看護る者のまなざしの検討1

Abstract

看護臨床において、主観的データの重要性が指摘されている。主観的データを扱う上では、看護る者のまなざしの検討が重要である。そこでナースの内観を記述したものをデータとし、次のような視点で検討した。(1)看護る者のまなざしがどこを見ているのか。(2)どのような感情で見ているのか。その結果、以下のことが分かった。(1)看護る者のまなざしが患者のまなざしに取り込まれていき、両者の関係が作られていくこと。(2)看護チームの中の役割において、まなざしを変えていく必要があること。(3)看護る者のまなざしが、患者のQuality of Life(以下QOL)に向けられる必要があること。今後の課題は、以下の点である。(1)看護る者のまなざしの種類と方向が、患者のQOL向上に及ぼす影響。(2)看護る者のまなざしの種類と方向が、患者-看護婦関係に及ぼす影響。(3)看護る者の側が、自己のプライベートな部分を、看護に持ち込むときの方法と限界。(4)チームでアプローチしていく場合の、それぞれのまなざしの方向と、関わり方のバランス。(5)「まなざし」に焦点を当てて検討していくのに良い看護記録のスタイル

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