A Comparative Study on Lethal Effect of Monomer and Cluster Proton Ion Beams in Bacterial Spores

Abstract

クラスターイオンは、複数の原子がnm距離に近接した状態で物質に入射することから、材料表面の改質や分析では単原子イオンに比べて特異なエネルギー付与を示すことが知られている。しかしながら、生物試料における研究は実施されていなかった。我々は、枯草菌の胞子を生物試料のモデルとし、クラスターイオンの生物効果の特徴について明らかにすることを目的とした研究を行っている。原子あたり2MeVの炭素イオンの致死効果を評価した結果、LETが非常に高いために1原子のヒットで致死するため、致死効果に関するクラスター化の効果は確認されないことがわかった。そこで、炭素よりも低いLETを持つプロトンのクラスターイオンの致死効果を評価した。2 MeV H2は1MeV Hに比べて原子あたりの致死効果が低く、負のクラスター効果を示す可能性が示唆された。これは、2つのプロトンが近接して通過するために、同じ遺伝子に影響する確率が高いことによると解釈できる。340 keV Hは2MeV H2と粒子あたりで同じLETを持つが、致死効果は340 keV Hの方が明らかに高かった。これは、イオントラック中心付近でのエネルギー密度が致死効果に大きく影響することによると考えられる

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