Kakamigahara City

Kimie NAGAYA

Mao KAWASE

Maya OKAMURA

Miho ICHIHASHI

Miki NAOI

Naho SUGIOKA

Ryota KIMOTO

Susumu KINOMURA

Takako DEWAR

Tokai Gakuin University

Yusuke OKUMURA

デュアー 貴子

各務原市

奥村 祐輔

岡村 摩耶

川瀬 麻緒

市橋 美穂

木本 涼太

木野村 進

杉岡 菜穂

東海学院大学

直井 美紀

長屋 紀美江

岡村, 摩耶

8597

オカムラ, マヤ

杉岡, 菜穂

8598

スギオカ, ナホ

川瀬, 麻緒

8599

カワセ, マオ

市橋, 美穂

8600

イチハシ, ミホ

木本, 涼太

8601

キモト, リョウタ

長屋, 紀美江

8602

ナガヤ, キミエ

木野村, 進

8603

キノムラ, ススム

奥村, 祐輔

8604

オクムラ, ユウスケ

直井, 美紀

8605

ナオイ, ミキ

デュアー, 貴子

8606

デュアー, タカコ

OKAMURA, Maya

8607

SUGIOKA, Naho

8608

KAWASE, Mao

8609

ICHIHASHI, Miho

8610

KIMOTO, Ryota

8611

NAGAYA, Kimie

8612

KINOMURA, Susumu

8613

OKUMURA, Yusuke

8614

NAOI, Miki

8615

DEWAR, Takako

8616

Tokai Gakuin University Academic Repository / 東海学院大学学術機関リポジトリ

東海学院大学研究年報 6 （2021） info:doi/10.24478/00003746 【報告】  （論文題目の前 1行空け） 地元特産の各務原にんじんを活用した      介護食の開発Ⅱ （著者名の前 1行空け） 岡村摩耶１・杉岡菜穂 1・川瀬麻緒 1・市橋美穂 1・木本涼太 1 長屋紀美江 1・木野村進 2・奥村祐輔 2・直井美紀 2・デュアー貴子 1 （１：東海学院大学健康福祉学部管理栄養学科，２：各務原市） （要約の前 1行空け） 要  約 東海学院大学では平成 29 年度から産学官連携活動として各務原にんじんを活用した介護食の開発、試食会を行っている。本年度も各務原にんじんを活用した介護食の開発を行ったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため試食会、施設訪問を中止した。そのため、開発した献立を市内の介護施設に提案し、いいにんじんの日に合わせて提供された。 各務原にんじんを活用した介護食を開発するだけでなく、完成した献立の栄養価を分析し、高齢者向けの献立を検討することで実践的な学びを実現し、学生の学習意欲の向上につながったと考えられる。 キーワード：介護食、各務原にんじん、産学官連携、地域貢献  （1行空け） 1.はじめに （1）各務原にんじん介護食の開発の取り組み 東海学院大学では、平成 29 年度から 3 年間にわたり各務原市介護保健課と連携し各務原にんじんを活用した介護食の開発を行っている。管理栄養学科４年生の学生が介護食を開発し、市内の介護施設関係者を招いた試食会を開催、開発した献立は、11 月 24 日のいいにんじんの日（各務原市制定）に合わせて実際に各務原市内の介護施設で提供された。例年であれば、提供する際に本学の総合福祉学科の学生が施設を訪問し食事を共にし、フレイル予防各務原にんじん体操を行うなど健康寿命を延ばす取り組みを行ってきた。 本年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、試食会、施設訪問は中止とし、開発した介護食メニューを市内の介護施設へ提案、いいにんじんの日に合わせ一斉に昼食メニューとして提供された。 （見出しの前 1行空け） （2）本取り組みのねらい 管理栄養士を目指す学生にとって現場を意識した実践的な学びが必要不可欠である。本学科では３年次に学外実習として介護施設などで給食の運営を学び、４年次に介護食の開発を行う。学外実習で学んだ実際の給食の現場を意識して介護施設で提供できる献立作成を行うことで、展開を見込んだ介護食開発を行うことを目的とした。 （見出しの前 1行空け） （3）高齢者の身体的特徴と献立作成のポイント 高齢になるにつれ、口腔内が乾きやすくなる。さらに、消化機能の低下から食欲が低下し、食事量が低下するに従い、咀嚼・嚥下能力が低下する傾向にある。 国民健康・栄養調査によると高齢者の低栄養傾向の者の年齢階級別の割合をみると年齢を重ねるにつれて低栄養の者の割合が増えることがわかる１）。消化能力の低下や、疾病などによって経口摂取が困難となった途端に栄養摂取量が下がり、低栄養状態になる高齢者は少なくない。