Tohoku University Repository (TOUR) / 東北大学機関リポジトリ

Tohoku University修士（理学）修士論文あるいは修士論文要旨 (Summary of Thesis(MR))本文の閲覧利用等をご希望の場合は、理学研究科教務課教務企画係までご連絡ください。
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平出, 武

電解液分解の反応機構解明に向けたジメチルスルホキシド界面のヘテロダイン検出和周波発生分光

博士学位論文の要旨及び審査結果の要旨 (Summary of Thesis(DR))othe

談, 沁怡

English

中国語および中国語二方言における節省略の研究

見目, 悠

Molecular mechanism underlying STING activation at the trans-Golgi network

Wang, Xiao

Nagayasu, Jun

Analyzing the Effect of the Unfriendly Countries List of Russia on Global Trade through the Staggered Diference-in-Diferences Design in the Gravity Model

進藤, 瑠璃

  氏 名 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月日 学位授与の要件 研 究 科 ， 専 攻   論 文 題 目      博士論文審査委員  しんどう るり 進藤 瑠璃 博士（生命科学） 生博第 501 号 令和７年３月２５日 学位規則第４条第１項該当 東北大学大学院生命科学研究科 （博士課程）脳生命統御科学専攻  Molecular mechanisms underlying STING inactivation via dimer formation and lysosomal microautophagic degradation (ダイマー形成およびリソソームミクロオートファジー分解を介した STING 不活性化の分子機構の解明)  （主査）田口 友彦 本橋 ほづみ 千葉 秀平       論文内容の要旨 【背景・目的】 自然免疫は多くの生物種に保存されている、宿主が先天的にもつ感染防御機構である。自然免疫応答経路の 1 つである cGAS-STING 経路は、細胞質ゾルに露出した DNA に応答して抗ウイルス・炎症応答を誘導する。定常状態で小胞体に局在する膜貫通タンパク質 STINGは、細胞質 DNA の出現に伴ってゴルジ体へ移行し、キナーゼ TBK1 が転写因子を活性化する足場として機能する (図 1) 。もともと、cGAS-STING 経路は細胞外の非自己 DNAに応答する仕組みとして同定されたが、近年ではこの経路の過剰な活性化が、種々の自己炎症性疾患や神経変性疾患の発症に関与することが明らかになりつつある。例えば STING の点変異は、自己炎症性疾患 SAVI (STING-associated vasculopathy with onset in infancy) を引き起こす。この疾患は常染色体顕性の遺伝性疾患であり、肺の繊維化を伴う間質性肺炎や皮膚の炎症を示す。私はこれまでに SAVI モデル細胞株を樹立し、モデル細胞における STING シグナルの恒常活性化分子機構を明らかにしてきた (Shindo et al., Front Cell Dev Biol. 2022) 。このように STING 経路の活性化分子機構は詳細に解明されつつある一方で、活性化された STING がどのようにしてシグナルを終結させるのかは不明であった。 当研究室では 近、活性化した STING がリサイクリングエンドソーム (RE) を通過し、 終的にリソソームへと輸送・分解されることで、STING シグナルが終結することを明らかにした (Kuchitsu et al., Nat Cell Biol. 2023) 。興味深いことに、この分解は「リソソームミクロオートファジー」と呼ばれる現象により進行することが判明した。しかしながら、この分解現象の解析はまさに緒をついたところであり、特に基質としての STING の「性質」やその構造的特徴については、依然として不明であった。リソソームに取り込まれる直前の STING の構造を電子顕微鏡で観察すると、「小胞が凝集した (クラスター化した) 構造」であることがわかった。このような構造はこれまで報告がなく、全く新しい細胞内構造である。そこで本研究では、STING 小胞化およびそのクラスター形成のメカニズムを解明し、その意義を明らかにすることを目的とした。 【方法・結果】 1. STING の小胞化 電子顕微鏡による観察の結果、リソソームに取り込まれる前の STING は直径 100 nm 程度の均一な被覆小胞が凝集した構造体であったことから、クラスリン被覆小胞であることが想定された。そこで、STING とクラスリン長鎖との免疫染色を行ったところ、STING は RE に局在している時間帯でクラスリン長鎖と共局在していた (図 2) 。さらにクラ図 1：cGAS-STING 経路と STING 小胞クラスター 図 2：STING 刺激 8 時間後、 STING とクラスリン長鎖が共局在した スリン長鎖を発現抑制すると、STING は RE に蓄積し、分解が遅延することがわかった。以上の結果から、STING は RE からクラスリン被覆小胞化することが示唆された。続いて、STING をクラスリン被覆小胞に積荷として取り込むアダプタータンパク質を同定するため、クラスリン結合配列を持つ AP1、AP2、AP3複合体および GGA 遺伝子を対象にした RNAi スクリーニングを行った。その結果、GGA1、GGA2、GGA3の発現抑制により STING の分解が遅延されることがわかった。さらに、STING は RE で K63 ユビキチン（Ub）化修飾を受けることから、GGA タンパク質が K63-Ub 化修飾を認識する可能性に着目した。GGA3は Ub 結合能を持ち、GGA1 と協調的に機能することが知られている。