博士論文 (Doctoral dissertation)doctoral thesi

397380

刘, 承旭

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氏名 (本籍)学位の種類学位授与番号学位授与日付学位授与の要件学位論文題目審 査 委 員刈 承 旭(中国)博 士(医学)甲第 451 号平成12 年 9 月13 日学位規則第4条第1項該当Impact of a new quinolone.DU-6859a.and two oralcarbapenems,CS-834and L-084.on the rat and mouse cecalmicrof[ora(主査)教授 渡 連 邦 友(副査)教授 江 崎 孝 行 教授 出 口 隆論 文 内 容 の 要 旨現在開発中のニューキノロン薬であるDU-6859aや経口カルバペネムであるCS-834とL-084の活性体は好気性菌,嫌気性菌を問わず,幅広く極めて強い抗菌力を示し,特に,腸内フローラの優勢菌である嫌気性菌に強い抗菌活性を示すことから,これらを用いた化学療法を行った場合の副現象として下痢症や腸炎を引き起こす可能性が高いのではと危惧されている｡そこで,本研究では二種類の実験動物モデル,一つは盲腸内容物を同一個体から繰り返し採取できるようにフィステルを装着したラット,一つは処死して盲腸検体を採取する通常のマウスを用いて,DU-6859a,CS-834,L-084の腸内フローラ対する影響および盲腸内薬物濃度について検討した｡【材料と方法】1)抗菌薬DU-6859a(第一製薬),CS-834とその活性体R-95867ナトリウム塩(三共),L-084とその活性体L-036(日本レダリー)を使用した｡抗菌薬は5%カルポキシメチルセルロースに浮遊させ,30mg/kgを一日2回,5日間経口投与した｡2)動物ラットはウィスター系,雄,12週齢(約350g)を用い,標準食で一ケ月飼育した後,プラスチック製の盲腸フィステルを装着した,それと同時に40%タンパク食で飼育を始めた｡マウスはddY系,堆(約25g)用い,40%タンパク食で飼育した｡3)細菌学的検討盲腸内容物は嫌気性菌MIC培地で10倍に希釈したものを原液とし,好気性菌と嫌気性菌用の各種培地で定量的に培養した｡同定は定法にしたがい,同定キットとガスクロマトグラフィーにする代謝産物の分析結果により行った｡4)薬剤不活性実験抗菌薬(20mg/ml)の25〟1と盲腸内容物の500mg,あるいはラット盲腸内容物から分離した嫌気性菌と好気性菌を,BrainHeartInfusionbrothで前培養したもの(菌数108cfu/ml)の2.5mlを混合し,37℃で48時間嫌気培養し,経時的に薬剤濃度をbioassayで測定した｡また,盲腸内容物合計28検体についてcefinaseディスクを用いβ-1actamaseの存在の有無を検討した｡【結果と考察】ラットでは,嫌気性菌としてβαC£eroide5/JⅥgiJよ5grOup,助占αC£er払m,鞄と05fJ印加OCCZ瓜,陣∽0儲Zゎが,好気性菌としてエαC£0占αCよ仇ぶ,5と呼ん〆ococcぴぶ,助ferococc∽,助亡eroわ∝亡er£αCeαeが最優勢菌として検出された｡DU-6859aの投与により,嫌気性菌全体とenterococciを除く好気性菌で>3logCFU/gの減少が見られたが,15日後には投与前のレベルに回復した｡CS-834とし084投与ではフローラの変動はほとんど見られず,助とero-bacteriaceaeだけが投与後に2logCFU/g程度減少し,15日後には投与前のレベルに回復した｡ラット盲腸中の最優勢菌種のぶ£呼ん〆ococcぴαα柁∽と助ferococc乙ばルecαgねおよび且sderわんよαCOおはDU-6859aの投与後には著しい影響を受けたが,CS-834とL-084投与後には影響を受けなかった｡βec£eJ℃最eぶdね£郎OJlねとβαC亡eroよde5∽折珊ぬはDU-6859aの投与後でのみ一時的に消失した｡マウスでは,嫌気性菌としてβαCとeroi血s u昆なα加,βαC£eroidesouα亡び,β∝亡eJ℃よdeざ£ん虎αわ拍Omわro花が,好気性菌として5吉昭ん〆ococc∽,且ルecαZiぶ,且coお力i,最優勢菌種として検出された｡分離された嫌気性菌の種類はラットより少なかった｡好気性菌はDU-6859a投与により,嫌気性菌はDU-6859a投与とCS-834投与により著しい影響を受けた｡しかし,し084投与では影響を受けなかった｡助£erococc∽gαgJi花αmmがCS-834の投与一日後で,且gαJ～よJ∽mmとPmfe㍍mよm占i～よ5がL-084の投与一日後で検出不能とな?た｡抗菌薬を5日間投与し,最終投与後12時間のマウス盲腸内容物1kgあたりの薬剤濃度を測定した｡CS-834投与では0.69±0.01mg,L-084投与では0.16±0.24mgといずれも非常に低値であったが,DU-6859a投与では173±46.2mgと高値であった｡ラット盲腸内容物を用いたin vitroでの薬物の不活化実験では,CS-834とL-084の活性体は大幅な不括化を受けたが,DU-6859a,CS-834,L-084は不活化を受けなかった｡マウス盲腸内容物を用いた不活化実験では,L-084とその活性体だけが不活化を受けた｡最優勢分離菌16株には,CS-834とL-084とそれらの活性休を不活化するものはなかった｡本研究で使用した抗菌薬DU-6859a,CS-834,LO84はいずれも大多数の好気性菌と嫌気性菌に極めて強い抗菌力を示すことから,著者らはそれらのラットとマウスの盲腸フローラに及ぼす影響を危惧したが,実際にはDU-6859a投与後に好気と嫌気性菌数が顕著に減少したのみで,CS-834とL-084投与はラットのフローラにはほとんど影響を与えず,し084投与のみがマウスのフローラに軽度な影響を及ぼすことが知られた｡この結果は前の経口投与後の人の糞便フローラへの影響と一致していた｡また,CS-834とL-084の活性体はラットの盲腸内容物中では不安定であることが今回の実験で初めて明らかとなった｡盲腸内容物中に存在するβ-1actamaseがこれらのカルバペネムを不活化したと考えられた｡論文審査の結果の要旨申請者 刈承旭は,現在開発中のニューキノロン薬,経口カルバペネム薬の盲腸内フローラに対する影響を2種の動物モデルを用いて検討した｡ニューキノロンの投与では,嫌気性菌と好気性菌で顕著な減少が見られるが,カルバペネムニ剤ではほとんど変動は見られないことをラットのフィステルモデルを用いて明らかにした｡またカルバペネムの種類によりフローラに対する影響が異なることをマウスモデルを用いて明らかにした｡又,その原因として,フローラ中の不括化酵素の存在を示唆した｡本研究成果は,臨床細菌学と化学療法の進歩に少なからず寄与するものと認める｡[主論文公表誌]Impact of a new quinolone,DU-6859a,and two oralcarbapenems,CS-834and L-084,On the rat andmouse cecalmicrofloraTHEJOURNAL OF ANTIMICROBIAL CHEMOTHERAPY(in press)-6-

Impact of a new quinolone, DU-6859a, and two oral carbapenems, CS-834 and L-084, on the rat and mouse cecal microflora

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Impact of a new quinolone, DU-6859a, and two oral carbapenems, CS-834 and L-084, on the rat and mouse cecal microflora

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