Nagano University Repository / 長野大学リポジトリ

高橋一秋

長友晴香

Japanese

塩田平における鳥類のため池・水田・河川の利用特性（前編）：要旨・はじめに・方法・結果（前半）

丹野傑史

自立活動の視点からの大学生に対するキャリア支援の試行ー対人関係の困難を訴えた学生を対象にー

矢作尚賢

簡易ビオトープとその周辺の河川に生息する水生生物（昆虫類・両生類）の比較（前編）：要旨・はじめに・方法・結果（前半）

奥田純子

小野寺竜

呉屋ひより

宮澤直生

上嶋竜之介

加藤修一

大学におけるライフキャリア教育の必要性について

中島豊

ボーイスカウト先達・下田豊松に関する新聞資料（Ⅲ）ー「小樽新聞」その１：第一回国際ジャンボリー関係ー

佐古哲祥

塩田平の社寺林における巨樹の特徴と樹洞性動物の利用（前編）：要旨・はじめに・方法・結果（前半）

大学院追語録

長野大学大学院総合福祉学研究科　大学院完成年度事業記念講演録「長野県における少子化・人口減少対策について」

小林万洋

矯正施設釈放者の再犯リスク管理とウェルビーイングの保障に資するアセスメントについて

谷野綾音

最終報告書「子どもの居場所提供を通じた大学生主体の地域交流」 （筆者名）谷野綾音  1.はじめに 2024 年度、我々は「子どもをメインターゲットとした新たな学びの場所の提案」を目標に活動を開始した。しかし、実際に活動に取り組んでみるとその実現の難しさに直面し、大幅な方向転換を決断するに至った。本報告書では、これまでの経緯とその結果を述べる。  2.活動目的と初期の取り組み 当初、我々は「学校への行きづらさを抱えている子ども」（特に小・中学生）に対し、「自分の好きな学びができる場所」の提供をすることを目的に、この活動をスタートさせた。まず、不登校児童・生徒の実態や、そのような子どもに対する支援体制を把握するため、7 月に上田市教育委員会学校教育課を訪問した。そこで、学校復帰だけを最終目標とするケースが減少し、市内にある中間教室や民間施設での学びが拡大しているとの説明を受け、我々の活動についても、「選択肢が増えることは有難い」とのお言葉を頂いた。 しかし、この時点では具体的にどのような企画を実施すれば不登校生徒に届くのかが定まっておらず、実行に移せる状態ではなかった。そこで、実際に子ども達が集う居場所である「おけまーるジュニアセンター」を訪問し、代表の小林みゆきさんから話を伺うとともに、利用中の子どもたちと直接コミュニケーションを取る機会を設けた。その際、単発的なイベントを開催するだけでは、不登校生徒との繋がりを形成するのは難しいことや、子どもと関わる際の我々が取るべき姿勢についての助言をいただいた。 その結果、「子どもたちが前向きな気持ちで繋がるためには、開かれた居場所を維持する必要がある」という考えに立ち、活動の目的を「外に出るきっかけづくり」と「社会的自律に寄与する地域資源となること」の 2 点に改めた。  3.イベントの実施報告 以降は、実際に行ったイベントについて報告する。企画名は「anone（あのね）」とし、会場は全て上田市中央公民館内の一室を利用した。開催日は、10 月 12 日、11 月 2 日、12 月14 日、1 月 18 日の計 4 回、月に 1 回のペースで実施した。 チラシの作成・配布については、まず 2 か月分の開催日程を記載したチラシを作成した。10 月と 11 月のチラシは、上田市内の小学校 3 校と中学校 1 校、さらに東御市の小学校、「おけまーるジュニアセンター」、侍学園、犀の角などに配布・掲示を依頼した。12 月と 1月のチラシについては、上田市および上田市教育委員会に後援依頼を行い、上田市内の小中学校全域と東御市へ配布した。なお、坂城町への配布は日程調整がつかなかったため、断念した。 イベントで用意したコンテンツの概要は【図 1】および【図 2】に、各回の参加人数の推移は、【図 3】に示している。イベントでは、コミュニケーションゲームやレトロゲームを多く用意し、大人数で会話を楽しみながら体験ができる内容に重点を置いた。 また、各回で参加者にはGoogleフォームを用いた匿名アンケートに回答していただいた。事後アンケートでは、「住まい」、「参加者（子ども）の学年」、「『anone』を知ったきっかけ」、「参加した理由」、「その他要望・意見」について尋ねた。 10 月の参加者は、主にチラシを配布した小中学校からのもので、住まいも上田市中央地域に限定されていた。全ての回で、「『anone』を知ったきっかけ」としては「チラシ」が最も多く、次いで「学生からの声かけ」が挙げられた。なお、「学生からの声かけ」は事前に行ったものではなく、開催日当日に公民館を利用していた親子に対して行ったものであったため、広報手段としてはチラシが最も効果的であったと考えられる。 自由記述の「その他要望・意見」には、「楽しかった」「もっと開催してほしい」などの前向きな回答が寄せられた。また、「参加した理由」では「ボードゲームをするため」や「ゲームをするため」という回答が最も多く、提供したコンテンツで高い満足度を感じていただけたと受け止めている（【図 4】参照）。  4.おわりに 本年度の活動を通じ、地域の子どもたちとの繋がりを徐々に形成できたと感じている。今後は、コンテンツの充実や別会場での開催など、大学生と子どもの交流をさらに広げる活動を展開していく。また、当初のターゲットであった不登校生徒との結びつきも実現し、彼らが楽しみながら社会的自律に向かう一助となることを目指す。    図１ イベントで使用したボードゲームの一例 図２ イベントで使用したコンテンツ一覧  図４ 月枚のイベント参加理由  図３ イベントの参加人数の推移  

