Toeda, Hiromoto

トエダ, ヒロモト

戸枝, 陽基

Japanese

St. Luke's International University Repository

St. Luke's International University Repositoryどんな人もそのひとらしくやりたいことを言語: Japanese出版者: 公開日: 2021-09-30キーワード (Ja): キーワード (En): 作成者: 戸枝, 陽基, Toeda, Hiromotoメールアドレス: 所属: メタデータhttps://doi.org/10.34414/00016521URLThis work is licensed under a Creative CommonsAttribution-NonCommercial-ShareAlike 3.0International License.− 38 −Ⅰ．NPO法人から社会福祉法人へ　社会福祉法人むそう（以下，むそう）は，障害のある方の地域生活を支える活動をしている．むそうの前身である，NPO 法人ふわり（以下，ふわり）は，1999年4月に愛知県半田市で産声を上げた．ふわりは，どれほど障害が重くても，生まれ育った地域で普通の生活を続けたいと願う障害のある方の家族5組と，むそうの現理事長である筆者が設立した法人である．古い一軒家を借り，風呂・トイレ等を身障者用に改装し，当時は障害者の公的な在宅支援サービスが制度的にまったく整っていなかったため，私的契約サービスの企画をして，広く利用を呼びかける形で事業所を立ち上げた．　共に事業所を立ち上げた5組の家族の願いとしては，どれほど障害が重くても，ひとりの人として尊重され，最後までさまざまな人のつながりのなかで生き抜くことであった．その想いは共感の輪を大きく広げ，事業も利用者もどんどん大きくなっていった．Ⅱ．施設・在宅・地域を定義する　設立時，その目指す福祉観の根幹に「ノーマライゼーションの理念」を据えた．「障害をもつ人も，もたない人も，地域の中で生きる社会こそ当たり前の社会である」と定義づけられているノーマライゼーション（Perske et al., 1980）を日本社会のなかで実現するには，どうしたらよいのか．その問いへの具体的アクションがふわり・むそうの20年の歩みである．その活動のなかで，「施設」「在宅」「地域」を以下のように定義した．　施設＝大きな人数で，社会に支援を受けながら暮らす．　在宅＝小さな人数で，家族に介護を受けながら暮らす．　地域＝小さな人数で，社会に支援を受けながら，自分【第25回聖路加看護学会学術大会：特別講演】どんな人もそのひとらしくやりたいことを戸枝　陽基社会福祉法人むそう／日本福祉大学図1　地域生活支援：11個のパーツ支援当事者聖路加看護学会誌　Vol.25 No.1 July 2021− 39 −らしい暮らしを生きる．　設立当時，障害のある方の暮らしは，家族が介護を可能な限り行い，それが不可能になると施設に入所をして一生を終えるということが一般的であった．それを障害者の家族がずっと介護をしなくても，自分の住みたい街で普通の暮らしを継続出来るようにしようと考えた．　そのために，なにが必要であるかを考えて，11個の地域生活に必要な支援を言語化し，具体的にひとつずつ創り出してきた（図1，2）．2020年10月には，You Tubeの「地域づくり TV」チャンネルにおいて，活動の様子が取り上げられ，現在も公開中である（地域づくり TV，2020）．Ⅲ．ライフステージ全般にわたる伴走型支援への課題　組織が設立されて20年が経過して，いま課題となっていることがいくつかある．　そのひとつは，利用者の高齢化に伴う，医療依存度の高まりに応えることの出来る医療分野との協働である．設立時に40歳だった利用者が60歳を越え，看取りも意識をした支援になってきている．そうなると，医療との連携は，必要不可欠なものとなる．　むそうが10年前に，医療的ケア児支援に力を入れようと決めたのも，実は，看取りのための医療分野との協働を考えたときに，医療者と連携することが必要不可欠な医療的ケア児支援は，むそうの医療に関する知識と経験を飛躍的に高めることになるのではと考えたからである．結果として，多くの看護師を雇用する事業者となり，グループホームなどの高齢化する利用者への医療対応にも大きな進展がみられている．今後は訪問看護を自事業所で展開したいと考えている．　もうひとつ挙げるとすれば，権利擁護である．利用者の家族が高齢化し，さまざまな判断や契約が困難になってきている．成年後見人等の活用だけでは，事業所が家族に代わりさまざまな判断を代行することになる．何とか複層的な目で生活の選択が出来るシステムを構築したい．引用文献Perske R，Perske M（1980）／白井裕子，山本千恵，渡辺季與子（訳）（2000）：やさしい隣人達；共に暮らす地域の温かさ，渡辺勧持（監），フィリア，東京．地域づくり TV（2020）：福祉業界の変革者（戸枝陽基さん）．https://www.youtube.com/watch?v=b0LaVpaRBKg（2021／7／14）．図2　社会福祉法人むそう：地域生活支援11個のパーツ支援当事者連携医療機関嘱託医　訪問看護ステーション利用者のかかりつけ医・看護師ＭＳＷ・保健師・リハ等④住む（在宅・グループホーム） ③働く②経験する（社会参加支援・移動支援等） ⑤所得保障⑥権利保障（成年後見・権利擁護）⑦医療保障⑧家族援助（私的契約サービス） ⑨相談支援（ケアマネジメント）相談支援事業所ぴっと⑩地域の意識変革（啓発・イベント・寄付） ⑪人材育成（ケア・経営・マネジメント研修等）アート工房&Shop農業・農福連携（養鶏・きのこ・野菜）hanabitaikaiなかよし生活支援センターあっと訪問（介護・保育）・外出支援・短期入所・日中一時支援ＮＰＯ法人ふわり公益財団法人あいちコミュニティ財団こみゅ動坂行政監査・第三者評価機関成年後見人・後見センターローズベイ児童発達支援ほわわ喫茶店・パン屋さがみねハウス①育む放課後デイぴゅんチョコレート屋発達障害者デイ

どんな人もそのひとらしくやりたいことを

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