47 research outputs found

    Study on the Volume Dependence of Ceramics Uniaxial Compressive Strength

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    水中ロボットなど海中機器で使用される耐圧容器は、軽量・高強度で海水による腐食に強いことが求められる。セラミックスは高い一軸圧縮強度を持ち、腐食にも強いことから、耐圧容器の素材として有望であるが、引っ張り強度が低いため、これまで耐圧容器の素材としてほとんど利用されてこなかった。そこで、筆者らは現在セラミックス耐圧容器の開発を進めている。開発では、まず有限要素法解析による応力解析と小型のセラミックス耐圧容器による水圧試験によりその構造を決定し、その後、実機大の耐圧容器を製作する。 一方、セラミックスの引っ張り強さには体積依存性が存在するが、圧縮強さには体積依存性がないと言われている。しかし、圧縮強さの体積依存性については、明確なデータが見当たらない。体積依存性が存在する場合、耐圧容器を大型化する場合に、圧縮強度の体積依存性を考慮する必要性が生じる。そこで、筆者らは、寸法がことなる複数の試料を用いてセラミックスの一軸圧縮試験を行い、圧縮強さの体積依存性を検証した。 JIS R1608では直径5mm 長さ12.5mm の試料を用いて一軸圧縮試験を行うことが規定されている。筆者らは、まずこの試験方法に基づいて一軸圧縮試験を行うと共に、有限要素法解析を行った。材料はアルミナセラミックスA479(京セラ)とした。その結果、試験片には大きな引張り応力が発生し、破壊の原因となっている可能性が高いことを確認した。そこで、Fig. 1とFig.2 に示す2種類の形状のダンベル型試料(Dumbell-IとDumbell-II)について有限要素法解析を行い、引張り応力が十分小さくなることを確認した。また、ゲージ部(試験片中央の最小径部)周辺の最小主応力分布に圧縮応力の応力集中が見られないこと、試料を挟むアンビルとの接触面に異常な応力集中が見られないことも確認した。次に、ゲ?ジ部直径2.72mmから6.13mmまでの7種類の試料を作製し、一軸圧縮試験を行った。圧縮試験機の中心軸と試料の中心軸がずれると測定値に誤差が生じることが事前の実験で確認されていたので、専用の治具を用いてその中心軸を一致させた。その結果、一軸圧縮強度の体積依存性は仮に存在する場合にもその値は小さいことを確認した。(Fig. 3)また、測定値はJIS R1608 による測定値と比較して1.5倍程度高くなると共に、バラツキも極めて小さくなることを確認した。これらの差の原因は、円柱試料では試験片に生じる引張り応力が破壊を引き起こすためと考えられる。また、I型とII型で若干の差が見られるが、製造時期が異なるので、製造ロッドの差が原因となっている可能性が考えられる。これらの実験から、小型耐圧容器を用いて水圧試験を行うことにより、その数倍の大きさの耐圧容器の耐圧特性を評価することが可能であると考えられる。日本セラミックス協会2015年年会(2015年3月18日~20日, 岡山大学津島キャンパス

    Development of a Ceramics Pressure-tight Housing for Super-deep-sea Self Pop-up Ocean Bottom Seismometers

