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わが国のアルコール依存症者支援における連携について ―展開過程・促進要因・阻害要因の検討―
アルコール依存症(以下、ア症)の主症状は飲酒に対するコントロール喪失であり、現在の医学では治療対象である主症状が「治癒」困難であるといわれている。しかし断酒を続ける事によって、健常成人と一見変わりない社会生活を送ることが可能である。本稿ではア症者の「回復」を支援するネットワークについて注目し、今までの実践例がなぜ有用だったのか、またどのような課題をもっているのか、「連携」そのものの展開過程・促進要因・阻害要因の観点から分析した。結果、展開過程については個人レベルの顔の見える関係性の段階とその先の広がりや連携内容の底上げの段階があり、支援対象となる地域の現状に応じてその内容が細分される可能性があること、促進要因としては研究会や事例検討会を連携体制構築の要としてきた例は多いが複数の観点からこれが有効であることなど、今までの知見・実践例について一定の根拠を示すことができた
Differences in the Landscape Montage Technique "Montage Type" and "Index on Drawing Expression" between a Group of Adolescents with High Scores on the Autism-Spectrum Quotient (AQ) and a Clinical Group in Adolescence
本研究は,風景構成法の「構成型」と「描画表現に関する指標」について,自閉スペクトラム傾向の高い青年群と,青年期に診断を受けた臨床群の異同について検討を行った。AQ 高群 13 名,臨床群 14 名,統制群(定型発達群)と仮定して AQ 低群 12名について分析を行った。「構成型」では,AQ 高群・臨床群ともに「平面的構成段階」が多く認められた。平面的表現は彼らの主体性のなさや内的時間意識の乏しさが関係している可能性が示された。「描画表現に関する指標」では,AQ 高群は AQ 低群と比較して「異質表現指標」「奇妙さ指標」「簡略表現指標」を多く用いていることが示された。また臨床群と比べ「病理群における退行指標」を多く使用していた。臨床群はAQ 低群と比較し「異質表現指標」を多く使用していた。そこから AQ 高群は,臨床群に比べ,退行することで内的には安定しているが,主体的に考えて取り組むことの困難さが存在すると考えられた。風景構成法構成型青年
<研究論文>知的障害者と家族への包括的な支援の新たな方向性:螺旋状的に展開するエンパワメント・ソーシャルワーク
本研究の目的は,知的障害者とその親の親子関係に対する支援の視点を先行研究から明らかにした上で,ミクロ,メゾ,マクロ視点からソーシャルワークにおける社会的問題として家族支援を捉えなおし,知的障害者と家族を包括的に支援するためのソーシャルワークの新たな方向性を示すことである。文献レビューにより,【対等な仲間の存在】【親自身の人生の再構築】【親同士の社会的活動】【親イデオロギーから解放】【家族の変容】【支援者自身の変容】【親子関係の再構築のための支援】【専門的な支援】【意図的な変化を促す介入】【ケアの社会化】【エンパワメント・ソーシャルワークの視点】の11つのカテゴリーを抽出し,知的障害者とその親の親子関係に対する支援の視点が明らかとなった。さらに,ソーシャルワークの視点で考察をおこなった結果,知的障害者と家族への包括的な支援には螺旋状的なエンパワメント・ソーシャルワークの概念が必要であることの示唆を得た。departmental bulletin pape
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