SWAN Shimane University Web Archives of Knowledge
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韓国における夏季短期研修プログラムの実践報告
近年、新型コロナウイルス感染症の影響により、日本人学生の海外留学者数は大幅に減少していた。しかし、(独)日本学生支援機構(2024)の調査によると、2022 年度の大学等が把握している海外留学者数は58,162 人に達し、前年度から47,163 人増加し、実に428.8% もの回復を示している。また、地域別および留学期間別の分析では、特にアジア地域への短期留学の顕著な増加が報告されている。例えば、2021 年度には472 人であったアジア地域への1 か月未満の短期留学者数が、2022 年度には28,524 人にまで増加している。このように、短期海外研修が学生の海外学習における主要な形式となっている背景には、いくつかの要因が存在する。Gaia(2015)は、短期研修が学生にとって参加しやすい理由として以下の点を指摘している。第一に、長期留学に比べて経済的負担が少なく、時間的制約も緩和されることで、学生の負担が大幅に軽減される点である。第二に、短期研修は大学のカリキュラムに容易に組み込むことが可能であり、学業との両立を図りやすい点が重要である。第三に、長期留学が難しい学生にとって、短期研修は安全かつ気軽に参加できる初期の国際体験の機会を提供しており、文化交流や学びの場として機能している。また、このようなプログラムは、特に1 年次や2 年次の学生にとって、国際教育への関心を高める有効な手段であり、将来的に長期留学を目指すきっかけとなる可能性がある。さらに、現代のグローバル化が進展する中、異文化理解と語学習得の重要性はこれまで以上に高まっている。特に、日本と韓国のように地理的近接性や歴史的背景を共有する国々では、経済的および社会的な交流が深まる中で、文化的な相互理解を促進する取り組みが求められている。このような背景において実施される韓国夏季短期研修プログラムは、日本人学生に韓国の言語や文化を直接体験する場を提供する重要な教育的機会としての役割を果たしている。このプログラムは、学生の学習意欲を向上させるとともに、異文化交流を通じた成長を促す意義を有している。本稿では、島根大学が令和6 年度の夏季休暇期間を活用して実施した韓国夏季短期研修プログラムを取り上げ、その計画から実施までの過程を詳細に検討する。また、研修の成功を支えた工夫や運営上の課題について分析し、実践的な視点から成果と今後の課題について考察する。本研究が異文化理解を深めるための研修プログラム設計や運営の改善に寄与することを期待している
村岡敵討事件の実録『但州村岡敵討』
『但州村岡敵討』は、但馬国村岡において一六八二年に起こった敵討事件に関する実録である。本作には、特に事件の経緯、人物の捉え方において、実録としての様式的特徴が認められる。“Tanshu Muraoka katakiuchi” is a historical novel, jitsuroku, regarding the revenge incident at Muraoka Domain in 1682. It has a feature as a modality of jitsuroku especially in the estimation of an incident and a character
臨地実習における看護系大学生の服薬に関する看護経験および自己学習に関する調査
本研究の目的は、臨地実習における看護系大学生の服薬に関する看護経験状況と自己学習状況を明らかにすることである。A看護系大学3、4年生を対象としたオンライン調査を行った結果、3年生20 名、4年生26 名の回答を得た。4年生は13 項目中10 項目、3年生は5項目で80%以上の看護学生が服薬に関する情報収集をしていた。服薬に関する観察・確認では、すべての項目で4年生の実施割合が高く、服薬支援では学年間の有意差はなかった。服薬に関する情報収集、アセスメントができたと感じている割合は、3、4年生ともに80%を超えたが、服薬支援ができたと感じている割合は40%程度であった。自己学習内容では、薬剤の効果は自己学習した割合が高かったが、薬物動態については低かった。約70%の学生が添付文書情報を自己学習に活用していた。服薬に関する教育では、看護実践における活用方法を含めて教育する必要性が示唆された
2022年-2024年アニメ聖地巡礼アンケート調査から見た巡礼行動の変化
本稿は、「アニメ」などのコンテンツが観光客誘致や地域振興に活用されたコンテンツツーリズムの取組の実態を明らかにするために実施したアニメ聖地巡礼のアンケート調査の結果のまとめである。このアンケート調査は2022-24年に計3 回実施した。調査相手は「アニメ聖地」所在地域の自治体及び関連団体である。調査結果に基づいて、本稿はアニメ聖地巡礼の特徴を取組開始時期、運営主体、具体的な取組の措置、そして取組が地域にもたらした経済効果をまとめた。また、自治体などの主体が把握している「聖地巡礼」者の状況を通じて、聖地巡礼行為の変化を分析した。最後に、島根県を含めた中四国と近畿地域における聖地巡礼の調査結果を抽出して集計し、全国との比較を行った。 In order to investigate the behaviors of Anime Pilgrims and the impact and effects on the pilgrimage area, we conducted three questionnaire surveys (from 2022 to 2024) at animesacred sites across the country (88 anime-sacred sites nationwide). By comparing 3 years of questionnaire surveys, including initiatives in the San'in region, we consider the issues of tourism promotion and regional development using anime pilgrimage to sacred places and the effectiveness of measures to stimulate tourism demand and analyze the impact and effects of anime pilgrimage to the region