Satoshi IWATSUKI

岩月 聡史

Konan University Repository

KONAN UNIVERSITY金属錯体の酸化状態制御と特異的反応性に関する研究著者 岩月 聡史雑誌名 甲南大学理工学部・知能情報学部 私立大学等経常費補助金特別補助「大学間連携等による共同研究」成果報告集巻 令和2年度ページ 39-41発行年 2022-02URL http://id.nii.ac.jp/1260/00004062/大学間連携等による共同研究報告書 ≪金属錯体の酸化状態制御と特異的反応性に関する研究≫ １．報告書作成年月日：令和３年８月３０日 ２．補助対象年度：令和２年度（令和２年４月１日～令和３年３月３１日） ３．共同研究期間：平成３１年４月１日〜令和４年３月３１日 ４．研究の目的：通常の安定な金属錯体に見られる酸化状態とは異なる特異的酸化状態の金属錯体を開発し、その電子状態に由来する特異的反応性を解明することを目的とする。具体的には、金属錯体の立体構造や配位構造を制御することにより特異的な酸化状態を誘起し、それらの分子構造と電子状態解析を詳細に行う。また、これらの電子状態制御により発現する特異的反応について精密なメカニズム解析を行う。得られた結果に基づいて、金属錯体の酸化状態制御と特異的反応性の発現との相関を詳細に検討する。５．研究組織 (1)研究代表者本共同研究は次の(2)研究分担者間の対等関係により推進しており、研究代表者は設定されていない。 (2)研究分担者研究分担者氏名：岩月 聡史ローマ字氏名：Iwatsuki, Satoshi所属研究機関名：甲南大学部局名：理工学部職名：教授研究者番号（8 桁）：80373033研究分担者氏名：島崎 優一 ローマ字氏名：Shimazaki, Yuichi所属研究機関名：茨城大学部局名：理工学研究科（理学野）職名：准教授研究者番号（8 桁）：80335992(3)研究協力者該当なし６．実施経過：（継続中） 本研究は、平成 31 年 4 月 1 日に国立大学法人茨城大学と学校法人甲南学園との間で締結された「金属錯体の酸化状態制御と特異的反応性に関する研究」に関する共同研究契約に基づくものである。 金属－配位子ラジカル錯体は、配位子骨格のわずかな違いにより中心金属－配位子ラジカル間の電子分布が様々に変化するため、新規物性や特異的反応の創出の観点から近年着目されている。本研究では、金属－配位子ラジカル錯体を創製し、分子構造や電子状態がマクロ物性や反応性にどのような影響を及ぼすか詳細に検討することにより、金属錯体の酸化状態制御と機能物性・反応性との相関について明らかにすることを目的としている。共同研究の 2 年目となる本年度は、金属中心ではなく配位子が定量的に 1 電子および 2 電子酸化されることが前年度に見出された銅(II)-SALEN 錯体（SALEN = N,N’-ビス(サリチリデン)エチレンジアミン系配位子）について、二電子酸化体である銅(II)-ジフェノキシルラジカル錯体（[Cu(SALEN●●)]2+）によるベンジルアルコールの酸化反応機構をさらに詳しく検討し、反応機構を決定した。一方、これらの[Cu(SALEN●●)]2+錯体と、一電子酸化体である銅(II)-モノフェノキシルラジカル錯体（[Cu(SALEN●)]+）の固体物性を検討した。[ 39 ]７．研究成果： １）銅(II)-ジフェノキシルラジカル錯体によるベンジルアルコールの酸化反応機構の解明前年度の速度論的研究により、銅(II)-ジフェノキシルラジカル錯体[Cu(SALEN●●)]2+（SALEN = MeO-salen, MeS-salen）によるベンジルアルコールの酸化反応は、多段階反応で定量的に進行することが見出された。そこで、各反応段階の詳細な反応機構の検討を行った。時間分解 GC-MS 測定の結果、一段階目の反応過程において、酸化生成物であるベンズアルデヒドが部分的に生成することがわかった。一方、この反応過程の速度論的解析から、[Cu(SALEN●●)]2+錯体とベンジルアルコールが 1:1 と 1:2 で反応する 2 つの経路で同時に進む併発反応で進行することがわかった。1:1 の反応経路では、[Cu(SALEN●●)]2+錯体によるベンジルアルコールの直接的な二電子酸化によりベンズアルデヒドが生成し、その際に放出される水素イオンが還元された銅(II)錯体に付加した錯体生成物[Cu(SALEN-2H+)]2+を生成すると考えられる。また、1:2 で反応するもう一つの反応経路では、[Cu(SALEN●●)]2+錯体が 2 分子のベンジルアルコールをそれぞれ一電子ずつ酸化することにより Ph-C●H-OH ラジカル種と、水素イオンが付加した[Cu(SALEN-2H+)]2+が生成したと考えられる。しかしこれらの推測は、一段階目で生成する錯体中間体が銅(II)-モノフェノキシルラジカル錯体化学種であることを見出した前年度の結果と矛盾する。