38 research outputs found

    新規カルボキシペプチダーゼgp180の構造と機能

    Get PDF
    カルボキシペプチダーゼgp180は、DHBVエンベロープと結合する宿主の蛋白としてダック肝細胞から我々により初めて同定された。しかし、この酵素の本来の生体内での機能に関してはわかっていない。gp180の機能と構造について理解するため、我々は、まず、ヒトとマウスのgp180cDNAをクローニングし、その一次構造を解析、比較した。ダックgp180は、カルボキシペプチダーゼHのサイズの約3倍で、カルボキシペプチダーゼとホモロジーのある3個のドメインがN末端からC末端にかけて配列している。ヒトとマウスから得たgp180DNAは、各々1380および1377個のアミノ酸をコードしていた。ダックgp180同様、ヒトおよびマウスのgp180は、3個のカルボキシペプチダーゼドメインを持っていた。ヒトgp180とマウスgp180の全アミノ酸配列のホモロジーは、91%あり、また、マウスとダック間では、77%であった。各ドメインについても、種間の相同性は、同程度であった。ダックgp180は、ドメインAとBの触媒部位、Znおよび基質結合部位がよく保存されているのに対して、ドメインCでは失われている。このような特徴は、ヒトやマウスgp180にも共通していた。ドメインCには、酵素活性がないかもしれない。これらの結果から、gp180遺伝子は、これらの種の分化以前にタンデムに複製されたものと推定される。gp180の55アミノ酸からなる細胞質ドメインは、ヒトとマウスで100%、ダックとで95%と種間でたいへんよく保存されている。このドメインは、gp180の酵素活性あるいは細胞内局在性に重要な機能を担っているものと思われる。Carboxypeptidase gp180 is a membrane-associated protein initially identified by us in duck hepatocytes on the basis of its ability to bind DHBV envelope proteins. However, we do not know the normal biological function of this enzyme in the uninfected host. To understand the nature of gp180, we have cloned human and mouse gp180 cDNAs and compared their amino acid sequences.Duck gp180 is about 3 times the size of carboxypeptidase H,but homologies to the basic carboxypeptidases can be found throughout the protein, in a fashion that indicates that gp180 is actually a head-to-tail array of carboxypeptidase homology domains.gp180 DNAs from human and mouse encode a protein of 1,380 and 1,377 amino acids, respectively. Similar to duck gp180, both human and mouse gp180 array three carboxypeptidase domains. The overall identity of human gp180 is 91% with mouse gp180, and that of mouse gp180 is 77% with duck gp180. The identities of domains A,B and C between these species are similar. Both domains A and B of them have conserved the residues known to reside at the carboxypeptidase catalytic center as well as the residues involved in zinc and substrate binding. On the other hand, domain C of them lacks these conserved residues. Domain C may be lost carboxypeptidase activity. These suggest that the gene for gp180 may have evolved by tandem duplication of ancestral carboxypeptidase coding sequence before the evolution of these species. We note that cytoplasmic domain of human gp180 displays amino acid sequence identities of 100 and 95% with mouse and duck gp180, respectively. This highly conserved cytoplasmic domain may play an important role in the function and/or cellular localization of gp180.研究課題/領域番号:07680679, 研究期間(年度):1995-199

