日本の中華学校における歴史的変遷からみた多文化教育の展開とその要因―横浜山手中華学校を中心に―

Abstract

現在日本にある5校の中華学校はすべて、80年から100年以上の長い歴史を持っている。その歴史的変遷において、中国の国情と日中間の政治的・経済的関係などの社会的背景が常に日本の華僑社会注1)や中華学校に影響を及ぼしていた。元来、華僑に対する中国語や中華文化を教える民族学校として創設された中華学校は、こうした背景の変容の中で時代に相応しい教育方針を模索し続けている。とりわけ、横浜山手中華学校は華文教育に加え、さらに多言語・多文化教育を展開し、グローバル人材の育成に力点を置く、国際性のある学校に発展している。本研究は横浜山手中華学校における多文化教育の現状を把握し、歴史的背景の視点から多文化教育の展開要因を明らかにするものである。中華学校の更なる発展に示唆を与えるものになろう

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