そこで、ジフェノキシル錯体[Cu(SALEN●●)]2+とその二電子還元体[Cu(SALEN)]の酸化還元反応を調べたところ、これらの錯体は迅速に均等化して銅(II)-モノフェノキシルラジカル錯体[Cu(SALEN●)]+を生成することが明らかになった。したがって、一段階目で生成する[Cu(SALEN-2H+)]2+錯体は未反応の[Cu(SALEN●●)]2+錯体により容易かつ迅速に均等化し、水素イオンが付加した銅(II)-モノフェノキシルラジカル錯体[Cu(SALEN●-H+)]2+を生成すると結論した。 二段階目以降の反応機構は、銅(II)-モノフェノキシルラジカル錯体[Cu(SALEN●)]+によるベンジルアルコールの酸化反応と同様に、SALEN 配位子の置換基 R（R = MeO, MeS）の違いにより大きく異なっていた。MeO 錯体の二段階目の反応に関しては、一段階目で生成する錯体中間体[Cu(SALEN●-H+)]2+によるベンジルアルコールの一電子酸化過程に相当することが明らかになった。この反応機構は、別途単離した[Cu(SALEN●)]+錯体によるベンジルアルコールの酸化反応機構と異なっており、銅(II)-モノフェノキシルラジカル錯体の反応性は、水素イオンの付加により変化することがわかった。一方、MeS 錯体では二段階目および三段階目の反応過程が観測された。時間分解 GC-MS 測定により、生成物のベンズアルデヒドは二段階目の反応過程では生成せず、三段階目で生成することが明らかになった。この結果は、別途単離した銅(II)-モノフェノキシルラジカル錯体[Cu(SALEN●)]+によるベンジルアルコールの酸化反応の一段階目と二段階目と同様であった。これら反応段階の速度論的解析と合わせて反応機構を検討した結果、二段階目は一段階目で生成する錯体中間体[Cu(SALEN●-H+)]2+と1 分子のベンジルアルコールの会合体形成過程であり、その会合体が三段階目でアルコールを一電子酸化する反応機構であると結論した。以上のように本研究で解明した銅(II)-ジフェノキシルラジカル錯体によるベンジルアルコールの酸化反応機構は、Inorg. Chim. Acta 誌に論文発表した（８．主な発表論文等〔雑誌論文〕1）。 ２）銅(II)-モノフェノキシルラジカルおよびジフェノキシルラジカル錯体の固体物性の検討本年度は、上記１）の溶液反応性以外の特異的物性として、固体状態の物性測定を行った。固体中の錯体構造に関する情報を得るため、銅(II)-モノフェノキシルラジカルおよびジフェノキシルラジカル錯体[Cu(R-salen)](SbX6)n（R = MeO, MeS; X = F, Cl; n = 1, 2）のすべての錯体の単結晶を単離し、X 線結晶構造解析した。その結果、[Cu(MeO-salen)]SbF6 は結晶中でフェノキシルラジカル部位が完全に局在化した銅(II)-(フェノレート)(フェノキシルラジカル)構造である一方、[Cu(MeS-salen)]SbCl6 は完全に対称的な配位構造であり、見かけ上、銅(II)-ビス(0.5 ラジカル)構造であることが明らかになった。また、[Cu(R-salen)](SbX6)2 については、比較的対称性の高い配位構造を有しており、置換基 R にかかわらず銅(II)-ジフェノキシルラジカル構造であることが示唆された。これらの錯体の固体粉末試料の磁化率の温度依存性を測定した結果、銅(II)-モノフェノキシルラジカル錯体については、[Cu(MeO-salen)]SbF6は弱い反強磁性である一方で[Cu(MeS-salen)]SbCl6 は強磁性であり、銅(II)-モノフェノキシルラジカル錯体については、[Cu(MeO-salen)](SbF6)2 は強磁性である一方で[Cu(MeS-salen)](SbCl6)2 は反強磁性であることが強く示唆された。このように、銅(II)-モノフェノキシルラジカルおよびジフェノキシルラジカル錯体の磁性が置換基 R の違いのみで著しく異なるのは極めて興味深い。最終年度となる次年度は、これらの固体状態の特異的物性に関して、錯体の電子状態と固体物性との相関、ならびに溶液中と固体状態の電子状態の違いを詳細に検討する予定である。８．