Osaka UniversityOsaka UniversitySeinan Jo Gakuin UniversitySeinan Jo Gakuin UniversityNational Institute for Japanese Language and Linguistics会議名: 言語資源活用ワークショップ2020, 開催地: オンライン, 会期: 2020年9月8日−9日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター医療用語(病名)には,「-性」という語構成要素を含む合成語が多いが,どのような要素と「性」が結合するのか,また,どのように病名を構成するのかについては未だ詳らかではないといえる。本発表では,実践医療用語辞書ComeJisyo の見出し語を対象に「-性」を含む病名を調査し,その特徴について分析した。また,BCCWJ の書籍サブコーパスにおける「-性」の用例と比較することで,得られた特徴が病名特有のものであるかを検討した。病名における「-性」では「先天性」「多発性」「急性」などが高頻度に用いられ,「急性細菌性髄膜炎」のように他の「-性」との共起も見られる一方,書籍では「-性」の連続は見られず,「可能性」「必要性」のようにそれ自体が主語となる(体言用法の)ものが高頻度であるという違いが見られた。病名においては,一語で的確に症状を表現する必要があるため,「-性」を用いた細分化が行われていると考えられる