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    奈良絵本「花鳥風月」について : 奈良大学図書館の翻刻と釈文

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    Publisher奈良" 「花鳥風月」は、扇合に出された一枚の扇に描かれた男女について、「その男は業平か、源氏か」という争論になり、梓巫女の姉妹、花鳥と風月を呼び寄せて、その不審を晴らすという物語である。お伽草子に『伊勢物語』と『源氏物語』を取り込んだところに特徴があり、それ故に古典の学習書としての性格を持つものとも言われている。  奈良大学図書館には、二種類の奈良絵本「花鳥風月」(A本、B本と称する)が所蔵されている。どちらも九曜文庫の旧蔵品であり、既に影印が刊行されているが、翻刻はなされていない。そこで本稿では、B本の翻刻と釈文を作成し、その翻刻をA本と校合する。そして、その結果に基づき、両本の本文の系統について考察する。また、挿絵については、本文と照らし合わせながら場面内容を比定し、その特徴を明らかにする。
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