社会科は戦後改革期において国内の民主化の推進役を果たす教科として期待された。同時に社会科は戦前の「修身」「国史」「地理」及び「公民」の統合教科でもあった。戦後すぐに発足した「公民教育刷新委員会」での審議と２つの「答申」が、その後の統合社会科への方向性の軸となっていった。それは、教育の内容の民主化だけではなく、従来の教師中心の教育の方法の転換をも要請するものとなった。そして、「答申」が出発点となり、公民教育への模索を媒介として、教育方針・方法と教育内容との二元的並立状態を克服しようとする試みへと進んでいった。1947年学習指導要領において正式に教科として発足した社会科は、方法と内容の二元的並立状態を「問い」の構造として一元化しようとした。その試みが「単元学習」の提起である。その「問い」とは、敗戦直後の日本と世界の現実に対して向けられていた。このようにして、戦後社会科が出発した。departmental bulletin pape
