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腫瘍内アミノ酸・アミン代謝を利用した癌の内部照射治療薬剤の検索
Authors
Kawai Keiichi
川井 恵一
Publication date
21 April 2016
Publisher
Abstract
金沢大学医薬保健研究域保健学系本課題研究では、腫瘍細胞で特異的に亢進している代謝機能に親和性を保持し、腫瘍組織への高い集積・滞留と正常組織からの速やかな排泄を示すとともに尿排泄性、代謝安定性を具備する放射性ヨウ素標識化合物の開発を目的として、ヨウ素標識に適した芳香族アミノ酸、アミン類を選択して、各腫瘍系で特異的に亢進している代謝酵素などに親和性を示す放射性医薬品を分子設計し、本医薬品の設計戦略の有用性を評価した。悪性黒色腫細胞ではメラニン形成が異常に亢進しており、フェノール環を有する含硫アミン誘導体は、メラニン生合成に必須のチロシナーゼとの基質親和性が高いことが報告されている。このメラニン形成に着目し、チロシナーゼ基質類似体であるヨウ素標識人工アミノ酸を合成・評価した結果、黒色腫組織への高い集積及び滞留性が確認され、投与後早期より画像化に必要な対周辺組織比が得られた。そこで、メラニン生合成経路への親和性の向上を期待し、新たに含硫アミン誘導体を合成により得た。放射性ヨウ素標識体(I-PCA)は、高い標識率及び放射化学的純度で得られた。B16黒色腫担癌マウス体内分布において、I-PCAは血中からの消失は非常に早く、早期に体外排泄された。一方、黒色腫組織への集積は軟部組織と比較して高く、組織滞留性も認められ、画像化に必要な対周辺組織比は既に臨床使用されている腫瘍診断薬を上回っていた。同様に、カテコールアミン産生が異常に亢進している神経芽細胞腫に対し、神経伝達物質に構造の類似した5種類の偽伝達物質誘導体を選択して、その放射性ヨウ素標識に対して培養細胞を用いたスクリーニングを行った。その結果、ノルアドレナリンと同じ1級アミンであり、芳香性水酸基を3位に有する誘導体が、ノルアドレナリンより2.4倍も高い集積性を示したことから、最も可能性の高い腫瘍診断薬であると考えられた。従って、腫瘍細胞に特徴的な代謝亢進に基づく放射性医薬品の設計戦略の妥当性が示された。研究課題/領域番号:14657212, 研究期間(年度):2003 – 2004出典:「パ腫瘍内アミノ酸・アミン代謝を利用した癌の内部照射治療薬剤の検索」研究成果報告書 課題番号14657212(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-14657212/)を加工して作
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