そこで、GGA1 および GGA3 の Ub結合に関与するアミノ酸 L276 の変異体 (L276A) を作成し、細胞内局在を解析した。野生型 GGA1 および GGA3 は K63-Ub 陽性の STING 小胞クラスターと共局在したが、それぞれの L276A 変異体ではこの共局在が顕著に減弱した。以上の結果から、GGA1 と GGA3 が STING の K63-Ub 化修飾を認識し、クラスリン被覆小胞化を担うことが示唆された。 続いて、RE での STING の K63-Ub 化修飾がクラスリン被覆小胞化に必要であるかを検討するため、Ub 化酵素 E1 阻害剤（MLN7243）を使用して Ub 化修飾を阻害した。その結果、Ub 化が阻害されると STING がRE に蓄積し、クラスリン長鎖と共局在しないことがわかった。また、STING の K63-Ub 化不全変異体 (K288R) においても、クラスリン長鎖との共局在がみられなかった。以上の結果から、STING は RE でK63-Ub 化修飾を受け、この修飾がクラスリン被覆小胞化に必要であることが示唆された。 2. STING 小胞のクラスター形成 次に、STING 小胞同士を繋ぎ止める分子機構を明らかにするため、質量分析で同定した STING の結合タンパク質に着目した。その中でも、Ub 結合能と多量体形成能を持つ p62 というタンパク質に注目した。まず、p62 欠損細胞を作成し、STING の細胞内局在を観察した結果、p62 欠損細胞では control 細胞に見られるような大きな STING 小胞クラスターが形成されないことが確認された。このことは、p62 が STING 小胞クラスターの形成に関わることを示唆している (図 3) 。続いて、p62 欠損細胞で STING の分解を評価したところ、STING の分解には影響がみられなかった一方で、STING の下流シグナルを qRT-PCR で評価したところ、p62欠損細胞では STING の下流シグナルが顕著に増強することがわかった。以上の結果は、STING 小胞が p62 を介してクラスター化していること、また、このクラスター化が STING シグナルの過剰な活性化を抑制していることを示唆している (図 4) 。 【まとめ・考察】 本研究により、STING は RE で K63-Ub 化修飾を受けたのちにクラスリン被覆小胞化することが明らかになった。RE はリソソームよりも大きいオルガネラであることから、小胞化により RE 膜のサイズダウンを図り、RE に局在する STING のリソソームミクロオートファジー分解を可能にしているものと考察できる。また、小胞のクラスター化が、クラスター内部にシグナル分子を遮蔽することによって過剰なシグナル伝達を抑制する、という新しい可能性も見出した。 図 3：p62 欠損細胞では control 細胞と 比べて STING 小胞クラスターの大きさが小さかった 図 4：クラスター化が STING シグナルを抑制する仕組みのイメージ 論文審査結果の要旨  自然免疫は、体内に侵入した病原体や異常になった自己の細胞をいち早く感知し、それを排除する仕組みであり、生体防御の 前線に位置している。STING 経路は、小胞体に局在する膜貫通タンパク質 STING が、病原体由来の DNA に応答し、自然免疫応答を惹起するシグナル伝達経路である。近年、病原体由来の DNA に加えて、細胞質ゾルに漏出した自己 DNA（ゲノム DNA およびミトコンドリア DNA）にも STING が応答することで、種々の自己炎症性疾患や神経変性疾患の発症が引き起こされることが明らかになりつつある。また、STING の点変異により恒常的な活性化が引き起こされ、その結果、自己炎症性疾患 SAVI (STING-associated vasculopathy with onset in infancy) を引き起こすことも明らかにされている。このように、STING シグナルの活性化機構については多くの研究が行われてきたが、STING シグナルの抑制機構・終息機構については、不明なことが多く残されている。本博士論文は 2 章から構成され、STING の不活性化機構を明らかにするものである。   第 1 章においては、マウスにおいて SAVI 病気型 STING のホモマウスが激烈な炎症病態を示して胎生致死になるが、ヘテロマウスは炎症の程度が軽減され生存可能であることに着目して研究を行った。その結果、(i) 野生型 STING と病気型 STING がヘテロダイマーを形成していること、(ii) ヘテロダイマーが小胞体に局在すること、(iii)リン酸化 STING（活性化 STING）の局在を評価することでヘテロダイマーが不活性化状態にあること、などをまとめて明らかにした。即ち、野生型アレルが、恒常型活性化型である病気型アレルの活性を抑制できるという予想外の発見に至った。   第 2 章においては、STING の分解機構に着目して研究を進めた。その結果、(i) 活性化 STING がリソソーム分解をうける前の段階では、STING はクラスリン輸送小胞のクラスターとして存在すること、(ii) そのクラスターは p62 タンパク質の働きにより形成されていることを明らかにした。クラスリン輸送小胞の形成にあたっては、クラスリンアダプターである GGA タンパク質、および STINGに起きる K63-ユビキチン修飾が関与していることを明らかにした。また、p62 のノックアウト細胞の解析から、クラスター形成を抑制しても STING の分解は遅延せず進行するが、STING の下流で活性化するインターフェロン応答が亢進することを見出した。この結果から、STING がクラスター化することにより、クラスター内部の STING が細胞質ゾルから隔離されて不活性化状態にある、というモデルを提唱している。この結果は、細胞内凝集体の機能に新しい知見をもたらすものである。   以上のように、進藤氏は卓越した研究成果を挙げており、自立して研究活動を行うに必要な高度の研究能力と学識を有することを示している。したがって、進藤氏提出の論文は、博士（生命科学）の博士論文として合格と認める。  

