短期大学におけるICT活用指導力の育成に向けた調査研究―小学校教育実習の振り返りアンケートの分析―

本稿は，女子短期大学の小学校教員免許取得希望者（計27名）を対象として，学生の小学校教育実習におけるICT活用について分析したものである．小学校教育実習で8割弱の学生がICTを活用する経験をした一方で，実習中にうまく活用できなかったICT 機器の実践的な活用を期待していることが示唆された．ただ実践的な活用に関しては日常的な練習が必要となるため，教科指導法，教育の方法及び技術等の講義においてFD活動等を通じた養成校側の意図的・計画的な指導が必要になると思われる．departmental bulletin pape

鹿児島の遠隔地における教育文化に関する研究―グローバルな教育潮流とローカルな価値観の橋渡しを目指して―

近年の国際到達度調査などの推進により教育は世界的に画一化へ向けた潮流を辿ってきた。一方で人間の認知活動は文化に根差し文脈の中で育まれる。そこで本研究では、グローバルな教育の流れに対しローカルな教育のあり方を模索することを目指した。特に鹿児島の離島文化に目を向け、地域で育まれた教材の可能性と、地域が持ち得るケアリングの役割を現地調査より浮き上がらせた。そこには、グローバルの中で喪失した自己を、ローカルの中で取り戻しながら、再び自己実現へと繋げていく子どもたちの姿があり、その架け橋となり得る教育の可能性をグローカルな教育として提示した。departmental bulletin pape

介護人材確保に対する方策と課題

本研究では，介護人材確保に対する方策を提案している先行研究について，ミクロ，メゾ，マクロからみた介護人材確保に対する方策に整理することにより，介護人材施策の課題を明らかにし，さらに2007年以降の介護人材確保施策に対する課題を明らかにしていくことを目的とした．その結果，ミクロレベルとしては，介護人材の質の向上，メゾレベルとしては，労働環境の改善，キャリアパスの構築，機能分化の推進，マクロレベルとしては，行政の主体的かつ積極的な介護人材確保の取り組みが示唆された．また，近年の介護人材確保は①介護職員の処遇改善，②多様な人材の確保・育成，③離職防止・定着促進・生産性の向上，④介護職の魅力向上，⑤外国人材の受入れ環境整備があるが，これからの介護人材確保の取り組みは，介護人材を確保することだけでなく，高齢者自身も極力要支援・要介護状態にならないように介護予防に取り組み，地域は要支援・要介護高齢者を見守るシステムを構築することが求められていることが示唆された．departmental bulletin pape

裏表紙・CONTENTS

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地域住民の医療・介護に対するイメージと考えについて―大島郡与論町でのワークショップから―

離島で医療的ケアの必要な対象者の在宅生活の支援を通し，在宅介護を行うためには，多様なケースに対応できるために住民が医療・介護についてどのようなイメージや考えを持っているか把握する必要があると考えた．そこで，本学学生と住民でのワークショップを開催しその内容を分析した結果，現在の与論町における医療，介護に対して十分ではないと考えているうえで，情報の発信，知識の獲得や専門職やサービスの充実を期待しておりそのために何が必要であるか考える機会になったといえる．このことを実現するためには，各専門職種がそれぞれの果たすべき役割を明確にしておく必要性を示唆できた．さらに介護福祉士は，心身の状況に応じた介護を行うことおよびその者と介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者である．生活を支援する専門職種としてその人の状況を的確にアセスメントし，必要な支援の提供を行いながら介護者の育成も行う必要があるとした．departmental bulletin pape

鹿児島女子短期大学附属南九州地域科学研究所所報 投稿規定

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大理石彫刻におけるフランス式拡大法についての実践研究

近年，筆者は古い文献の中に大理石彫刻の複製に関する珍しい技法を見つけた．イタリアの彫刻家などに確認したところ，フランス式拡大法であることがわかった．そこで，今回は文献等から知り得た特徴や制作法を踏まえ，利点や注意点などを明らかにするために実践研究を行なった．結論として，利点はイタリア式拡大法よりも倍率表での拡大寸法が正確かつ迅速に求められること，２倍に近いサイズを拡大制作する場合は倍率表がコンパクトになるため，準備と制作がしやすいことが明確になった．注意点としては，イタリア式のように拡大した寸法から原型の寸法を求められないので，求めた点が不確実な場合は原型から再度確認しなければならないことが把握できた．若干手間はかかり，倍率は限定されるものの，総合的に考えると大変使い勝手が良い優れた技法であることが実証された．departmental bulletin pape

鹿児島県産生鮮魚の付着細菌に対する薬味の抗菌活性について

薬味として刺身に添えられる食材には、風味を増す効果があると同時に抗菌活性が期待されている。今回、鹿児島県産の生鮮魚において、薬味として様々な柑橘類の刺身に対する抗菌効果を比較検討した結果、刺身に付着している細菌に対して各種柑橘果汁が抗菌効果を示すことが認められた。departmental bulletin pape

紀要第62号(標題紙)

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