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    悪性腫瘍治療中に発症した肺塞栓症の2例

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    雑誌掲載版血液悪性腫瘍の治療中に深部静脈血栓が形成され,肺塞栓症を発症した2例を経験した.症例1(69歳男).鼻NK/T細胞リンパ腫で,MTCOP-P化学療法および放射線療法を施行された.評価のため胸部CTを施行したところ肺動脈の充盈欠損を認めた.約2週間抗凝固療法を行い,血栓の消失を確認したあとカテーテルを抜去した.抜去後も症状は出現しなかった.症例2(65歳女)多発性骨髄腫で,プレドニゾロン,メルファラン,ビンデシン,ラニムスチンを投与された.左前胸部表在静脈の怒張,左上肢の浮腫,痔痛が出現した.左肘静脈から鎖骨下静脈にかけてと左内頸静脈に,血栓形成と,血流信号の消失を確認した.一時的上大静脈フィルターを留置しウロキナーゼを投与し,カテーテルを抜去した.抜去後も症状は出現しなかった.血栓形成の成因として,癌細胞の存在による過凝固状態に加え,抗癌剤,カテーテルによる血管内皮障害,カテーテルによる凝固因子の活性化などの可能性が強く示唆され
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