新たな学びの場所を提案する

髙橋初奈

最終報告書「制度では補いきれない地域住民の困りごとを解決したい～お花し支援プロジェクト～」 （髙橋初奈）   「制度では補いきれない地域住民の困りごとを解決したい」という想いから、お花し支援プロジェクトというボランティア団体を設立した。本活動は、単に困りごとへの支援をするだけでなく、普段関わることの少ない学生と地域住民が「お花」を通して「お話し」することで世代間交流できるように、初回訪問時に鉢植えのお花を渡している。（図１）活動実績は、利用者登録 10 名、ボランティア会員 41 名であり、利用者の多くは下之郷地区の住民で、６０～７０代が８７％である。ボランティア会員は長野大学の学生が主であり、上田女子短期大学の学生も登録している。現在までに訪問支援は 8 件、参加ボランティアは 16 名であり、支援内容は落ち葉掃きやスマホの操作説明、子どもの遊び相手、窓拭きなどである。（図２）運営メンバーは現在 18 人で、オンライン講座の企画・運営、マッチング、お花の管理、SNS での情報発信、関係機関との連絡調整・メディア対策、イベントの企画・運営、訪問支援の 7 つの部門に分かれて活動している。毎週火曜日に運営メンバーで会議を開き、各部門の進歩報告や、情報共有、活動に関する提案等を行っている。 訪問支援後には Google フォームにてアンケート調査を実施している。訪問支援利用者の声としては、「今日はありがとう」「また訪問支援をお願いしたい」等のプラスの意見がある一方で「どのような人が来るのか分からず不安だった」「30 分という活動時間は短い」「ボランティア 3 人は少し多い」等の活動の改善を検討するべき意見もみられた。訪問支援に参加したボランティアの声としては、また参加したいと答えた学生が 83%であり、「普段関わりのない人と繋がりを持てるのが良い」との声が挙がった。一方で、「支援時間が短く、中途半端な支援になる」「当日の合流がしづらい」「運営メンバーとボランティアメンバーで訪問前に直接会う機会が欲しい」等の意見もあり、以下の通りに改善した。事前に利用時間についてご相談いただくという規約を作成し、長い時間でも参加可能な学生を探すようにしている。当日どのような人が来るかわからないという不安に対して、ボランティア代表者に利用者の電話番号を伝えるという改善をした。当日ボランティア同士で連絡が取れるよう、専用のチャットルームを作成している。初回訪問時に渡しているお花について、生花は管理が大変で枯れてしまうという意見があったため、折り紙のお花も選択できるようにしていく。 利用者獲得に向けてチラシ配りや回覧板での宣伝を実施したが、あまり効果がなかった。顔を合わせて一緒に活動し、最後に訪問支援の説明をすることで利用に踏み出していただけたと感じている。現在までに下之郷体操教室「えがお」・岡城体操クラブ（図３）・音の輪クラブ・下之郷自治会育成会お楽しみ会・上田女子短期大学付属幼稚園なないろまつり・tetote 等の活動に参加した。12 月 26 日には下之郷自治会に向けて活動報告会を行い、当初から協力していただいていた上田市社会福祉協議会だけでなく、下之郷自治会、民生児童委員、塩田地域包括支援センター、川西地域包括支援センター、城下地域包括支援センター、上田市役所高齢課の方々等に出席いただいた。今後は地域住民も参加可能とし、年 3 回程度行っていく予定である。（図４）1 月 24 日には塩田地域包括支援センター協力のもと、主催のスマホ教室を開催し、下之郷の住民 4 名に参加していただいた。スマホ操作の説明の中でお花し支援プロジェクト公式 LINE アカウントを追加していただくことで、今後も関わることができるようにした。学生に向けての情報発信は、SNS で各メンバーや部門の紹介、お花や訪問支援の注意事項、ボランティア活動の報告等を行っている。9 月 30 日にはケアマネージャーをお招きして訪問時の注意事項についてオンラインで講義していただいた。また、学内でも訪問支援説明会や報告会を行った。 今後の展望については、現在、活動を応援してくださっている人の中でも「まだ生活に困っていない」という理由から、利用に至っていないという現状がある。今後は困りごとの支援というイメージを払拭し、趣味やお話を楽しむ等気軽に利用できる雰囲気を作っていきたい。そのために、他サークルや他大学に働き掛け、住民もボランティアとして活動できるようにし、多様なニーズに応えていきたい。また、ごみ拾い活動や主催イベントの企画、上田市合同文化祭の参加等も企画している。現在、公式 LINE にてマッチングを行っているが、予定の連絡調整等負担が大きいため、アプリの開発も検討している。今後の資金面については、自治会への報告会後、塩田地域包括支援センター、川西地域包括支援センター、上田市役所高齢課などに活動に注目していただき、上田市訪問通所型サービス B 型事業に応募してみないかとの提案を受けたため、補助金の利用も検討していく。        図 1 初回訪問時に渡しているお花         図２ 訪問支援での落ち葉掃きの様子         図３ 岡城体操クラブに参加した様子         図４ 下之郷公民館での報告会の様子 

制度では補いきれない地域住民の困りごとを解決したい～お花しプロジェクト～

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