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    Bladder and Bowel Dysfunctionにおける直腸膨大部径と臨床症状の関連性についての検討

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    昼間尿失禁などの下部尿路症状と便秘の関係は,便秘の治療で昼間尿失禁が改善するなど緊密な関係性があると考えられているが,その機序は不明である.今回われわれは昼間尿失禁に便秘を合併したBladder and Bowel Dysfunction(BBD)症例において,まずその臨床背景を明らかにし,次に超音波検査で測定した直腸膨大部径と下部尿路症状の関連性に関して後方視的に検討を行った.2014年4月から2015年5月までに昼間尿失禁を主訴に当科を受診した5歳以上15歳未満の計93名(男児65例,女児28例,平均年齢6.9±1.6歳)を対象とした.便秘の診断はROMEⅢの基準に従い行った.便秘や便失禁などの排便障害を伴う群をBBD群,それ以外を非BBD群と分類し両群を比較検討した.BBD群は49例,非BBD群は44例であった.両群間で,男女比,最大尿流率,平均尿流率,残尿ありの症例数に関して有意差は認めなかった.直腸膨大部径はBBD群で3.1±1.1cm,非BBD群で2.3±0.8cmであり,BBD群で有意に拡張していた(p‹0.01).またBBD群では直腸膨大部径が大きくなればなるほど残尿量も増えるという正の相関を示した.BBD症例では,直腸膨大部径が拡張している症例が多く,また直腸膨大部径と残尿量は正の相関を示した.直腸膨大部径の拡張が下部尿路症状の増悪と関係することが示唆された

    包括的治療を行った下顎第二大臼歯欠損を伴う骨格性下顎前突症例

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    中高年以降の顎変形症患者の口腔内には,口腔清掃の困難さや咬合の不均一による歯や歯質欠損に対応する治療の結果として,しばしば不適切な補綴物が認められる.歯列の長期的な安定のためには矯正歯科治療を含む包括的な咬合治療により,適切な咬合関係の確立および顎口腔機能の改善が重要であると考えられる.本症例は,初診時年齢48歳0か月の女性,前歯の被せものを治したいことと全体的な咬み合わせを主訴に来院した.不適合な補綴物,叢生,反対咬合および非対称を伴う骨格性下顎前突症例である.個性正常咬合を獲得するため下顎右側側切歯を抜去し,マルチブラケット装置による外科的矯正治療を適用し,歯周治療や補綴処置を含む包括的なアプローチにより審美的かつ機能的咬合が得られた.患者の主訴は改善され,審美的にも咬合状態においても安定している.現在は,定期的な経過観察と保定管理を行っている.今後も歯周組織や下顎運動時の咬頭干渉に留意しながら長期経過を確認していく必要性が考えられる
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