19 research outputs found
Microsoft Excelにおける2次元フーリエ変換を用いた画像処理法の構築
Microsoft Excelを用いて2次元高速フーリエ変換を行い,空間周波数領域で画像処理する方法の構築を目的とした.検討には,処理対象画像として胸部骨シンチグラム像を,解析アプリケーションソフトにはMicrosoft Excel 2007とImage Jをそれぞれ用いた.なお,Microsoft Excelでの高速フーリエ変換は,処理時間を短縮するためマクロを構築した.その結果,Microsoft Excelでの処理画像は,核医学のデータ処理専用装置のそれとの間に殆ど差が認められなかった.これにより,我々が構築したMicrosoft Excelを用いた画像処理法は,十分に使用可能なことが証明された
インタラクティブ・ポートフォリオの構築
大学のユニバーサル化と学力の低下という現況を打開するには,自律的な学修時間を確保する方法論が必要となる.本学では実践教育を重視しており,学士力を養う時間的余裕があるとは言えない.今回,構築した「インタラクティブ・ポートフォリオ」は教員と学生と保護者が個々の学修状況について,インターネット上の専用掲示板でリアルタイムに連携をとり,その内容を卒業に至るまで記録するとともに,指導中の学修の質を管理するPDCAサイクルを稼働できるシステムである.本報告ではその応答率,対話率,チーム成立率を求め,応答率の変化が期間GPAの変化に与える影響について検証を行った.結果として,チーム成立率が学修効果に直接的に影響しないこと,応答率と期間GPAは相関があり,本システムに学修効果があることが立証できた.また,学生の応答率の上昇を図ることと保護者や学生の正常性バイアスを取り除くことが今後の課題と考えられた
骨梁の画像解析における数理形態フィルタの適用性の検討
骨粗鬆症の診断,予防,そして治療の導入には骨強度の計測が重要である.現在,骨強度の推定法のひとつとして,骨X線写真に写る骨梁像から画像処理による骨梁の構造解析を行い,骨梁の特徴量を求める手法が,種々試みられている.今回我々は,骨梁の特徴量として,骨梁の太さ,長さ,骨梁の面積,骨梁の本数を求める構造解析において,画像処理の過程で,画像の雑音を除去して図形パターンの特徴を2値化画像として抽出する数理形態フィルタの適用が有効であるか否かについて検討した.その結果,骨梁の2次元画像解析では,数理形態フィルタを適用することによって,雑音が除去され,骨梁の特徴が強調された画像を得ることが可能であった.また,特に骨梁の太さの解析では,Opening処理を行うことによって,踵骨骨密度との相関関係が改善されることがわかった
頭部SPECTにおけるステップと連続回転データ収集法の検討 : デジタルファントムによる検討
核医学検査における頭部SPECT検査を想定したステップ回転収集法と連続回転収集法による断層像のサンプリング角度の影響について,デジタルファントムを作成してシミュレーション解析による検討を行った.SPECTの連続回転収集法は,ステップ回転収集法のように検出器移動時の非データ収集というタイムロスが発生しない特徴があるが,標本化定理よりも大きなサンプリング角度を設定すると接線方向への画像歪が増加することが確認された.しかし,標本化定理に基づいたサンプリング角度を採用した場合は,連続回転収集法とステップ回転収集法によるSPECT像の画質がほぼ同等であることから,原理的に感度特性に優れた連続回転収集法を選択する方が良好な結果が得られると考えられた
運動パターンの違いがMR画像に及ぼす影響 : Radial Scanにおける検討
呼吸や血管の拍動などの周期的な動きがある被検体をMRI撮像する場合,画像再構成におけるk-スペースへのデータ充填法にRadial充填を使用すると動きによるボケ(モーションアーチファクト)を減少させることができる.本研究では,運動ファントムを使用してRadial充填の画像のアーチファクト低減効果を確認するとともに,Radial充填における動きの大きさや運動パターンの違いによるアーチファクトの出現特性について検証した.運動幅としては7㎜を超えると像のボケが大きくなり,アーチファクト低減効果は少ないと考えられた.また運動幅が大きい場合,運動距離が同じであっても運動周期に静止周期を含む場合では,ボケ発生の特性が異なることが確認できた.運動ファントムでモーションアーチファクトの検証実験を行う場合には,運動の大きさだけでなく対象の運動パターンを考慮して,実験を行わなければ,臨床上で現れる特性を再現できない可能性があるため注意が必要である
大腸3D-CT検査(CT-colonography)における腸管外病変の検出
大腸疾患患者を対象に大腸3D-CT検査(CT-colonography)を施行し,腸管外病変の検出率,検出された腸管外病変の臨床的重要性の分類および大腸疾患の有無と腸管外病変の関係の3項目について検討した.その結果,対象者112例のうち84.8%の症例に少なくとも1つ以上の腸管外病変を認めた.また,対象例のうち33例(29.5%)にカテゴリーE4(臨床上重要な所見を有する)群に分類される腸管外病変を認めた.そして,カテゴリーE4群のうち大腸内視鏡検査で24例(72.7%)が大腸癌と,4例(12.1%,全例に対する比率:3.6%)が所見なしと診断された.これらのことから,大腸疾患およびその疑いを有する症例にCT-colonographyを施行することは,大腸疾患を有する症例はもとより内視鏡検査で所見なしと診断された症例においても,重大な腸管外病変の早期発見に有用である
MRIにおける呼吸同期撮像法に関する基礎的検討
上腹部MRIの検査では,呼吸運動によってモーションアーチファクトが発生し,読影診断に影響を与えてしまうおそれがある.本研究ではアーチファクトを低減する方法のうち呼吸同期撮像法の特性について基礎的な実験を行った.呼吸同期撮像法では呼吸運動をセンサでモニタリングし,位置変動の少ない呼気相でのみ信号収集を行う撮像法である.模擬呼吸運動させたファントムを対象として信号収集のタイミングと信号収集期間を決定するパラメータであるトリガポイントを変化させて撮像を行った.アーチファクト低減効果を視覚的および画素データを使用したNMSE(Normalized Mean Square Error)を算出することで評価を実施した.結果としてファントムの動きが大きい位相に信号収集期間設定した場合ほど効果が見られず,呼吸運動波形にあったパラメータ設定を行うことが重要であることが確認できた