31 research outputs found

    一様流中で回転する円柱のまわりの流れ

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    一様流中で自身の軸を中心として一様回転を行う円柱のまわりの流れをアルミ粉法および電解沈殿法により調べた. 主な実験結果は次のとおりである. (1) 流脈が円柱表面から離脱する点を剥離点と定義するのが最も合理的である. (2) 剥離は三次元的に行われる. (3) 三次元的に剥離した流脈は円柱近傍の一つのよどみ点を通過して後方へ流れ去る.1. 緒言 / 2. 実験装置と実験方法 / 3. 実験結果 / 謝

    船首くび飾り渦

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    一般に航行中の船舶からは多数の渦糸がほとんど平行して長く後方に尾を曳いているのが普通である。その中で一番外側の禍糸は船首を取り囲んであたかも首飾り状を呈するので"船首くび飾り禍"と呼ぶことにする。この船首くび飾り渦は船首前方の水面の跳水視象の結果発生するもので, Froude数によって支配され, Froude数が大きいほどまた船首の形がずんぐりしているほど強く現われる。これに反し,境界層の3次元剥離の結果として船底彎曲部から発生する剥離渦の方はReynolds数のみによって支配され,船首くび飾り渦とは全く異なる種類の渦である。船首くび飾り渦は大きなエネルギー損失を伴うので船にとって好ましくない存在であると考えられる。なお船尾からも船首くび飾り禍と同様の跳水禍が発生するが渦の強さは一般に船首くび飾り渦よりも弱い。§1 緒言 / §2 小型模型船実験 / §3 実船観測 / §4 議

    船の剥離渦 : Ⅰ

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    船底彎曲部附近から発生する剥離渦をフロービジュアリゼイションにより観測した.多くの場合,船体表面に斜めの剥離線が現われ,そこから渦層が後方へ吐出される.渦層の端は直ちに巻込んでスパイラル状になり,その部分に渦度が集中して渦糸を形成する.表面の曲率の方向により,渦層が水中に両端を持つ場合と一端のみを持つ場合の二種類がある.一つの船でもこの二種類の渦層が単独にあるいは同時に数個所に発生して多数の剥離渦を伴なうことが多い.これらの主流方向に軸をもつ渦糸は死水領域を伴なわない.船体後部には, これらの渦糸の他に,死水領域を伴う剥離が独立に存在することがある.§1 緒言 / §2 実験装置と方法 / §3 実験結果 / §4 実験結果の検

    船の剥離渦 : Ⅱ

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    小型模型船および実船の船体から発生する剥離渦をフロービジュアリゼイションにより観測した.一般に直進時には船首および船尾の船底彎曲部付近で3次元剥離が起こり,そこから主流方向に軸を持つ渦糸が後方へ長くのびている.船尾付近にはこの他に死水を伴う剥離が独立に存在する場合が多い.斜航する場合には一定の角度以上では直進時の剥離渦が消えて,内側船側より1本の3次元剥離渦が後方へ流れ出る.スクリュープロペラの回転に基づく流れも渦糸を形成して後方に長く尾を曳くが,船体からの剥離渦とは一般に無関係である.死水を伴わない3次元剥離渦はReynolds数にほとんど無関係であるが,死水を伴う剥離の方はReynolds数に敏感である.模型船と実船の流れとを比較した結果,Reynolds数10^8付近の実船の流れはReynolds数10^の模型船の流れに酷似していることが明らかとなった.§1緒言 / §2実験装置と方法 / §3実験結果 / §4結

    非定常運動を行なう平板まわりの流れ : Ⅱ

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    高レイノルズ数において一様流の中で前端を軸にして回転振動を行なう平板の境界層の振舞いを流れの可視化技術ならびに熟線流速計技術を用いて測定した.振動の片振輻は30°,レイノルズ数の範囲は10^5~10^6, 主な実験結果は次のとおりである.(1)流体は後方へ向かって加速される.(2)前端から剥離渦が周期的に発生,次々と平板に沿って下流へ抑し流される.(3)振動数が低い場合には平板上すべての点において逆流が周期的に発生する.(4)振動数が高い場合には前端付近では逆流が周期的に発生するが,後端付近では流れは常に後方へ向かう.1. 緒言 / 2. 実験装置と実験方法 / 3. 実験結果 / 3.1. 流れ模様 / 3.2. 境界層内速度変動 / 4. 緒

    高レイノルズ数における球のまわりの流れ

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    大型低速風洞を使用して,高レイノルズ数における球の境界層ならびに後流の振舞いを,流れの可視化技術により観察した. / 境界層は,臨界レイノルズ数(3.8x10^5)以下においては前方よどみ点から測って75°の位置で剥離し,その後方に死水領域が形成される.臨界レイノルズ数をこえると,層流境界層は100°付近で一度剥離するが,すぐに117°付近で再付着し,その後方は乱流境界眉となり,最終的には135°付近で剥離する.100°と117゜の間に形成される小さい死水領域(ラミナー・バブル)は,レイノルズ数が10^6をこえると消滅し,屑流境界層は剥離することなしに球の表面上で乱流へ遷移する. / 球の後流は,レイノルズ数10^4~10^5において,球の対称軸を含む平面内で正弦的進行波運動を行なう.波長はレイノルズ数にほとんど無関係に直径の約4倍である.振動面は不規則にたえず向きを変える.臨界レイノルズ数をこえると急に後流は振動しなくなり,2本の安定な縦禍を形成する.さらにレイノルズ数を上げると2本の縦渦は不安定となり,対称軸のまわりを不規則に左右まわりに回転する.1. 緒言 / 2. 実験装置と実験方法 / 3. 実験結果 / 4. 結

    静止から急に一定速度で動き出した楕円柱の揚力

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    楕円柱が一定の迎角で静止から急に動き出したときの揚力の変化を半導体歪みゲージを用いて測定した.実験に使用された楕円柱は長径10cm, 短径5cm, 長さ30cmである.迎角20°および45°, Reynolds数400~8000の範囲で測定が行なわれた. / 運動開始直後にまず衝撃的な高い揚力が現われるが,すぐに減小してほとんど消失した後続いて新しく第二の揚力が急速に増大する.第2の揚力は最大値に到達した後ゆるやかに減小して, やがて一定の定常振動状態に落着く. / アルミ粉法による流れの写真から判断して, 第二の揚力の発生する時期と, 楕円柱後端付近に最初に渦巻が発生する時期とは一致しているように思われる.1.序文 / 2.実験装置と方法 / 3.実験結果と議論 / 4.結

    乱流境界層の大規模な組織的運動の発生機構

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    平板に沿う乱流境界層に2次元の周期的攪乱を加えてその成長の有様をスモークワイヤー法で観察した.その結果,(1)波数が0.1から0.6の範囲の攪乱は下流に向かって増幅されること,(2)波数0.3の攪乱が最も激しく増幅されること,(3)波数が0.6よりも大きい攪乱は減衰されることなどが見出された.本実験により,乱流境界層に現われる大規模組織運動が平均速度分布の不安定性に基づくものであることが明らかになった.1. はじめに / 2. 実験装置と方法 / 3. 実験結果 / 4. 結

    スモークワイヤー法の欠陥

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    スモークワイヤー法は気流を観察するためのすぐれた可視化技術である.しかし,試験物体の前方にスモークワイヤーを張る場合にはその影響で物体まわりの流れが大きく変化するという欠陥がある.今回見出された欠陥はスモークワイヤーに塗られた油が油滴の列を形成し,流れを3次元的にするということである.1. 緒言 / 2. 実験結果と結
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