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基礎看護学実習IIの評価と課題
基礎看護学実習における効果的な実習展開方法を明らかにすることを目的に,実習目標の達成度と実習目標に関連する要因を検討した.1)実習目標の達成度は,高い順に「健康障害とそれに伴う生活の変化の理解」,ついで「日常生活援助の実施と評価」,「看護上の問題の明確化・看護計画の立案」であった.2)実習中の悩み体験は約9割,実習環境に関連した困難点は約3割の学生があったとしていた.その具体的な内容は,患者との関係作りや患者とのコミュニケーション,自分の知識や技術の不足,援助の方法,実習日程や実習記録,自己の性格や行動傾向に関する内容であった.3)「日常生活援助の評価」の行動目標は実習中の悩み体験と,「適切な情報収集の実施」の行動目標は実習環境に関連した困難点と有意に関連していた.4)「健康障害とそれに伴う生活の変化の理解」と「看護上の問題の明確化・看護計画の立案」の実習目標は,患者とのコミュニケーションの達成度と有意に関連していた.以上のことから,実習指導においては,実習中の悩みや困難点になりうる患者-看護学生関係に着目し,患者と良好な関係が成立するようコミュニケーションを中心とした支援が必要であることがわかった.また,学習課題や実習日程の検討の必要性が明らかとなった