時間選好の多様性を考慮した家計モデルの構築－行動経済学の知見を活用した経済モデルの開発に向けて－

Abstract

行動経済学の時間選好に係る先行研究は、経済活動は主観的割引率、現在バイアスなど心理の影響を受けることを示す。本稿はそれら知見を、ミクロ経済学を基盤とする家計モデルに組み込み、以下を考察する。第一に、ある人が持つ現在バイアスは、消費に加えて、同主体の他の経済活動（例えば、貯蓄や余暇、可処分所得など）に影響を及ぼす。第二に、その影響は、各人の主観的割引率や各種の代替の弾力性により異なる。departmental bulletin pape