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Th1 サイトカイン ト LPS シゲキ ニヨル ダツラク マク カラノ IFN-γ ノ サンセイ : イジョウ ニンシン ニ オケル グラム インセイキン エノ カンジュセイ コウシン ノ キジョ カイメイ ニ ムケテ
妊娠の成立と維持にはTh2優位の免疫環境が重要であり,Th1型の応答は,母体の細胞傷害性T細胞やNK 細胞を活性化し,胎児胎盤を傷害する.さらに両者の関係に,第三の因子として細菌やウイルス感染が影響する可能性がある.本研究ではグラム陰性菌の内毒素であるLPS がToll様受容体(TLR)4を介して脱落膜リンパ球を活性化する過程に,Th1誘導サイトカインがどのように作用するのかを検討することを目的とした.妊娠初期に,社会経済的理由にて人工妊娠中絶を受けた妊婦より,脱落膜単核球を採取してIL-2,IL-12,およびLPSを添加して培養し, 上清中のIFN-γ およびTNF-α をELISA にて測定した. フローサイトメトリーでCD3,CD56,TLR4発現を解析した.その結果,脱落膜単核球のほとんどはCD56陽性CD3陰性細胞であり,TLR4はCD56陽性,CD56 陰性細胞両者に発現していた.IL-2,IL-12はTLR4発現には影響はなかった.脱落膜単核球は,LPS単独でIFN-γ を産生するが,IL-2,IL-12存在下ではその産生が著しく増強する.脱落膜単核球はLPS刺激によりTNF-α を産生するが,IL-2,IL-12は, その産生に影響しない. そのメカニズムとしてIL-2,IL-12とLPSは相互に感受性を高めてIFN-γ 産生を増強するが,TNF-α の産生は異なった調節を受けている可能性が示唆された
Bガタ カンエン ウイルス ボシ カンセン ヨボウ タイサク シン ホウシキ ノ リンショウテキ ケントウ : ジ キャリアカ ゼロ ・ タイサク モレ ゼロ オ メザシテ
わが国におけるB 型肝炎ウイルス(HBV)母子感染予防法として厚生省方式(HB ワクチン生後二ヶ月開始,HBIG2回投与)が広く実施されてきた.同時期に開発された千葉大方式(HB ワクチン生後24時間内開始,HBIG1回投与)の多施設共同臨床治験により,同方式と厚生省方式間で児の能動免疫獲得率・キャリア化率,有害事象発生率に関して有意差が無く,省力化・安全性・経済性の観点から千葉大方式の優位性が報告されている.今回,HBV 母子感染予防対策を児のHBV キャリア化阻止と対策漏れにエンドポイントを絞り,千葉大方式を更に簡略化し,全ての処置を生後1 ヶ月健診時に完了する獨協医大方式(HB ワクチン生後24時間以内開始,HBIG1回投与)の臨床治験を日本および中国大連市において実施した.両方式群間で,児の能動免疫獲得率,生後6 ヶ月時獲得HBs 抗体価,キャリア化率,有害事象発生率の全てにおいて有意差を認めず,一方,省力化・経済性と対策漏れに関しては獨協医大方式の優位性が判明した.獨協医大方式はその経済性,簡便性より,わが国はもとよりHBV 侵淫地域であるアフリカ,東南アジア諸国等においても積極的採用が期待され得る選択肢である