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トランスポーター発現アデノウイルスベクターを用いたペプチド様抗がん剤の脳腫瘍送達
Authors
Sai Yoshimichi
崔 吉道
Publication date
28 March 2018
Publisher
Abstract
金沢大学大学院・自然科学研究科本研究は、ペプチド様抗がん剤の脳移行障壁となっている血液脳関門にペプチドトランスポーターであるhPEPT1を発現させ、抗がん剤の脳移行性を向上させることを目的として、ペプチド性抗がん剤を輸送するhPEPT1と黄色蛍光タンパク質とのキメラ化タンパク質を発現するアデノウイルスベクターAdhPEPT1-EYFPを作製した。AdhPEPT1-EYFPによるhPEPT1のペプチド輸送活性のin vitroでの発現を、研究代表者等がこれまでに不死化、樹立したラット脳毛細血管内皮細胞RBEC1を用いて[^3H]グリシルサルコシンを基質に検討した。その結果、AdhPEPT1-EYFPを感染させたRBEC1で、経時的な[^3H]グリシルサルコシン取込みの上昇がウイルスの用量依存的に見られた。AdhPEPT1-EYFP感染細胞による[^3H]グリシルサルコシン取り込みには、hPEPT1の特徴pH依存性および10mM非標識グリシルサルコシンによる阻害がみられた。RBEC1細胞におけるhPEPT1-EYFPキメラ遺伝子のmRNAレベルでの発現は、RT-PCR法により確認した。発現したhPEPT1-EYFPキメラタンパク質の細胞膜への発現は蛍光顕微鏡を用いて確認した。正常細胞である初代培養脳毛細血管内皮細胞を用いても検討を行ったが、RBEC1と同様な結果が得られた。hPEPT1-EYFPのin vitroでの発現が確認できたことから、in vivo発現についても予備的な検討を行った。Takasato等の方法に従い、ラットの内径動脈にAdhPEPT1-EYFPウイルス溶液を灌流し感染を行った。本実験は手術法が複雑であることから、手術が成功した2例についてのみ感染動物を2日間飼育した後、Oldendolfに従ってbrain uptake index法によりペプチド脳移行性の検討を試みた。その結果、[^3H]カルノシンの脳移行性は非感染動物と比べて上昇する傾向がみられた。以上、本ベクターを用いることによって、in vivoでhPEPT1機能を誘導できる可能性が示された。また、がん細胞での発現が認められるOCTNおよびOATPトランスポーターの検討も行った。研究課題/領域番号:12217054, 研究期間(年度):2000出典:研究課題「トランスポーター発現アデノウイルスベクターを用いたペプチド様抗がん剤の脳腫瘍送達」課題番号12217054(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-12217054/)を加工して作
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