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    日本列島を取り囲むプレート境界周辺では、周期的に巨大な大地震が発生する。これらの地震による被害を低減するためには、地震の本質を理解し、その発生時期、発生確率、規模等を推測することが重要である。  プレート境界の大部分は海底下に存在する。その構造を探査するために、エアガン等で人工的に地震波を発生させ、その屈折波を海底面状上に配置した自己浮上式海底地震計で検知・記録することが行われている。この自己浮上式海底地震計は、図1に示す耐圧容器内部に地震計、記録装置、電池等を配置し、図2に示すハードハットと呼ばれるカバー内に収容される。耐圧球は2つの半球からできている。半球と半球の接触面は、自己融着ゴムでシールされる。自己浮上式海底地震計は母船から海底に投下される。海底に着底後、一定の期間海底地震を観測し、内蔵の記録装置に記録する。観測終了後、母船から送られる音響信号により重りを切り離し、海面に自己浮上する。そのため、耐圧容器は軽量であることが重要である。 一般に、自己浮上式海底地震計用耐圧容器には、直径17インチのガラス球が使用されている。しかし、このガラス球の実用的な適応最大水深は6,000m である。そのため、東北地方太平洋沖地震が発生した日本海溝(最大水深約8,000m)には、これまで海底地殻構造探査の空白域があった。 一方、セラミックスは金属に比較して高い圧縮強度を持ち、海水による腐食にも強いなど、耐圧容器の材料として魅力的な特長を持っている。しかし、引っ張り強度が低いために、金属容器に使われる耐圧容器設計方法をそのままセラミックスに適応することができない。そのため、これまでセラミックスは耐圧容器としてあまり使われてこなかった。 筆者らは、これまでセラミックス耐圧容器の研究・開発を続けてきた。ここで紹介するセラミックス耐圧容器は、自己浮上式海底地震計への応用を目指したものである。すでに、このセラミックス耐圧容器を利用した7台の超深海型自己浮上式海底地震計が製作され、日本海溝周辺の海底地殻構造探査に利用されている。 セラミックス耐圧容器には、通常外部機器と内部の電子機器を接続するために、水中コネクタ用貫通孔が設けられる。この貫通孔周辺には、圧縮応力の応力集中と引っ張り応力が発生する。これらの影響を低減するため、筆者らは、図3に示すように、貫通孔周辺を補強する方法を開発した。その形状は、有限要素法による応力解析と水圧試験で確認した。適応水深は11,000mで世界の大洋の全てに適応可能である。日本セラミックス協会2015年年会(2015年3月18日~20日, 岡山大学津島キャンパス

    Development of Ceramic Pressure-tight Housings with Metal Caps

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    セラミックスは金属に比較して高い圧縮強度を持つとともに海水による腐食にも強いなど、耐圧容器の材料として魅力的な特長を持っている。しかし、引っ張り強度が低いために、金属容器に使われる耐圧容器設計方法をそのままセラミックスに適応することができない。そのため、これまでセラミックスは耐圧容器としてあまり使われてこなかった。本講演では、金属蓋とセラミックス円筒を組み合わせた耐圧容器の新しい設計方法を示し、有限要素法解析と小型耐圧容器を用いた水圧実験により、その有効性を示す。 一般に耐圧容器には、外部の機器と耐圧容器内部の電子機器を接続するために、水中コネクタ用の貫通孔が設けられる。この貫通孔周辺には圧縮応力の応力集中が発生すると共に、引っ張り応力も発生する。これらの応力を許容値以下にするために、同時に報告する「超深海型自己浮上式海底地震計用セラミックス耐圧球の開発」で述べるように、貫通孔周辺には細心の注意を払う必要がある。しかし、半球蓋の重量は円筒に比較してそれほど大きくない。そのため、俵型耐圧容器の場合には、蓋を設計と加工が容易な金属で作ることに、大きなディメリットはない。一方で円筒容器をセラミックスで作ると、金属に比較して大幅な軽量化が見込まれる。例えば、窒化珪素で直径300mm、長さ1000mm、耐圧60Maの円筒を作ると、その重量はチタン合金製円筒のおよそ半分になる。水中機器では、水中重量を軽減したり中性にすることがしばしば要求されるため、この円筒容器の重量低減は、大変魅力的である。 金属蓋とセラミックス円筒を持つ耐圧容器を実現する際の課題の一つは、その接触部分に発生する応力集中と、引っ張り応力である。筆者らは、金属蓋とセラミックス円筒間の摩擦係数を低減することにより、これらの応力が低減することを有限要素法解析により確認し、その後水圧試験でその有効性を確認した。 Fig.1 はその構造を示したものである。素材はアルミナセラミックスA479(京セラ)とアルミ合金A7075-T6を用いた。アルミ合金の表面はタフラム処理を施し、耐食性を高めると共に、摩擦係数を低減している。セラミックス円筒の長さは、その製造設備により制限される。そこで、より長尺の円筒が必要な場合を想定して、接続リングで円筒同士を接続することを試みた。接続リングも蓋と同じアルミ合金で製作した。最大耐圧は60MPaとした。水密は、Oリングで確保している。この耐圧容器は基礎実験用に作製したため、蓋と円筒の固定はテープで行っている。実用化する場合には、内部構造等を利用して、蓋と円筒を固定する必要があるが、それほど困難ではない。水圧試験は最大60MPa で7回の繰り返し加圧を行ったが、剥離やチッピング等の異常は全く確認されなかった。日本セラミックス協会2015年年会(2015年3月18日~20日, 岡山大学津島キャンパス

