4 research outputs found
精神科病院における朝顔栽培の取り組みとその効果
今回、A施設が開発中の朝顔栽培のプログラムに沿ってB精神科病院にて朝顔栽培の取り組みを行い、園芸作業前後の対象者の気分の変化について調査した。調査はB精神科病院C病棟に入院中で研究協力の説明を受けた後、同意が得られた患者20名を対象とし、フェイススケール(気分最高5点~最悪1点)を用いて行った。その結果、初回を除き、2回目以降の園芸作業において有意に値が上昇しており、リラックス効果が得られていた。また、対象者自身が、朝顔栽培に興味を持ち、楽しみながら育てることができ、朝顔栽培を通して、愛他性、責任感が芽生え、忍耐力・持続力の増強、自尊心の向上、人の役に立つという有用感の体験につながった
精神疾患患者による朝顔栽培への参加継続要因の検討
精神科病院に入院中の精神疾患患者38名を対象に、フェイススケールを用いて園芸作業による気分の変化の調査、および参加観察を行った。園芸作業への参加継続群と非継続群を比較した結果、継続群は“園芸作業が気分の安定に効果的な群”、非継続群が“園芸作業が気分の安定に効果的でない群”であることが明らかとなった。継続群、非継続群の結果より、朝顔栽培への参加が継続できない要因は、精神症状が安定していないことが考えられた。また、参加継続要因は、精神症状が安定していること、朝顔の成長を予期できること、やりがいを見いだせること、他者との集団行動がとれること、前年度から継続して参加していることの5点であると考えられた