ダイマー形成およびリソソームミクロオートファジー分解を介したSTING不活性化の分子機構の解明

李, 子荷

Currency Internationalization and Investor Behavior in International Financial Markets

紀要類（bulletin）departmental bulletin pape

Tran, Quang-Thanh

Dual Caregiving and Overlapping Generations

熊, 子涵

菅谷, 奈津恵

Japanese

中国人日本語学習者による多義動詞の習得　―「とる」を中心に―

中川, 由宇斗

（別紙様式５）                                       論 文 内 容 要 旨 (NO．1) 氏  名 中川由宇斗 提出年  2024 年 学位論文の 題   目  Left Regular Band (LRB) and Markov chain （Left Regular Band (LRB)とマルコフ連鎖について）     論 文 目 次 1 1 Introduction 1 1.1 Background and MainResults  1.2 Plan of this thesis  2 Proof of Theorems 1.8 and 1.9  3 Proof of Theorems 1.12 and 1.13  4 The Braid Arrangement  4.1 Definition and Notation  4.2 M¨obius Function  4.3 Correspondence between the Lattice of Braid Arrangement to the Subset of 𝑆𝑆𝑛𝑛  5 Coxeter Arrangement of type-B  5.1 Definition and Notation  5.2 M¨obius Function  5.3 Correspondence Between the Lattice of Coxeter Arrangement type-B and the subset of 𝐺𝐺𝑛𝑛,2 6 The Chambers of the Hyperplane Arrangement  6.1 The chambers of the Braid Arrangement 6.2 The chambers of the Coxeter Arrangement Type-B 6.3 Theorem of Markov chain on a Hyperplane Arrangement  7 Proof of Theorems 1.20, 1.21, 1.3 and 1.8  7.1 Proof of Theorem 1.20 by the Braid Arrangement  7.2 Proof of Theorem 1.21 by the Braid Arrangement  7.2.1 3-Riffle Shuffle 7.2.2 b-Riffle Shuffle  7.3 Proof of Theorem 1.3 by the Braid Arrangement  7.4 Proof of Theorem 1.8 by Coxeter Arrangement type-B  8 2-Colored Riffle Shuffle II  8.1 2-Colored 3-Riffle Shuffle II  （別紙様式５）                                       8.2 2-Colored b-Riffle Shuffle II  9 Other Markov Chains   9.1 Random Walk on Hypercube  9.2 Extension of Random Walk on Hypercube  9.3 Random Walk on Lattice Paths  9.4 Kids Walk  A Brown’s theory on LRB  B Q-Analogue II of the Tsetlin library  C Hyperplane Arrangement D Stirling Numbers of the First Kind  要旨 本博士論文では、Left Regular Band（以下 LRB）で表現可能なマルコフ連鎖について、対応する推移確率行列の固有値と重複度を求め、重複度の値における組み合わせ論的な意味付けを論じる。 カードシャッフルのように、直前の状態にのみ依存し、それ以前の状態に依存しないような確率過程をマルコフ連鎖という。マルコフ連鎖は推移確率行列とよばれる行列 P により決定される。 