80 research outputs found

    奈良女子高師附小における「小合科学習」の理念と家事・裁縫科教育の実践 ―家庭科における「子ども」と「科学」の統合に関する研究(Ⅴ)―

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    長崎春榮氏が実践した「小合科学習(家事)」の「食物の目的」では、当時使用されていた教科書の記述内容に沿ったカリキュラムを組織し、それを木下の「学習法」の理論で実践していたが、そこで子どもが獲得した知識のレベルは低いものであった。一方、鶴居滋一氏が実践した「小合科学習(地理)」の「中国地方」では、長崎氏と同じく、当時の地理科の教科書の記述内容に沿って授業を構成し、それを木下の「学習法」の理論で実践していたが、教師が計画した内容をほぼ完全に子どもに獲得させることができていた。この違いは、カリキュラムの質の差と教師の力量に起因していると考えられた

    自分と子どものかかわりから自己理解を図る 保育授業の開発(第5報) ―中学校選択教科「技術・家庭(家庭分野)」におけるFlour Baby Projectの実践と検討―

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    本研究の目的では、全ての生徒が乳幼児との関わりを通して、親になるということを考え、自己理解を図る保育授業の開発にある。本報は、中学校家庭科でこの目的を達成するための第二段階として、中学校選択教科「技術・家庭(家庭分野)」を履修している生徒16名(第3学年女子16名)にFlour Baby Project(以下、FBPと称す)を実施し、その有効性を検討した。生徒は、①Flour Babyに対する愛着を持って土・日を含むFBPを行い、②世話に伴う様々な大変さから、③家族の協力の必要性を感じると共に、④「養育態度の反省」から、現在の自分には、子育てに対する責任と知識・経済力が欠如し、自立できていないために、親になることはできないという⑤「現在の自分に関する知識」を形成していた。しかし、最終授業で行ったディスカッションで終了後には、生徒は、「将来は自分も子どもがほしい」、「子育ては大変だがそれを通して自分も成長できるのではないか」という⑥「将来の自分に関する認識」に結びつく意見を記述していた

    Home economics evaluation research that aims at accomplishment of a goal as subject (1) : The idea of the academic training, and the location and problem of the Home Economics shown in 2008 version course of study

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    本報は、平成18年10月に「高等学校必修科目未履修問題」をもたらした平成10年版学習指導要領に示された教育理念が、平成20年3月末に告示された新学習指導要領でどのように捉えなおされ、その中に家庭科がどのように位置づけられたのか。さらに、家庭科が学校教育の目的達成のために寄与するためには、どのような課題が存在するのか、という観点から、文部科学省の新学習指導要領関係の資料を分析した。その結果、①新学習指導要領では、平成10年版学習指導要領の教育理念[生きる力]を踏襲して教育課程・内容の改訂が図られていた。その中に、②小・中学校の家庭科は、従前どおり「教科」として位置づけられ、②[生きる力]を構成する「豊かな人間性」「健やかな体」をはぐくむための教科として、家庭科学習指導要領の目標・内容が示されていた。しかし、④中学校家庭科では、保育学習と被服学習の目的を学ぶ内容が欠落しているため、⑤教科として目指すべき他教科では代替できない「家庭生活を営む力の育成」と「人格形成」が達成できないという問題が理論的に明らかになった。その課題を解決するため、本継続研究では、岡山大学附属中学校で取り組まれている保育学習と被服学習の目的を学ぶための授業開発研究を踏襲し、その学習がどのように「人格形成」に結びつくのかを心理測定尺度の適用により検討する評価研究を試みる

    Examination of “Skills of Subject Contents Organization” in Practice of “Studies in the Subject Matter of Home Economics Education” in the Home economics Education Course, Faculty of Education Okayama University : Preliminary Research to Develop a Home Economics Curriculum, which Aims to Integrate Academic Subjects Education and Subject Content Education

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     岡山大学教育学部家政教育講座では,教科教育と教科内容の統合を目指す教員養成家庭科カリキュラムを構築し,平成22 年度から実践してきた。本報告では,平成26 年度から検討を開始した家庭科カリキュラムにおける「教科内容構成力」育成の取組と,平成27・28年度に実施した「中等家庭科内容論」の授業内容と「教科内容構成力」の育成について検討した

    Development of Early Childhood Education and Care Class That Enables Self-understanding from Relations between Child and I(7) : Examination of Four Baby Project Practice in High School Home Economics General Subject "Katei So-go(Integrated Home Economics)"

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    本研究の目的は,全ての生徒が乳幼児との関わりを通して,親になるということを考え,自己理解を図る保育授業の開発にある。本報は,この目的を達成するための第四段階として,高等学校家庭科普通科目「家庭総合」を履修している生徒 198名 (第3学年男子 57名,女子 141名)に実施されたFlour Baby Prqject(以下, FBPと称す)を検討した。その結果,学校全教員の FBPに対する理解と協力が前提とはなるが,①一人の家庭科教員で 40名の生徒を対象に, 2時間の「家庭総合」の授業時間と 1日間の校内活動で FB Pを実践できること,② 7日間の実践と比較すると,獲得認識の質・量の差はみられるが,壁徒は,③愛情を持ってFBを抱き,④世話に伴う大変さから,⑤子育てに対する責任と現在の自分は精神的・経済的に自立していないため親になることはできないという(む「現在の自分に関する認識」を形成していた。それに対して,⑦「家族の協力の必要性」や「自分の親に対する思い」を獲得していた生徒は少なかったが,授業で行ったディスカッションにより,子育てには「家族や周りの人の協力が必要である」と認識した生徒もある程度みられた

    Development of Early Childhood Education and Care Class That Enables Self-understanding from Relations between Child and I(7) : Examination of Four Baby Project Practice in High School Home Economics General Subject "Katei So-go(Integrated Home Economics)"

