37 research outputs found

    訪問看護の専門性を支える経験についての一考察 : 熟練訪問看護師へのインタビューより

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    訪問看護の時代を切り拓いた看護職の専門性が、どのような経験の積み重ねの中で形成されてきたのかを明らかにすることを目的に、熟練訪問看護師にインタビューを行った。その結果、市町村での訪問看護による住民との関わりの中で、多くのうちのめされる経験をしながら訪問看護の本質をつかんでいったこと、さらに、訪問看護ステーションの開設では社会的認知に苦労したものの、訪問看護の醍醐味を実感したこと、所長として職員や経営を戦略的に育て訪問看護を極めた自負のもと、新たな挑戦として自らの訪問看護ステーションを起業したこと、現在は看護職の誇りを持って、全体性と先見性を意識した次世代につなぐ訪問看護を目指すというストーリーが明らかとなった。A氏の訪問看護の専門性は、反省的実践家モデルの中で形成され、生成継承性の高さを特徴としていた

    島根県における旧保健婦養成の足跡

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    島根県における旧保健婦養成所卒業生会による「草わけの保健婦養成」には、養成所時代のさまざまな記録と共に卒業生を対象としたアンケート結果が掲載されている。一期生は、卒業期における業務内容として、乳幼児や結核患者の家庭訪問、共同炊事・農繁期託児所指導、地域への保健婦活動のアピールを挙げている。地域住民に保健婦の仕事を説明し、分かってもらうことの難しさ、そして何も土台がない所に新しいものを創り上げることの難しさは現代にない苦労の連続であったと推察される。具体的な状況の記録は少ないが、保健婦活動の手記や当時の新聞記事を手がかりに、家庭訪問、農繁期託児所、保健婦劇による保健婦活動のアピール、研究発表等について資料の解説を試みた

    地域看護実習におけるテレビ電話を用いた遠隔カンファレンスの評価

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    テレビ電話による遠隔カンファレンスを試み、分散・拡大した地域看護実習に対する運用と評価を検討した。カンファレンスとしての機能と有効性は実用に耐えうるもので、新しい教育方法の可能性が示唆された

    在宅看護学教育の体系化に向けた学習方略の開発 : 問題解決型学習の試み

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    社会ニーズに対応する在宅看護学教育の体系化は緊急の課題である。看護教育における系統的な教授方法は、現代の家庭やコミュニティの複雑なダイナミクスや多様なニーズに対応できないことが指摘されるようになった。我々は、地域で生活する人々の生活ニーズや健康ニーズに対する学生の感性を養い、問題意識を高めることをカリキュラムの基本枠組みとし、1年次からフィールドワークを実施し、問題解決型学習理論に基づく学習方略の開発を試みた。その結果、在宅看護の学習の動機づけや感性を養う導入時の学習効果とともに、問題解決型学習の総合的評価、教育のネットワーク化、教育方略の評価方法の開発等の課題が明らかになった

    島根県立看護短期大学・看護学科における1997年度の地域看護実習と今後の課題

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    平成9年度より改正された新カリキュラムに対応した地域看護実習を終了した本学第1期生について、現状と今後のよりよい実習のあり方を検討した。検討した内容は、学生の実習目標に対する自己評価、感想・考察、実習内容や教員評価などの関係である。その結果、地域看護実習の実習場所2カ所の教員評価は有意(P<0.01)な正の相関関係を示した。また、実習場所による自己評価には差があり、限られた実習期間や3年過程の看護教育における限界も感じられた。しかし、学生が自由記載で記述した内容をKJ法で分類してみると、多くの学び、気づきを示していた。多くの課題を残した実習ではあったが、担当した教員として確かな学びの手応えを感じている

    「在宅看護の学び」の実態と評価尺度の信頼性

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    看護学生を対象に、研究者らの作成した「在宅看護の学び」41項目を質問紙として学びの実態を調査した。在宅看護の学びの構成をみること、同時に指標としての妥当性を検討した。本校の在宅看護実習における「在宅看護の学び」には『生活者への支援』『継続看護と連携』『在宅看護の基本』『在宅看護の多様性』『ヘルスプロモーション』の5つの因子があり、尺度の信頼性が確認された。これらの学びが「看護の統合と実践」に相当する学習内容であるか、学習の機会と学習難易度の結果と関連させて検討した結果、不十分ではあるが内容を含んでいると解釈できた

    在宅看護実習の学びの構成

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    看護基礎教育カリキュラムが改定され、在宅看護論は統合分野に位置づけられた。今後、在宅看護学の学習内容をいかに効果的に組み立てるか検討する必要がある。本研究は現状の在宅看護実習の学びの構成内容を明らかにし、統合分野としての在宅看護学における教育内容を構築するための資料とする目的で行った。KJ法により学生の在宅看護実習記録を分析・整理し、学びの構成要素を明らかにした。在宅看護実習の学びとして、生活の視点を主とした「訪問看護の学び」や「地域における保健福祉活動」、「看護専門職の姿勢」の構成内容が明らかとなった

    テレビ会議システムによる3地点同時遠隔看護講義の試みと評価

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    テレビ会議システムによる3地点同時遠隔看護講義を試み、その評価をした。運用する際に、音声と映像に関して、2地点接続の場合とは異なる困難性があり、今後に課題を残した。一部の受講者から、臨場感についての不足の指摘されたが、多地点で同じ講義を受講できることは、学生間の共通意識や看護職者としての連帯感を生じさせるのに大きな効果があった。さらに情報処理機能を十分に活用した遠隔教育は、将来の教育システムそのものを変革する可能性があることを指摘した
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