𝑥𝑥2 = 𝑥𝑥 ,𝑥𝑥𝑥𝑥𝑥𝑥 = 𝑥𝑥𝑥𝑥を満たす半群を LRB という。K.Brown (2000) によって、LRB を用いて表現されるマルコフ連鎖について、対応する推移確率行列の固有値と重複度を求める手法が発見された。（A 章） 本博士論文では、Brown の手法を用い、具体的なマルコフ連鎖に対応する推移確率行列の固有値と重複度を求め、重複度の値に組み合わせ論的な意味付ができることを確認した。 ユークリッド空間上に与えられた超平面の族を用いて定義される超平面配置において、それが central と呼ばれる条件を満たすとき、適切な演算を導入することにより、この超平面配置を LRB とみなすことが知られている。（C 章） 本博士論文では、braid arrangement や Coxeter arrangement type-B と呼ばれる具体的な超平面配置を用いて表現されるマルコフ連鎖（Tsetlin library・riffle shuffle）について、対応する推移確率行列の固有値と重複度を求めた。また、重複度の値における組み合わせ論的な背景について考察した。 本論文の構成を述べる。 第 1 章では、主結果の内容を述べる。第 2 章及び第 3 章では、p 色版 Tsetlin library 及び Tsetlin libraryの q 類似Ⅰについて考察する。第 4 章、第 5 章及び第 6 章では、主結果の証明の準備として、braid arrangement 及び Coxeter arrangement type-B の性質を考察する。第 7 章では、主結果の証明を行う。第 8 章では、主結果の拡張として 2-Colored Riffle Shuffle II について考察する。第 9 章では、その他のマルコフ連鎖において LRB で表現可能であるものについて考察する。B 章では、K.Brown によるTsetlin library の q 類似Ⅱについて紹介する。D 章では、第一種スターリング数の定義及びその性質の紹介を行う。  別 紙  論文審査の結果の要旨  中川由宇斗氏は、有限マルコフ連鎖の中で特殊な性質を持つものについて、Left Regular Band(LRB) という特別な代数的性質を持つ半群の理論を適用することにより、その推移確率行列の固有値と対応する多重度を全て具体的に求める研究に従事した。多くの場合、固有値の多重度は組み合わせ論的意味を持つ量と一致し、そのマルコフ連鎖の構造を調べる足掛かりとなる。具体的には、中川氏は主に次の３つの成果を挙げた。  (1) Tsetlin Library と呼ばれる、一種の random to top shuffle は置換群のランダムウォークとしてよく調べられているが、中川氏はこれの色付き置換群への拡張を修士論文で与えた。そして、博士論文ではそのことの別証明を与えた。  (2) リフルシャッフルと呼ばれるカードシャッフルは Braid Arrangement と呼ばれる超平面配置の上のランダムウォークとして表現され LRB の理論が適用できることが知られているが、中川氏は (1) の Tsetlin library とリフルシャッフルを超平面配置上のランダムウォークとして同時に実現することにより、Tsetlin library の多重度がモンモール数に一致することの説明、また、それぞれの多重度同士の関係を明らかにした。  (3) さらに、2色のTsetlin library および 2色のリフルシャッフルを Coxeter Arrangement と呼ばれる超平面配置の上のランダムウォークとして表現し、(1), (2) と同様のことを行なった。  (1), (3) については、それぞれのマルコフ連鎖を特徴づけるパラメータが特殊な値である場合において、別の方法で同一の結果が得られているが、LRBの方法では、パラメータの値が任意の場合でも、より平易な方法で固有値・多重度を求めることができる。よって、LRBの手法を用いた別証明を行うことで問題の理解が進んだと考える。また、(2) は、Tsetlin library, Riffle Shuffle の固有値の多重度について、新しい知見を与えるものである。よって、(1), (2), (3) の結果は博士論文にふさわしい内容であると考える。  以上のことから、本論文は中川由宇斗氏が自立して研究活動を行うに必要な高度の研究能力と学識を有することを示しており、従って、博士（理学）の学位論文として合格と認める。   

Left Regular Band (LRB) and Markov chain

Nguyen, Thi Thu Huyen

ベトナム語による漢文読解の研究 ―ベトナムで編纂された『論語』注釈書を中心に―

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