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    本研究の目的は,全ての生徒が乳幼児との関わりを通して,親になるということを考え,自己理解を図る保育授業の開発にある。本報は,この目的を達成するための第四段階として,高等学校家庭科普通科目「家庭総合」を履修している生徒 198名 (第3学年男子 57名,女子 141名)に実施されたFlour Baby Prqject(以下, FBPと称す)を検討した。その結果,学校全教員の FBPに対する理解と協力が前提とはなるが,①一人の家庭科教員で 40名の生徒を対象に, 2時間の「家庭総合」の授業時間と 1日間の校内活動で FB Pを実践できること,② 7日間の実践と比較すると,獲得認識の質・量の差はみられるが,壁徒は,③愛情を持ってFBを抱き,④世話に伴う大変さから,⑤子育てに対する責任と現在の自分は精神的・経済的に自立していないため親になることはできないという(む「現在の自分に関する認識」を形成していた。それに対して,⑦「家族の協力の必要性」や「自分の親に対する思い」を獲得していた生徒は少なかったが,授業で行ったディスカッションにより,子育てには「家族や周りの人の協力が必要である」と認識した生徒もある程度みられた

    Development of Home Economics Classes from an ESD Perspective : Examining the Practice of the 2018 Liberal Arts Education Subject “Contemporary Issues in Education (Lifestyle and Environment)” at Okayama University

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    平成28年以降、わが国では、これから子どもたちが生きる予測できない未来に対応するための学校教育の方向性として、グローバル化や知識基盤社会で生きる力とその育成のためのアクティブ・ラーニングの導入が示された。2014年にスーパーグローバル大学の指定を受けた岡山大学においても、知識基盤社会やグローバル化社会を支える高度な専門知識と知的な素養を備えた人材育成のための教育改革が行われた。本研究は,この改革の中で、教養教育として教育学部に求められた「現代の教育的課題」の授業科目として、アクティブ・ラーニングを核とする“ESDを視点とした家庭科Project”を基盤として開発した「生活と環境」とその実践結果について検討した。Since 2016, active learning has been implemented in Japan as part of a direction for school education that can respond to the unpredictable future in store for children, in order to develop the ability to live in a globalized, knowledge-based society. Okayama University, which has been designated as a Super Global University in 2014, is engaged in education reform to develop people with the advanced, specialized knowledge as well as mental fundamentals to support a knowledge-based, global society. This study examines the results of the “lifestyle and environment”which were developed as foundation for a “home economics project from an ESD standpoint,” one that is central to active learning in the “Contemporary Issues in Education” course, required for liberal arts education in the Faculty of Education

    Development of Early Childhood Education and Care Class that Enables Self-understanding from Relations between Child and I (8) : Examination of Flour Baby Project Practice in High School Home Economics General Subject "Katei So-go (Integrated Home Economics)"(2)

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    本報は,第7報で明らかにした岡山南高等学校「家庭総合」で試みられた"保育学習のまとめとして,学校のみで1日間実施された自分の誕生時の体重とは無関係なFBP"の課題(① FBPの位置づけ,② FBの体重,⑨質問項目,④ディスカッションのテーマと進め方,⑤ FBPによる人間関係理解の意味)を検討することを目的とした。そのため,課題②③④を第 7報と先行研究の結果から設定し直し,同校の商業科「家庭総合」で FBP実践を行った。その結果,①自分の誕生時の体重の FBを用いた方が,生徒の獲得認識,特に「自己認識」が高くなった。また,今回用いた⑨質問項目と④ディスカッションのテーマと進め方により,前回よりも,カテゴリー別の生徒の獲得認識が高くなり,最終的に生徒は「これから家族や保育についてもっと学ぶ必要がある」ことを認識していたことから,① FBPは保育学習の導入として位置づける方が適切であることが示唆された。しかし,課題⑤に関しては,心理学的手法を用いて FBPによる生徒の獲得認識を更に検討していかなければならないことが,今後の課題として把握された

    A Case Study Considering “Food-Related Education” in Combination with Environment to Foster Ordinary Food Habits of Children (1) : Situations about the Practice of Food-Related Education in Japan from the Viewpoints of Recognizing Common Basic Values

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     学校教育における今日的課題として,学校・家庭・地域相互の連携を目指した,子どもの食習慣を確立させるための食教育1)実践の充実が求められている。本研究では,これまでの食教育の理論と実践に関する先行研究の特質と課題を見出し,「学習者と人との関わり」を重視した食教育として,文化概念を中核に据えた就学前・初等教育における食教育の試みを理論的・実証的に考察することを目的とする。このうち,第Ⅰ報では,子どもの食教育に関する基本的価値認識の観点から,これまでにわが国でなされている食教育実践に関する先行研究の現状を明らかにしていく

    A Case Study Considering “Food-Related Education” in Combination with Environment to Foster Ordinary Food Habits of Children (2) : Situations about the Practice of Food-Related Education in China, and Possibilities of Focusing on the Concept “Culture”

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     学校教育における今日的課題として,学校・家庭・地域相互の連携を目指した,子どもの食習慣を確立させるための食教育実践の充実が求められている。先んじて,第Ⅰ報では,これまでの食教育実践に関する先行研究の現状を,子どもの食教育に関する基本的価値認識の観点から明らかにしていった。それに続く第Ⅱ報では,食教育の比較教育学研究を試みるため,第Ⅰ報での研究視点・研究方法を援用しながら,中国における食教育実践に関する先行研究の現状について検討し,日中両国の食教育の類似点・相違点を明らかにしていくことで,「文化」概念を中核に据えた就学前・初等教育における食教育実践の検討可能性を理論的に示唆することを試みていく
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