13 research outputs found

    Aneurysms Located at the Horizontal Segment of the Anterior Cerebral Artery or the Middle Cerebral Artery (前大脳動脈及び中大脳動脈水平部の局在性動脈瘤)

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    雑誌掲載版前大脳動脈水平部(A1)及び中大脳動脈水平部(M1)脳動脈瘤は比較的に稀である.過去15年間に経験した13例の同部位動脈瘤の死亡率,有病率はそれぞれ15%, 38%と他部位の動脈瘤に比較して高値であった.同部位動脈瘤の特徴として,多発性が多く(46%),又,出血した場合脳内血腫を高頻度(33%)に合併することが挙げられる.13例中11例にclippingが行われたが,clippingは穿通枝を温存して終了することはしばしば困難で,特にM1部のものは術中温存したと考えても術後閉塞を示すことがあり,4例に術後穿通枝領域に新たな梗塞巣を認めた

    脳梗塞後遺症に対するニルバジピン(FK235)の臨床効果

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    雑誌掲載版慢性期脳梗塞患者16例に対し,ニルバジピン4 mg/日〜8 mg/日を8週間投与し,自覚症状,精神症候,神経症候,日常生活動作に対する有効性,安全性および有用性を検討した.1)最終全般改善度では「中等度改善」以上が50.0%であった.2)自覚症状全般,精神症候全般の「中等度改善」以上はそれぞれ46.7%,40.0%を示した.3)副作用は1例も認められず,安全性について特に問題はなかっ

    当科における脳梗塞患者の病型分類による検討 脳梗塞一次予防についての文献的考察を加えて

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    雑誌掲載版302名の急性期脳梗塞患者を対象に,病型分類・既往歴・退院時転帰を比較検討し,脳梗塞予防について文献的考察を加えた.各病型で治療法・転帰が異なる為,発症時の的確な病型診断が重要となる.特に,心原性塞栓においては転帰不良となる率が高く,再発防止だけでなく一次予防療法の有効性の確立と,早期普及が必要であ

    症候性M1狭窄の発症様式と脳循環動態

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    雑誌掲載版症候性中大脳動脈(MCA)狭窄患者14例(男12名,女2名,平均60.9±15.8歳)の症状発現様式と血管撮影所見及びsingle photon emission computed tomography(SPECT)の所見からその発症機序について検討した.その結果,血行動態不全は狭窄部位には相関はなく,狭窄度に依存していた.multiple ischemic eventの症例では皮質血流の低下はみられず,その発症機序としてembolismが関与している可能性が示唆された.又,completed strokeの発現には穿通枝領域の血流低下が関与してい

    前下小脳動脈内耳道部動脈瘤の2治験例と文献的考察

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    雑誌掲載版症例1は72歳女性で,回転性眩暈,頭痛を主訴とした.頭部CTで小脳橋角部に強いくも膜下出血(SAH)を認めた.脳血管撮影で左前下小脳動脈(AICA)遠位部に嚢状動脈瘤を確認し,neck clippingを施行した.動脈瘤はAICAヘアピン状屈曲部に発生していた.術後,椎骨動脈撮影で動脈瘤は消失していた.左聴力消失をきたしたが,他の神経症状はなかった.症例2は59歳女性で,頭痛を主訴とした.頭部CTで右後頭蓋窩に優位なSAHを認めた.脳血管撮影で右AICAのmeatal loopに嚢状動脈瘤を確認し,neck clippingを施行した.椎骨動脈撮影で動脈瘤は消失していた.神経学的には右聴力と右末梢性顔面神経麻痺を生じたが,他の神経症状はなかった.術後約1年半を経過し,顔面神経麻痺は著しく改善したが,聴力の改善はない.内耳道内動脈瘤の報告は,症状を症例2を含め8例と稀であり,全例,SAHで発症し,発症時VII,VIII脳神経症状を有し,聴力障害の後遺は非常に高率であっ

