若年層による「ケータイメール」のメディア実践に関する調査研究 : 二重の脱コンテクスト性という技術的特性を受けて

Abstract

本稿は、大学生・専門学校生といった若年世代が、携帯電話のメール機能である「ケータイメール」というメディアをいかに意味づけ、利用しているかといり「メディア実践」の現状を明らかにしょうとする調査研究である。研究手法としては、まず、メディアの歴史的系譜、他メディアとの相互メディア的状況をふまえ、ケータイメールの技術的特性について「理論的分析」をおこなった。そうした特性を受けて、利用者がいかなるメディア実践をおこなっているのか、専門学校生等を対象に「質的・量的アンケート調査」を行っており、この双方の擦り合わせをすることで、「考察」として結んでいる。「理論的分析」では、ケータイメールは電子テキストメディアやモバイル・パーソナルメディアとして多様なメディア特性を有するなかでも、特に身体性の希薄化による「コミュニケーション上の手がかり (コンテクスト) の欠如」と「利用コンテクストの制約からの解放」という「二重の脱コンテクスト性」をもっことに注目した。「調査結果」としては、ケータイメールのメディア実践の現状について、「ケータイメールのコミュニケーション的メディア特性」、「他メディアとの使い分け状況」、「関係性への影響」といり三方向から理解した。ケータイメールは、コミュニケーションする上での「気楽さ」、「手軽さ」、「使い勝手のよさ」から、用件伝達に優れた適性を有するものの、それに限らず、コンサマトリーなやりとりも含めた幅広いロミュニケーション内容に利用されていた。「考察」では、「二重の脱コンテクスト性」というメディア特性を有するケータイメールを使って、特にコンサマトリーなコミュニケーションを実現するためには、「コンテクストの創造・付与」とい巧意味で、利用者のより主体的な関与が求められてい喝ことを指摘した。 This paper is a study which investigates the current "Media-Practices" of how youths give meaning to the media of cell phone texting and how they use it. For this study, first theoretical analysis was performed about the technical characteristics of cell phone texting, based on the historical genealogy of this media and the situation of inter-media. Secondly, qualitative /quantitative surveys were conducted on vocational school students to investigate what the media habits of the users under the conditions of such technical characteristics. By making theoretical analysis and surveys negotiate, conclusions of the problem were drawn. With theoretical analysis, it was noted that cell phone texting had the media-characteristic of "double de-context nature", which means that communications by this media lack the key to analogue communication (context) and also are released from traditional physical restrictions. As a conclusion, it should be pointed out that users were asked for more independent and active participation of the media, in the sense of "creating and granting of contexts" in order to communicate intimately by using the cell phone texting

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