本稿はカントの自由意志論を、オートポイエーシス論の観点から再解釈し、弁護しようとするものである。カントが『純粋理性批判』の「第三アンチノミー」で掲げた「超越論的自由」は、自然法則からの独立という点でオートポイエーシス・システムの自律性と共通点をもつ。さらにカントの「実践的自由」は、経験的には証明できないながら、その自覚そのものがその実在の証明になるという、オートポイエーシスの自律性と共通の性格をもち、直接的な「理性の事実」としての道徳法則の意識によってその意識的自覚を保証される。この観点から見れば、カントが両立論に立ちながら非両立論的自由概念を掲げるのかが理解できる。departmental bulletin pape
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