research

Models of Consumer Behavior and Choice Heuristic

Abstract

消費者行動の理論は幾つかの特徴的アプローチによって展開されてきた。その1つである先験的なアプローチは隣接諸科学で既に展開された理論的枠組を消費者行動に適用し,消費者の理解とその説明力の向上に大きく貢献してきた。また経験的アプローチは実態調査の資料による消費者行動パターンの観察から規則性を抽出し,消費者行動の予測力を高めてきたといえよう。その後に展開されたもう1つのアプローチは,統合的あるいは折衷的アプローチと呼ばれるもので,基本的には上記2つのアプローチに伴う長所を取り込み,短所を除去しようとする方法であるが,その特徴的視角は2種類の情報を統合化するところにある。その1つは消費者行動の解明に密接に関連する隣接諸科学,特に行動科学における概念,理論,発見物に関わる情報であり,もう1つはマーケティング問題の解決のために行なわれる調査からの発見物に関わる情報である。このような統合的アプローチによって特徴づけられる消費者行動モデルはその展望の広さから包括的モデル(comprehensive models)と呼ばれ、Nicosia, Howard= Sheth, Engel= Kollat= Blackwell, Bettman等のモデルはその代表的モデルとみなされている。本稿の課題は包括的モデルとして総称される幾つかの主要なモデルを取り上げ,主としてそこに組み入れられた選択ヒューリスティックの型式を検討しながら,それらモデルの問題点を指摘することである

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