    Small-sized model for Pressure-tight Ceramic Housings with an Elongated Ceramic Cylinder

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    We propose a simple design method of a ceramic pressure-tight housing having an extended length of cylinder and metal caps. Ceramics have higher compressive strength and lower specific gravity than typical metals. Moreover, they are free from erosion by seawater. For that reason, we can produce light pressure-tight ceramic housings that have good durability for deep-water applications. The proposed ceramic housings have greater buoyancy than metal housings. We also propose a simpler design method of metal caps. We confirmed its validity through Finite Element Method (FEM) analysis and hydraulic pressure tests using small-sized ceramic housings with metal caps.Date of Conference: 10-14 June 201

    往還型深海TVカメラシステム「江戸っ子1号」開発プロジェクトの概要と実海域(水深7,800m)試験結果

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    「江戸っ子1号」プロジェクトの始まりは,葛飾区の小企業「杉野ゴム化学工業所」の杉野社長が「深海」を調査することのできる無人探査機(有索ROV)をつくりたいという発案だった。2009年にJAMSTECにアドバイスを求めたが、ROVの開発は、資金的・技術的にも無理であることがわかった。代案として、1978年頃にJAMSTECが研究していた「フリーフォール型ガラス球深海カメラ」の技術を応用し、さらに最新の電子技術を適用すれば、廉価に簡単で確実なシステムが実現できることが示された。このカメラは、海面から海底まで錘の自重で自由落下し、餌によって生物をおびきだし、予め設定しておいた時間撮影した後、錘を捨てて、再び海面に戻ってくる単純なシステムである。大きな特徴は、耐圧容器に市販(米国、ドイツ製)のガラス球を使うことにより、深海における最大の課題である高圧力の問題を回避できることである。そのため、カメラやライトなどは、中小企業の優れた技術力を結集することにより実現できると考えたのである。この提案を受け、新たな参加企業を募り、中小企業各社(杉野ゴム化学工業所、浜野製作所、パール技研、ツクモ電子工業)が参加した。また、コーディネータとして参加した東京東信用金庫が大学に働きかけ、JAMSTECの他に芝浦工業大学、東京海洋大学が参加して、「江戸っ子1号開発プロジェクト委員会」が発足した。その後、2011年に岡本硝子工業やバキュームモールドも参加し、JAMSTECの実用化促進プログラムにも採用され、プロジェクトが一気に動き出した。「江戸っ子1号」の目的は、水深8,000mで深海魚の3D動画を撮影するということであり、その実現に向けて各社と大学の作業が始まった。 まず、システムの中核となる耐圧ガラス球は、外国製を凌駕する性能のものが国産化された。さらに、市販の機器(3DカメラやLEDライトなど)を組み合わせ、円滑に動作させるために中小企業各社がその技術力を結集した。最終的に完成したシステムは、左下図のようなものであり、各々のガラス球間を特殊なゴム(大学が担当)により無線LANで繋ぐことで撮影時間などを制御できるようにした。本システムは、小型軽量であるため漁船でも投入でき、撮影終了後、音響コマンドにより錘を切離し、海面に浮上して衛星にGPSによる位置を通報し回収される。実験機は、漁船による相模湾での試験を経て、2013年11月に「かいよう」により日本海溝の水深4,000mと7,800mの海底に投入された。3機の「江戸っ子1号」は、設定されたスケジュールどおり投入から数時間から2日後に無事回収された。機器は完全に作動し、記憶メディアには、無数の世界最深部と思われる魚類(シンカイクサウオの仲間1種)ヨコエビの仲間(3?5種)が流れの方向から集まってくる様子などが、鮮明な3D動画として長時間記録されていた。 なお、本プロジェクトに対し、異業種の中小企業や大学、研究機関が共同で一つの目標を達成したことが評価され「第43回日本産業技術大賞・審査員特別賞」や「産学官連携功労者内閣総理大臣賞」などが授与された。更に2014年後半からは、岡本硝子(株)を中心としてカメラ本体の商品化や耐圧ガラス球の販売などを行うための事業化も始まった。我々は、これらのことから本プロジェクトは、実用化展開促進プログラムの目的を充分に果たしたと考えている。BE15-30講演要旨 / ブルーアース2015(2014年3月19日~20日, 東京海洋大学品川キャンパス)http://www.godac.jamstec.go.jp/darwin/cruise/kaiyo/ky13-e05/