そのため、早期から嚥下能力を保ち、経口摂取を長く続けるために、嚥下能力に合わせた食事が重要となる。 介護食を開発するにあたり、地元特産の各務原にんじんを取り入れた。各務原にんじんは甘味が強く、鮮やかなオレンジ色が特徴である。この特徴を生かすだけでなく、介護食として様々な嚥下能力に対応できる献立であることが重要となる。食事を展開した際に、見た目が損なわれず、常食であっても高齢者に合わせた食事であることが求められる。料理が口腔内でパサつくのを抑えるために、加熱方法を工夫し、献立にソース、餡など適したものを取り入れること、食感のアクセントとなるように野菜の切り方を工夫することなど様々な点に考慮して、介護食の開発に取り組んだ。   （見出しの前 1行空け） 35 地元特産の各務原にんじんを活用した介護食の開発Ⅱ   2.令和 2年度各務原にんじん介護食 （1）目標設定 介護施設での給与栄養目標は、基本的には一般の産業給食施設と同様に取り扱い、施設に入居している高齢者の特性に合わせ個々に補食などを取り入れて、摂取栄養量を調節することが多い。今回の介護食の開発では日本人の食事摂取基準（2020 年版）の 75 歳以上、身体活動レベル（Ⅱ）、女性の指標を用いて給与目標量の設定を行った２）。今回は、昼食として提供されることを前提に 1日に必要な栄養素量の 30％～40％を満たすことを目標にしている。また、栄養価の面だけではなく大量調理を見込んだ献立であること、嚥下能力に合わせて展開が可能であること、常食であっても嚥下能力の低い人に適していること、季節感を感じられることなどを考慮して介護食の開発に取り組み、今回の介護食の開発では三つの献立が選考された。  （2）選考された献立と特徴 献立 1 のメニューはご飯、じゃがいもの味噌汁、タラのもみじ焼き、きのことほうれん草の煮びたし、キウイシャーベットである。（図１）ペースト状にしたにんじんを使用しタラをもみじ焼きにすることで彩が良くなり、さらにビタミンなどの栄養が摂取できる。さらに食形態が変化しても、常食と似た見た目の鮮やかさを楽しむことができる。また、味噌汁にじゃがいもを使用することでエネルギー量を増やすことができる。さらに、キウイシャーベットはヨーグルトとキウイフルーツで簡単にカルシウムとビタミンを補うことができる。  献立 2のメニューは、ご飯、豆苗入り根菜汁、にんじん鶏つくね、ほうれん草の梅かつお和え、ひじきと大根のマヨサラダ、オレンジである。（図２）つくねの材料であるにんじんや、玉ねぎなどは事前に下茹ですることで嚥下能力が低い高齢者でも食べやすい工夫がされていた。また、豆苗入り根菜汁は食物繊維をたっぷり摂取できるため便秘の改善を促すことができる。さらに、梅を使用した和え物とフレッシュなオレンジをデザートに採用することで暑い夏も食欲を促進させるさっぱりとした献立となった。  献立 3はご飯、生姜ときのこのスープ、豆腐ハンバーグのキャロットソース添え、小松菜としらすのさっぱりマヨポン和えである。（図３）ハンバーグは豆腐と鶏ひき肉を使用することで低脂質かつ高たんぱくの料理となった。ハンバーグのソースはにんじんにケチャップ、ウスターソースを使用することでにんじん特有のえぐみを緩和させ食べやすい味付けとなった。また、スープは二種類のきのこを使用することでミネラルを補い、生姜を加えることで新陳代謝を促進することもできる。和え物にしらすや竹輪を加えることでカルシウムやたんぱく質を補うことができる。   図 1 選考された献立 1  図 2 選考された献立 2  図 3 選考された献立 3  36岡村摩耶・杉岡菜穂・川瀬麻緒・市橋美穂・木本涼太・長屋紀美江・木野村進・奥村祐輔・直井美紀・デュアー貴子  （3）給与栄養目標量と比較した評価  開発した 3 つの献立をエクセルアドインソフト「スマート栄養計算」３）を用い栄養値を計算し、給与栄養目標量と比較すると表 1 のようになる。  献立 1 は、ほぼ全ての栄養素において基準を満たすことができている。脂質が少なめであり、ヨーグルトを取り入れたことで、たんぱく質が豊富な食事となった。塩分量が高い献立のため、和風顆粒だしを、かつお節からとるだしに変更したり、濃い口しょうゆを減塩しょうゆに置き換えるなど塩分量を減らす工夫が必要となる。  献立 2 は、根菜を多く汁物に取り入れたことで食物繊維が豊富な献立となった。PFC バランスがとれた献立となっているがたんぱく質が少なめであり、カルシウムが給与栄養目標を満たせていないため、間食にヨーグルトやアーモンドフィッシュなどを用いると 1 日の食事のバランスを満たすことができる。 献立 3 はしらすや、パルメザンチーズを取り入れたことでカルシウムが豊富な献立となった。しかし、ハンバーグのソースにケチャップやウスターソースなどを使用しているため塩分量と脂質量が高めになっており、朝食や夕食は塩分と脂質の少ない献立にするなど 1 日の中でバランスを取ることが必要となる。 （見出しの前 1行空け） ３.成果と課題  嚥下能力が低下した高齢者も食べやすく、さらに栄養価も基準値に近いものを開発するのは簡単ではない。見た目や、季節感、食材のコストや調理の手間など介護施設で給食として提供する献立を開発するためには考慮すべきことが多くあると学ぶことができた。さらに、今回選考された献立は、各務原にんじんの特徴を生かすだけでなく、嚥下能力の低下した高齢者に向けソースを取り入れること、硬くならないように下茹でするなど様々な工夫を取り入れることができた。  また、介護施設では毎食、似たような献立になる場合が多い。食事を日常生活の楽しみとしている高齢者は多くいるため飽きのこない献立作成が介護施設では求められる。季節のイベントに合わせた食事はもちろん、様々な郷土料理や外国の料理などを上手く取り入れ、高齢者に食事を通じて新しい発見を提供することも重要となる。 また、高齢者向けの献立は塩分が過剰になりやすいため塩分量を減らすための工夫が必要となる。 今後、管理栄養士として高齢者の楽しみとなる食事を提供するために栄養学などだけではなく様々な調理方法や、郷土料理なども多面的に学ぶ必要がある。さらに、実際の介護施設では、管理栄養士が高齢者のニーズを把握し、献立に反映させることが必要となる。知識だけでなく高齢者のニーズを的確に理解するための声掛けや、アンケートの取り方なども身につける必要がある。 （見出しの前 1行空け） ４.おわりに  １食の食事ですべての栄養素のバランスを満たすことは簡単ではない。献立の内容、味や見た目などに囚われ過ぎると塩分の過剰やたんぱく質不足など栄養価が基準を満たせないため、管理栄養士を目指す学生にとって、介護食を開発する難しさを学ぶよい機会となった。 また、実際に献立を調理、喫食することで彩りや食感、味のバランスなどを理解し、実践的な学びを展開することができた。献立は実際に介護施設で提供されるため、学生一人一人が管理栄養士としての自覚を持ち意欲的に取り組むことができた。前回までの介護食の開発では、試食会を開催し、市内の介護施設関係者から実際の現場で提供するために必要なアドバイスや、対象となる高齢者の特性や施設の給食設備についてなど交流を行えていた。今回は新型コロナウイルス感染防止のため、試食会・施設訪問が中止となり実際の介護現場で働く方々の意見を聞くことができなかった。次回、同様に介護食の開発を行う際は、試食会や施設訪問などを行い、学生が介護の現場を学ぶ良い機会にできることを願っている。 表 1 日本人の食事摂取基準 2020 と比較した栄養摂取量  エネルギー （㎉） たんぱく質 （％エネルギー） 脂質 （％エネルギー） 炭水化物 （％エネルギー） カルシウム （ｍｇ） 食物繊維 （ｇ） 食塩当量 （ｇ） 給与目標量 495～660 15～20 20～30 50～65 180～240 5.1 以上 2.3 未満 献立 1 558 20.1 15.8 64.1 166 9.5 3.5 献立 2 558 15.5 20.8 63.7 113 7.3 2.8 献立 3 635 18.2 27.9 53.9 291 7.4 2.7 37 地元特産の各務原にんじんを活用した介護食の開発Ⅱ   謝辞 各務原にんじん介護食の開発にあたり、旬の各務原にんじんをご提供いただきました JA ぎふ鵜沼支店様に厚く御礼申し上げます。また、終始ご協力を賜りました各務原市健康福祉学部介護保険課様、広報課様にも厚く御礼申し上げます。さらに、実際に各務原介護食を給食に取り入れていただきました介護施設の皆様に厚く御礼申し上げます。 （見出しの前 1行空け） 参考文献 １）厚生労働省，国民健康・栄養調査（平成 30 年） ２）厚生労働省，日本人の食事摂取基準（2020）P197-215 ３）エクセルアドインソフト「スマート栄養計算 Ver6.0」,医歯薬出版  The Development of a Diet for Nursing Care Reseivers Making Use of the Kakamigahara CarrotsⅡ   OKAMURA Maya, SUGIOKA Naho, KAWASE Mao, ICHIHASHI Miho, KIMOTO Ryota, NAGAYA Kimie, KINOMURA Susumu, OKUMURA Yusuke, NAOI Miki and DEWAR Takako. 38

The Development of a Diet for Nursing Care Reseivers Making Use of the Kakamigahara CarrotsⅡ

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【報告】地元特産の各務原にんじんを活用した介護食の開発 Ⅱ

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