    カルボキシペプチダーゼgp180の機能と構造

    Get PDF
    ダックB型肝炎ウィルス(DHBV)エンベロープ蛋白質(DHBVpreS)と特異的に結合するダック由来の新規カルボキシペプチダーゼgp180の全アミノ酸一次構造を推定できた。gp180は、1389個のアミノ酸からなる膜結合性糖蛋白質であり全アミノ酸配列を3分割するようにカルボキシペプチダーゼドメインを配列している。gp180全体のおよそ10%が細胞表面に局在する。作成した各種gp180欠失変異体とDHBVpreSとのbinding assayから、この結合ドメインはgp180C末端側、3番目のカルボキシペプチダーゼドメインにあることがわかった。また各ドメインの酵素活性については、現在検討中である。DHBV感染におけるgp180の機能を探るため、gp180導入細胞株を樹立しDHBV感染実験を行った。DHBV粒子はgp180発現細胞株ひよく吸着するが、培養14日後もDHBVの増殖は認められなかった。gp180は、DHBV感染の初期、細胞表面へのウィルス粒子の吸着に関わっているものと推察される。DHBV感染過程におけるgp180の機能、gp180の存在様式を明かにする目的で、抗gp180抗体を各種作成した。まだDHBVpreSとgp180の結合を阻害するような中和抗体は得ていないが、抗gp180抗体を使ったWestern解析、ニワトリgenomic DNAのSouthern解析からニワトリgp180の存在を示唆する結果を得た。gp180のカルボキシペプチダーゼドメインがtriplicateしたユニークな構造は、ダックに特異的なものではなく生物種を越えて普遍的に存在しているように思われる。また、抗gp180抗体を使ったWestern解析からgp180は、各ドメインがプロセッシングされることなく機能しているものと推察された。We have described a 180 kDa host cell glycoprotein (gp 180) that bound DHBV particles. From the sequence of gp 180 cDNAs and genomic DNA,gp 180 consists of 1389 amino acids and is actually a head-to-tail array of three carboxypeptidase homology domains. Less than 10% of total gp 180 were localized on the cell surface.The binding assay of gp 180 deletion mutants to DHBV envelope protein (preS) shows that preS binds on the third carboxypeptidase domain (domain C) of gp 180. The assay of carboxypeptidase activity of each domain is progressing.To know the function of gp 180 on the entry pathway of DHBV,the cell lines expressing duck gp 190 were established by the transfection of plasmid DNA habroring gp 180 DNA and neo gene. DHBV particles adsorped on these cells. But we could not detect the proliferation of DHBV in the cells. These results indicate that gp 180 may act on the early atage of DHBV infection.To know the function of gp 180 on the entry pathway of DHBV and the distribution of gp 180, anti-gp 180 antibodies were prepared from rabbits and mouse. These antibodies could not block the binding of gp 180 to DHBV preS.We are progressing to make the neutralizing antibodies of gp 180 to preS.We could not detect processed products of gp 180 by the western analysis using anti-gp 180 antibodies. gp 180 may act as an intact from. The presence of chicken gp 180 was determined by the western analysis and by the southen analysis. This fact suggests that unique structure of gp 180 is not specific to duck. gp 180 may widely distribute in vertebrates.研究課題/領域番号:05808056, 研究期間(年度):1993-199

    新規ヒトカルボキシペプチダーゼgp180の構造と機能

    Get PDF
    金沢大学がん研究所ダックB型肝炎ウィルス粒子と特異的に結合する宿主膜蛋白質として発見されたgp180は、N末端側にカルボキシペプチダーゼドインを3個(N末端よりドメインA、BおよびC)タンデムに配列し、またC末端側に膜貫通領域、55残基からなる細胞質領域をもつユニークなアミノ酸一次構造をした新規蛋白質である。本研究では、gp180の構造と機能を理解するため、ヒトgp180(Hgp180)を対象にカルボキシペプチダーゼ活性と細胞質領域の機能について解析した。本研究を進めるにあたり、まずHgp180検出のためのモノクローナル抗体の作製を試みた。この結果、Hgp180ドメインAに特異的に結合する3つのモノクローナル抗体が得られた。そのうちのひとつ、抗体6-2-3は、Hgp180ドメインAのN末端側109〜137番アミノ酸配列内にエピトープマッピングされた。Hgp180を強制発現させた293T培養細胞の粗抽出液を用いた酵素活性の測定実験により、Hgp180がカルボシキペプチダーゼとして機能することを初めて証明した。また、Hgp180のカルボキシペプチダーゼ活性は、1、膜貫通領域を必要とするが、細胞質領域はいらない、2、ドメインAB領域でドメインCは不必要である、3、3つのドメインのうち、ドメインBのみ活性をもつことがわかった。gp180、は、その95%以上が細胞内に局在する。そこで、この細胞内局在性とHgp180細胞質領域との機能相関について、細胞質領域の各種変異体を作製し検討した。その結果、細胞質領域N末端側アミノ酸残基1334〜1344番が細胞内局在に重要であることがわかったが、そのシグナルは新規の配列であった。研究課題/領域番号:09267216, 研究期間(年度):1997出典:研究課題「新規ヒトカルボキシペプチダーゼgp180の構造と機能 」課題番号09267216(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-09267216/)を加工して作