    長期定域観測用水中グライダーの着底スリープと浮遊スリープ実験

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    BE17-38講演要旨 / ブルーアース2017(2017年3月2日~3日, 日本大学理工学部駿河台キャンパス)http://www.godac.jamstec.go.jp/darwin/cruise/kairei/kr16-17/ehttp://www.godac.jamstec.go.jp/darwin/cruise/natsushima/nt15-09/

    Development of a Super-deep-sea Self Pop-up Ocean Bottom Seismometer using a Ceramic Pressure-tight Housing

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    We have developed a Super-deep-sea self-popup Ocean Bottom Seismometer (SDOBS) that can be deployed to the ocean floor up to 9,000 m depth. Because the maximum applicable water depth of a conventional self-popup Ocean Bottom Seismometers (OBS) is 6,000 m, some areas have remained inaccessible to seismic surveys, such as the deep part of Japan Trench, where the Great East Japan Earthquake occurred in 2011. Using a ceramic pressure-tight sphere, we were able to develop a SDOBS that has almost identical size, weight, and buoyancy to those of a conventional self-popup OBS using a glass sphere. Regarding the acoustic transponder, which is a key device for the development of SDOBSes. We heighten the transmitting acoustic level of an existing acoustic transponder to raise the positioning accuracy. Detailed results of sea tests conducted to evaluate the acoustic transponder performance are described herein. We used the same built-in seismometers, recorders, batteries, and other equipment as those used for conventional OBSes. We also report that by improving the test procedures, we were able to heighten the measurement accuracy of the uniaxial compressive strength of ceramics, which are important parameters to determine the applicable hydraulic pressure. We have developed seven SDOBSes to date, and have deployed 18 SDOBSes cumulatively for seismic surveys in the Japan Trench and Ryukyu Trench

    水中グライダーによる海洋観測の展望

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    海洋理工学会平成28年度秋季大会(2016年10月27日~28日, 京都大学楽友会館)http://www.godac.jamstec.go.jp/darwin/cruise/kairei/kr16-07/

    9000m級550mmφセラミックス耐圧容器の開発

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    アルミナセラミックスを用いて、9,000mの水深で利用可能な球型耐圧容器を開発した。外径/内径/空中重量/水中重量はそれぞれ547mm/530mm/58kg/-30kgである。セラミックスはガラスと同様に脆性材料であるが、開発したセラミックス耐圧球は高い信頼性を持っている。海洋調査技術学会第24回研究成果発表会(2012年11月8日~9日, 海上保安庁海洋情報部

    Small and Strong Ceramic Pressure-tight Housing with Metal Caps

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    セラミックスは,金属と比較して高い圧縮強度を持つため,大水深用の軽量高強度耐圧容器の素材として有望である.特に,深海用水中ロボットでは,浮力材の必要量を低減するために,耐圧容器の比重を小さくすることが求められる.セラミックスを用いることにより,金属製耐圧容器に比較して,軽量な耐圧容器を作ることができる.しかし,セラミックスの引っ張り強度が圧縮強度の数分の一であることと脆性材料であることから,金属製耐圧容器の設計方法をそのままセラミックスに適応することができない.そのため,セラミックスは耐圧容器としてこれまで一部にしか利用されてこなかった.Fig. 11) は代表的なセラミックスと金属の圧縮強度と引っ張り強度を比較した図である。 筆者らはセラミックス円筒と金属蓋をもつ耐圧容器の新しい設計方法を考案し,有限要素法解析と小型耐圧容器による水圧実験により,その設計方法を確認した.この耐圧容器は,従来の俵型セラミックス耐圧容器と比較して,簡素な構造を持つだけでなく,組立なども容易になる.以下にその概要を報告する.日本船舶海洋工学会平成26年秋季講演会(2014年11月20日~21日, 長崎ブリックホール)にて講演 / 論文番号: 2014A-GS10-
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