12 research outputs found
大量カルバマゼピン投与中止により退薬症状を生じた1症例
雑誌掲載版27歳男.22歳時に食事,歯磨きを誘因とする短時間の電撃痛が左下顎神経領域に出現し,三叉神経痛と診断された.神経ブロックを施行されたが疼痛改善は得られず,手術療法を希望したが,三叉神経の圧迫所見が認められないことから手術適応はないと判断した.入院当初はカルバマゼピン(CBZ)を服用したが,ブロック後,疼痛が消失したため,CBZを中止した.しかし,退薬症状を生じ,CBZ200mg/日内服を再開したところ,症状の緩和が認められた.CBZ内服3日後,指趾の痺れが残存するためCSZ400mg/日に増量した.内服再開6日後に痺れ,悪寒が完全に消失したため,CBZを減量し9日後に内服を中止した.その後,三叉神経痛および痺れなどの症状の再発は認められな
【がん性疼痛管理】 特殊な方法 転移性脊椎腫瘍に対する経皮椎体形成術
雑誌掲載版近年,椎体破壊による疼痛に対する新しい治療法として注目されてきているのが経皮的椎体形成術で,椎体に起因する体動時疼痛除去および病的骨折予防として期待され徐々に拡まってきている.この治療法は経皮的に疼痛の原因となっている椎体を穿刺し,骨セメントなどを注入する低侵襲の治療であり,また,施行直後より極めて優れた疼痛除去と骨補強が期待される.ここでは転移性骨腫瘍に対する経皮的椎体形成術の適応,方法,および効果を解説し,われわれの症例を提示す
硬膜外ブロック時の硬膜誤穿刺例の検討ならびに頭痛予防に対するベタメタゾン加生理食塩水注入法
出版社版5年6ヵ月間に外来で行った腰部硬膜外ブロック時の硬膜誤穿刺例の検討を行った.硬膜の誤穿刺は硬膜外ブロックを受けた患者総数5474名に対して32名に発生していた.延べ回数では26569件に対して71件.一度,硬膜の誤穿刺が生じた場合,再度誤穿刺を繰り返すことが多いと思われた.同時に当院で行っている,硬膜穿刺後疼痛を予防する為の硬膜外腔ベタメタゾン加生理食塩水注入法についても検討した.この方法では,硬膜穿刺後頭痛の発生頻度は4.1%であり,諸家の報告に比し明らかに頭痛の発生頻度は少ないと思われ
末梢性顔面神経麻痺の予後及びMRI所見
出版社版1)末梢性顔面神経麻痺新鮮例21例の顔面麻痺スコアによる予後解析を行った.治療開始20日目のスコアが20点以上のものは比較的短期間で麻痺の回復が認められた.一方,20点未満のものは麻痺が遷延すると推測された. 2)造影MRI所見と予後との関連は認められず,MRI所見より予後を推測することは不可能と考えられ