主な発表論文等 〔雑誌論文〕（計５件）1. Takeyama, T.; Kobayashi, M.; Kikuchi, M.; Ogura, T.; Shimazaki, Y.; Iwatsuki, S. “Benzyl alcohol oxidationmechanisms by one- and two-electron oxidized species of Cu(II)-salen complexes with para-R-substituents,[Cu(R-salen)]n+ (R = MeO, MeS; n = 1, 2)” Inorg. Chim. Acta 2020, 511, 119848.DOI: 10.1016/j.ica.2020.119848[ 40 ]2. Iwatsuki, S.; Ishihara, K.; Matsumoto, K. “Kinetics and mechanisms for inorganic and organometallic reactionsof bis(amidato)-bridged cis-diammineplatinum(III) binuclear complexes: A review” Inorg. Chim. Acta 2020,512, 119888.DOI: 10.1016/j.ica.2020.1198883. Ito, Y.; Yamashima, K.; Arai, S.; Takahashi, M.; Ito, T.; Iwatsuki, S.; Ishihara, K.; Matsumoto, K.“Decomposition and isomerization mechanisms of head-to-head α-pyridonato-bridgedethylenediamineplatinum(II) binuclear complex, [Pt2(en)2(C5H4NO)2]2+, in aqueous solution” Inorg. Chim.Acta 2020, 513, 119934.DOI: 10.1016/j.ica.2020.1199344. Suzuki, Y.; Kusuyama, D.; Sugaya, T.; Iwatsuki, S.; Inamo, M.; Takagi, H. D.; Ishihara, K. “Reactivity ofBoronic Acids toward Catechols in Aqueous Solution” J. Org. Chem. 2020, 85, 5255–5264.DOI: 10.1021/acs.joc.9b033265. Oshita, H.; Shimazaki, Y. “Recent Advances in One‐Electron‐Oxidized CuII–Diphenoxide Complexes as Models of Galactose Oxidase: Importance of the Structural Flexibility in the Active Site” Chem. Eur. J. 2020, 38, 8324–8340.DOI: 10.1002/chem.2019058776. Takeyama, T.; Inoue, Y.; Chayama, K.; Iwatsuki, S.; Takao, K. “"Structural Chemistry and Stimuli-ResponsivePhase Transition of N,N’‑Dialkylimidazolium Nonafluorobutanesulfonate Ionic Liquids” Cryst. Growth Des.2021, 21, 617–624.DOI: 10.1021/acs.cgd.0c01419〔学会発表〕（計９件） 「一般講演」 1. Formation of CuII-phenoxyl Radical by Reaction of O2 with the CuII-Phenolate Complex via the CuI-PhenoxylRadical SpeciesYuichi Shimazaki錯体化学会第 70 回討論会（令和 2 年 9 月 28 日～9 月 30 日、オンライン）2. Formation of NiII-phenoxyl radical species by O2 from the NiII-(phenol)(phenolate) complexes and theirmechanismsTakashi Suzuki, Yuichi Shimazaki錯体化学会第 70 回討論会（令和 2 年 9 月 28 日～9 月 30 日、オンライン）3. 分子内酸化還元反応による銅(I)-フェノキシルラジカル錯体の生成と性質島悠人、鈴木崇、島崎 優⼀錯体化学会第 70 回討論会（令和 2 年 9 月 28 日～9 月 30 日、オンライン）4. 