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    持続可能なキャンパス計画の考察と提案 : 工学院大学八王子キャンパス・スチューデントセンター設計プロポーザルを通して

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    国内における大学キャンパス計画の歴史は概ね100年を遡るが、現在数多くみられる教室・学部棟毎の棟配置型のキャンパスがつくられるようになったのは、1948年の新学制の実施による大学改編以降である。大学キャンパスは、新学部の誕生や研究施設の設置に伴い、運用を持続させながら増改築を行わなければならないという建築計画上の制約を持っている。またこの十数年の間には空調設備の冷房対応や弱電設備の情報LANの敷設など、時代の要請の反映を強いる流れに現在もある。国内事例にはこのような変化に対応できるように当初からマスタープラン(全体計画)にそれらが盛り込まれているものもあるが、殆どは都度の対応となっている。本旨で取り上げる工学院大学八王子キャンパスも、1960年代にここにキャンパスを開設し、1980年代に現在のキャンパスの骨格となる11棟の学部棟と学生・厚生施設棟を完成させ、今日まで15棟の学部・教室棟が増築されているが、集約的な設備システムを持たず、また、キャンパスの中心となるような広場や学生の溜まりが無く、キャンパス空間としての充足が失われるに至っている。そんななか、2005年7月にキャンパスの中心施設となるスチューデントセンターの設計プロポーザルが実施された。参加者は大学選定委員会から指名を受けた建築家、工学院大学専任教員、工学院大学校友会会員による50余者であった。著者は、建築家・工学院大学教授の中山繁信氏との共同設計で本設計プロポーザルに参加している。本文はその際にまとめたキャンパス計画のサスティナブルに関する研究レポートと設計プロポーザルに提出した工学院大学八王子キャンパス・スチューデントセンター計画案の抜粋である。スチューデントセンターを中空に配してできる中心広場と、そこから延びる棟間余地を利用したポケットパークの提案、また、キャンパス全体の設備集約と配管配線ルートの確保・拡張計画、自然通風を促すための植栽計画等に及んで考察し、持続可能なシステムの構築とキャンパスの修景、広場空間の確保、情報発信基地としてのスチューデントセンターの在り方等の提案を行っている
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