research

Ⅱ-3 北大短期留学生コース(HUSTEP)への貢献 : エコキャンパスの充実のための樹木看板作製

Abstract

はじめに:北大の誇る世界一の「森の事件室」である研究林と整備の進んだ北大エコキャンパスを利用し、フィールド科学に関する教育を行なうことのために、研究林・構内の主要樹木の説明パネル(生態・利用・名称の由来)を英文・和文で表記し、テキスト作成と英語による野外教育を進める基礎を構築している。この背景には、急速な温暖化や偏西風による窒素沈着による「もらい公害」など、かつてない環境の下で、次世代の為にも多様性の高い森林資源の保全が切実な課題となったことが挙げられる。この問題解決は、一国だけではなく国際協力によってはじめて実現可能である。東アジア北部に位置する北海道大学は、公害対策先進国の一翼を担って来ただけではなく、森林環境教育・森林技術教育の側面からこの問題に取り組むべきである。幸いに、北海道大学が進めてきた短期留学生の教育の講義内容の高度化を、北方生物圏フィールド科学センター・森林圏ステーションも推進している。それは、「生物資源のための環境科学」と銘打って実施してきた講義内容に反映されている。この中で、近年、各種国家戦略が示されたことに伴い、生物多様性の高いアジアに留学していることを実感し、単一民族と思われがちな我が国でも先住民アイヌの知恵に学びながら木質資源を利用してきたことを知らしめるためにも、樹木の利活用だけではなく、存在の意味を知らしめる手段が必要になった。このために、北海道大学教育改善予算によって校内の主要樹木に生態学的・利用にかかわる講義用看板を設置した。本稿では、この樹木名看板とその設置場所を紹介することによって、HUSTEP講義の高度化への取り組みの一環とすることを目的とした

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