    ダックB型肝炎ウイルスレセプター;B型肝炎ウイルス感染のモデルとして

    Get PDF
    金沢大学がん進展制御研究所ダツクB型肝炎ウィルス(DHBV)の宿主レセプターgp180について以下の知見を得た。(1)DHBV初期感染におけるgp180の役割を理解するため、gp180上のDHBVpreS結合領域を決定した。ヒト・ダックgp180キメラを各種作製し、DHBVpreSとのbinding assayを行った。その結果、すでにニワトリ・ダックgp180キメラとのbinding assayから得られていたC末端側サブドメイン内の結合領域の他に、N末端側カルボキシペプチダーゼドメインに結合領域があることがわかった。(2)ダックgp180ドメインCのC末端側サブドメイン内のアミノ酸Tyr1250が、DHBVpreSとの結合に重要である。アルカリフォスファターゼ等の処理によってもgp180のpreSに対するアフィニティに変化はないことからこのアミノ酸残基への修飾は、preS結合に関与しないと結論した。(3)ダックgp180を強制発現させた293T細胞の粗抽出液を用い、多量のDHBVpreS存在下、FA-Ala-Lysを基質としてカルボキシペプチダーゼの活性を測定した結果、DHBVpreSの結合は、gp180の酵素活性に影響を与えないことがわかった。また、DHBV感染に関わる第二の宿主因子をダック肝臓cDNA発現ライブラリィより単離するための簡便で効果的な方法として、セレクティブマーカーとなるGFP DNAをウィルスゲノムに組み込んだDHBVウィルスベクターを構築した。研究課題/領域番号:11138224, 研究期間(年度):1999出典:「ダックB型肝炎ウイルスレセプター;B型肝炎ウイルス感染のモデルとして」研究成果報告書 課題番号11138224(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11138224/)を加工して作

    ダックB型肝炎ウィルスレセプター: B型肝炎ウィルス感染のモデルとして

    Get PDF
    金沢大学がん進展制御研究所ダックB型肝炎ウィルス(DHBV)は、B型肝炎ウィルスで唯一in vitro感染系が確立されたウィルスであり、B型肝炎ウィルスのモデル系として分子生物学的にもっともよく理解されているウィルスである。我々は、B型肝炎ウィルスの感染機構のモデルとしてDHBVを対象に研究を進めている。最近、我々はレセプター候補としてユニークな構造上の特徴をもつ新規の膜結合性カルボキシペプチダーゼを発見し、gp180と命名した。ダックB型肝炎ウィルス(DHBV)のエンベロープ(preS)と特異的に結合する宿主膜蛋白質gp180について以下の知見を得ることができた。1. DHBVエンベロープ蛋白質(preS)は、gp180上にタンデムに配列した3個のカルボキシペプチダーゼ様ドメインのうちCOOH末端側の領域(ドメインC)と特異的に結合するが、このドメインには、アルボキシペプチダーゼ活性がない。2. DHBVpreSは、ダックgp180ドメインCのCOOH末端側領域に結合する。3. ダックgp180ドメインC内のThr^とTyr^が、DHBVpreSとの結合に重要。4. DHBVpreSは、ヒトgp180とはまったく結合せず、ニワトリgp180との親和性もあまりない。5. gp180は、DHBV粒子の細胞へのadsorption、internalizationに機能する。研究課題/領域番号:10151215, 研究期間(年度):1998出典:「ダックB型肝炎ウィルスレセプター: B型肝炎ウィルス感染のモデルとして」研究成果報告書 課題番号10151215(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-10151215/)を加工して作

    (α, δ)-Neighborhood for Functions Associated with Sǎlǎgean Differential Operator and Alexander Integral Operator

    Get PDF
    Abstract By using Sǎlǎgean differential operator and Alexander integral operator for analytic functions f (z) with f (0) = 0 and f (0) = 1 in the open unit disk U which are the inverse operator each other, a generalized operator combining the both operators is introduced. Defining the class of (α, δ)-neighborhood for analytic functions with the generalized operator, some interesting properties for (α, δ)-neighborhood are discussed. Mathematics Subject Classification: 30C4

    Biogenesisi of liver-specific microRNA, miR-122

    Get PDF
    Division of Biolog
    corecore