水溶性ホウ素の分離・回収・比色検出機能をあわせもつ三元ハイブリッド機能樹脂の開発岩月聡史、増井愛恵、日野由梨日本分析化学会第 69 年会（令和 2 年 9 月 16～9 月 18 日、オンライン）5. イオン液体抽出物を高分子化するモレキュラーインプリンティング山本諒、大下宏美、岩月聡史、茶山健二日本分析化学会第 69 年会（令和 2 年 9 月 16～9 月 18 日、オンライン）6. Anthracene により架橋されたジボロン酸と D-グルコースの反応に関する速度論的研究田中玲衣、菅谷知明、岩月聡史、稲毛正彦、石原浩二日本分析化学会第 69 年会（令和 2 年 9 月 16～9 月 18 日、オンライン）7. ピリジニウムを含むイオン液体生成を用いた色素の抽出宇野綾、大下宏美、岩月聡史、茶山健二第 39 回溶媒抽出討論会（令和 2 年 11 月 30 日～12 月 1 日、オンライン）8. NiII-フェノラート錯体及び NiII-フェノール錯体の酸素分子による酸化反応とプロトンの効果鈴木崇、島崎優一日本化学会第 101 春季年会（令和 3 年 3 月 19 日～3 月 22 日、オンライン）9. Cu(II)-フェノラート錯体の原子価互変異性により生成する銅(I)-フェノキシルラジカル錯体の同定島悠人、鈴木崇、島崎優一日本化学会第 101 春季年会（令和 3 年 3 月 19 日～3 月 22 日、オンライン）〔図書〕（計０件） 〔産業財産権〕 ○出願状況（計０件）[ 41 ]

金属錯体の酸化状態制御と特異的反応性に関する研究

KONAN UNIVERSITY金属錯体の酸化状態制御と特異的反応性に関する研究著者 岩月 聡史雑誌名 甲南大学理工学部・知能情報学部 私立大学等経常費補助金特別補助「大学間連携等による共同研究」成果報告集巻 平成31年度ページ 64-67発行年 2021-02URL http://id.nii.ac.jp/1260/00003690/ Mn+ M(n+1)+ L L = Mn+ (L•+) N,N’- ( ) SALEN (II)Cu(II)-SALEN [ 64 ]SALEN tert- tBu-salenMeO-salen MeS-salen (II) Cu(R-salen) R = tBu, MeO, MeS  (II)(II)[Cu(MeO-salen)]2+ [Cu(MeS-salen)]2+[Cu(tBu-salen)]2+Cu(tBu-salen) 0.2 V [Cu(R-salen)]2+ R = MeO, MeS  [Cu(MeO-salen)]2+[Cu(MeS-salen)]2+π-π*(II)-(II)-SALENLLCT[Cu(MeO-salen)]2+ [Cu(MeS-salen)]2+(II)- [Cu(R-salen)]2+ R = MeO, MeS  (II)-[Cu(MeO-salen)]2+ [Cu(MeS-salen)]2+(II) GC-MS[Cu(MeO-salen)]2+[Cu(MeS-salen)]2+[Cu(R-salen)]2+[Cu(R-salen)]+ R = MeO, MeSR(II)- (II)-  1. Mikata, Y.; Kaneda, M.; Konno, H.; Matsumoto, A.; Sato, S.; Kawamura, M.; Iwatsuki, S. “Methoxy-substituted tetrakisquinoline analogs of EGTA and BAPTA for fluorescent detection of Cd2+” Dalton Trans. 2019, 48, 3840–3852. DOI: 10.1039/C8DT04735A [ 65 ]2. Kusuyama, D.; Samukawa, Y.; Sugaya, T.; Iwatsuki, S.; Inamo, M.; Takagi, H. D.; Ishihara, K. “Detailed Reaction Mechanisms of 4-Pyridylboronic Acid and (N-Methyl)-4-Pyridinium Boronic Acid with D-Sorbitol in Aqueous Solution” ChemistrySelect 2019, 4, 4944–4951. DOI: 10.1002/slct.201900275 3. Chayama, K.; Hirooka, T.; Iwatsuki, S. “Thermosensitive gels incorporating cyclic monoazatetrathioether units for the selective extraction of class b metal ions” J. Incl. Phenom. Macrocycl. Chem. 2019, 94, 211–218. DOI: 10.1007/s10847-019-00928-4 4. Oshita, H.; Suzuki, T.; Kawashima, K.; Abe, H.; Tani, F.; Mori, S.; Yajima, T.; Shimazaki, Y. “The effect of π–π stacking interaction of the indole ring with the coordinated phenoxyl radical in a nickel(II)-salen type complex. Comparison with the corresponding Cu(II) complex” Dalton Trans. 