadocia, Turkey, and Methods of Virtual Restoration.　　Hirofumi Sugawara, Ryo Higuchi交流会の記録　………………………………………………………………………………………………　67　１．会場の写真　２．広報用フライヤー編集後記　……………………………………………………………………………………………………　69執筆者プロフィール一覧　…………………………………………………………………………………　70

壁画技法研究交流会　(表紙・はじめに・目次)

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