    破裂脳動脈瘤急性期手術症例の転帰に及ぼす因子

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    雑誌掲載版脳動脈瘤手術手技や周術期管理の進歩にも拘わらず,くも膜下出血全体の転帰には目ざましい改善が得られていない原因について,破裂脳動脈瘤急性手術を施行した72例の治療成績から検討した.最近のcooperative studyの報告から,対象患者の高齢化が進んでいることを踏まえ,年齢別に重症度,症候性血管攣縮,転帰を検討した結果,70歳を境界とした年齢2群間で入院時重症度に有意差はなかったが,転帰は70歳以上で有意に不良であった.年齢と転帰の間には相関曲線が得られた.よって,mortality,morbidityに関与する要因としては,従来いわれていた遅発性血管攣縮の占める割合は低下しているが,対象の高齢化が負の要因となってい

    北海道北部における脳出血の実態調査 道北脳卒中共同研究4年間のデーターより

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    雑誌掲載版2002年7月1日から4年間に北海道道北脳卒中共同研究に登録された1046名のうち、脳出血患者271名を対象に行った実態調査を行った。平均年齢70.3歳、男女比154:117、入院時平均NIHSSは11.8、3ヵ月死亡率は19.2%、3ヵ月の自立率は32.5%であった。既往症は、高血圧は未治療患者37名を加え72.3%、糖尿病13.7%、高コレステロール血症は12.9%であった。頭部CTにて、出血部位は視床(35.2%)が最も多かった。MRIでは67.5%に出血部位以外に微小出血を認めた。47名が抗血小板薬を服用していた。死亡率は服用群と非服用群に有意差はなかったが、3ヵ月後の転帰良好例は服用群19.1%、非服用群37.3%と、服用群が有意に転帰不良であった。道北では脳出血が未だに脳卒中の中で高い比率を占めていた。脳出血患者では高血圧のコントロール不良、未治療が約30%を占めており、他の脳卒中に比べて割合が高く、住民への啓蒙に加え、医師へも厳格な血圧管理の重要性を喚起する必要があると考えられた

    脳卒中の大規模調査 北海道・道北地域における脳卒中症例の検討 道北脳卒中共同研究3年間のデータより

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    雑誌掲載版北海道・道北地域15市町村を対象に2001年7月1日以降発症の症候性脳血管障害を前向きに登録し、病型・危険因子・転帰・再発率について解析した。2001年7月1日〜2006年6月30日の3年間の登録者数は14施設において792例(男性455例、女性337例、平均全例71.0±12.1歳・男性69.3±12.0歳・女性73.5±11.9歳)で、発症率は4.09(対1000人/年)であった。病型分類分布は脳梗塞64.1%・脳出血26.3%・クモ膜下出血9.3%で、脳梗塞病型別ではラクナ梗塞38.0%・アテローム血栓性梗塞33.7%・心原性脳梗塞18.5%であった。再発は792例中38例(4.8%)で、脳梗塞の年間再発率はラクナ梗塞2.6%・アテローム血栓性梗塞6.9%・心原性脳梗塞13.6%であった。危険因子として高血圧61.0%・糖尿病19.4%・高脂血症15.7%・心房細動11.5%を有していた。以上より道北脳卒中共同研究の3年間のデータでは道北地域の脳卒中は全国調査と比較して脳出血の占める比率が高く、脳梗塞ではラクナ梗塞が未だ高率であった

    頭蓋外-頭蓋内バイパスにて治療した海綿静脈洞部巨大内頸動脈瘤の1例

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    雑誌掲載版61歳女.平成6年,くも膜下出血を発症した.脳血管造影で,破裂左中大脳動脈瘤,左内頸動脈海綿静脈洞部の未破裂巨大動脈瘤を認めた為,中大脳動脈瘤のneck clipping術を施行して,未破裂巨大動脈瘤の経過を観察していた.平成11年になり頭痛を訴えることが多くなり,脳血管造影を再施行したところ,左内頸動脈巨大動脈瘤は最大径32mmとなり,平成6年時に比べて明らかに増大し,中大脳動脈水平部を持ち上げ,前回手術時のclipに接する迄になっていた.前回手術時に浅側頭動脈が切断されており,浅側頭動脈-中大脳動脈吻合の作成が不可能であった為,頭蓋外-頭蓋内バイパスによる血行再建を行って,脳動脈瘤の中枢側母血管結紮を行った.術後6ヵ月の現在,経過は良好で脳虚血症状の出現もない.症例報告と共に,巨大脳動脈瘤の自然経過について文献的考察を行い,手術適応・治療方法について検討し
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