2019, 48, 12060–12069. DOI: 10.1039/C9DT01887E 5. Oshita, H.; Suzuki, T.; Kawashima, K.; Abe, H.; Tani, F.; Mori, S.; Yajima, T.; Shimazaki, Y. “π–π Stacking Interaction in an Oxidized CuII–Salen Complex with a Side‐Chain Indole Ring: An Approach to the Function of the Tryptophan in the Active Site of Galactose Oxidase” Chem. Eur. J. 2019, 25, 7649–7658. DOI: 10.1002/chem.201900733 6. Suzuki, T.; Oshita, H.; Yajima, T.; Tani, F.; Abe, H.; Shimazaki, Y. “Formation of the CuII–Phenoxyl Radical by Reaction of O2 with a CuII–Phenolate Complex via the CuI–Phenoxyl Radical” Chem. Eur. J. 2019, 25, 15805–15814. DOI: 10.1002/chem.201903077 7. Mikata, Y.; Kaneda, M.; Tanaka, M.; Iwatsuki, S.; Konno, H.; Matsumoto, A. “A Tetrakisquinoline Analog of Calcium Indicator Quin2 for Fluorescence Detection of Cd2+” Eur. J. Inorg. Chem. 2020, 757–763. DOI: 10.1002/ejic.201901323 8. Oshita, H.; Shimazaki, Y. “Recent Advances in One‐Electron‐Oxidized CuII–Diphenoxide Complexes as Models of Galactose Oxidase: Importance of the Structural Flexibility in the Active Site” Chem. Eur. J. in press. DOI: 10.1002/chem.201905877   1. Formation of the CuII-phenoxyl radical complex by O2 from the CuII-phenolate and its mechanism Suzuki, T.; Shimazaki, Y. 19th International Biological Inorganic Chemistry Conference (Interlaken, Switzerland, 2019, August 11–16) 2. The effect of π-π stacking interaction in the one-electron oxidized metal(II)-diphenolate complexes containing a side chain indole ring Oshita, H.; Shimazaki, Y. 19th International Biological Inorganic Chemistry Conference (Interlaken, Switzerland, 2019, August 11–16) 3. (II)-   13 9 4 9 6  4.   68 9 11 9 13  5. (II)-salen   69 9 21 9 23  6. β-diketonato BF2 D-fructose  69 9 21 9 23  7. N- -3- D-   69 9 21 9 23  8. CuII- CuII-  69 9 21 9 23  9.  [ 66 ] 38 11 20 11 21  10.   38 11 20 11 21  11.   38 11 20 11 21  12. CuII-   33 2 1 10 12 13. Ni(II)-   100 2 3 22 25 COVID-19 14. (Ⅱ)−   100 2 3 22 25 COVID-19 [ 67 ]

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