振動準位の既約表現決定法

Abstract

分子の縮重振動の励起によって振動角運動量が生じ,振動角運動量は振動角運動量量子数l(エル)により区別される。振動量子数vが偶数の場合はl=0, 2, 4, …, v,奇数の場合はl=1, 3, 5, …, vとなり,lごとに分子が属する点群の既約表現に対応している。振動準位および振動角運動量に対応する既約表現の決定は,単に分類法として重要なだけでなく,光学遷移の選択則や準位間の相互作用(摂動)の検討のために欠かせない作業である。しかし,量子数lが1つおきの値になる理由を理解することは(初学者にとって)難しい。また,縮重振動の振動準位v=2に含まれる状態の既約表現はその基音振動の既約表現の直積の対称積により得られるが,v=3以上の準位の既約表現は直積の結果から得ることができないため,振動準位の既約表現の決定も難解である。本書は,任意の振動準位vに含まれる既約表現および振動角運動量ごとの既約表現の決定法を理解するために書かれたmonographである。第3版第18

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